テレビで素敵なマイホームのCMが流れているのだけれど、みんな「住宅ローン」っていうのを使って買うみたい。でも学校では教えてくれなかったし、いったいこれってなんなの?
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まずは住宅ローンの基本を知っておきましょう
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一問一答式で住宅ローンに関する疑問にお答えします!
はじめに
ファイナンシャル・プランナー(FP)の原 浩也です。明るく楽しい「おうちマンション生活」を目指すコラム(第22号、第23号、第24号、第25号、第26号、第27号)に続き、住宅ローンについて解説しますのでどうぞよろしくお願いいたします。質問1 そもそも住宅ローンってなに?
マイホームを買うとき、自分のお金だけでは足りない分を銀行などから借ります。それが『住宅ローン』です。
自分で用意したお金は『頭金(あたまきん)』と言い、多いほど返済計画に余裕が出ます。
マイホームは人生で一番高い買い物です。もし全額を貯めてから買おうとしたら、それはそれは長い時間がかかりそうですよね?
頭金を用意して住宅ローンを使えば、貯めるよりずっと早くマイホームが持てるのです。質問2 住宅ローンはどこで借りるの?
個人向けの住宅ローンに力を入れている銀行などの金融機関が代表的です。なお国や一部の自治体、一般企業などの住宅ローン貸出窓口を兼ねている場合があります。
会社員や公務員の方でしたら、まず勤務先の福利厚生担当さんに相談してみましょう。思わぬ好条件があるかもしれませんし、いろいろとアドバイスもしてくれるでしょう。質問3 住宅ローンってどうやって返すの?
住宅ローンは毎月、お金を借りた金融機関などの口座から自動引落としされます。勤務先から直接借りたらお給料から天引きされます。また『ボーナス払い分』として年2回、毎月分に加算して返済することもできます。
借りた金額は『元金(がんきん)』、その手数料にあたるのが『利息』で、この総合計額を分割して返済していき、元金をすべて返すと住宅ローンは終わりです。質問4 住宅ローンって他のローンとどこが違うの?
数千万と高額な元金を数十年かけて返済します。一方で利息の金額を決める『金利』は低めなのが特徴で、ある期間ごとに変わるものや、返済終了までずっと変わらないものなど様々なタイプがあります。そしてこれらを組み合わせ、自分たちに合ったプランが選べます。質問5 住宅ローンに保険が付いてる?
意外かもしれませんが、はいそうです。
その代表が基本的には強制加入の『団信(ダンシン)』こと『団体信用生命保険』です。返済中に団信の加入者が死亡したり、それと同じような高度障害状態になると住宅ローンが無くなります。そのため家族はこれまでどおりマイホームに住み続けられるのです。
反対に健康状態が悪くて団信に入れないと住宅ローンは借りられません!(強制加入時)
家族のためにも普段から健康には気をつけましょうね!質問6 保証料と事務手数料ってなんですか?
住宅ローンを借りるとき、通常は『保証料』を保証会社に支払います。もし借りた人が金融機関に返済できなくなくなったとき、保証会社が残っている元金すべてを返済してくれます。でも立て替えているだけなので、その後は保証会社に返済していきます。
『事務手数料』は金融機関に支払う手続き料です。これら2つは『定額』と『定率(元金に対して)』があり、金額に大きな差が出たりもするので、どちらがオトクか比べてください。質問7 そのほか借りる前に注意することはありますか?
マイホームの価格だけでなく諸費用もかかる事に注意しましょう。このマイホームは自分のものと証明する『登記(とうき)』費用、税金、火災保険、修繕積立一時金などです。
これらを合計すると数百万円になったりするので、先ほどの保証料や事務手数料も含めた総額、そして最初にいくら必要なのか、余裕を持って早めに確認しましょう。質問8 住宅ローンは納めた税金が戻ってくるって本当?
年末に返済が残っている元金残額に応じて、税金が戻ってくるなどの特例制度(住宅ローン控除)が使える場合があります。でも自動的には戻らず、買った翌年に確定申告をして手続きします。
会社員などは、それ以降は勤務先がやってくれて12月のお給料で戻ってきます。年末に手取りが増えるので、この時期だけは住宅ローンを借りてて良かったと思うかも。元は自分のお金ですけど^^;今回のまとめ
マイホームを買うときは何かと出費がかさみます。そして買った後も今度は住宅ローンの返済に加えて、マンションの管理費や修繕積立金、駐車場利用料、固定資産税などが加わります。
これらも考えて、頭金の額と住宅ローンの額を試算し、あなたが借りようとしている住宅ローンの返済に無理がないか冷静に判断してくださいね。
(本記事は記事執筆時点の2016年11月の情報に基づいて執筆されています。) -
Author:原 浩也(はらひろや) 先生
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(CFP®(ファイナンシャル・プランナー)、基本情報技術者、宅地建物取引士,くらしとお金とパソコンのヘルプデスク『スラウギ』代表)
28年間の総合出版社勤務で情報システム、広告・販売営業、物流開発と、様々な職務を経験し5年前に早期退職。 FP資格を取得後、某大学にて中島智美さんの「マネープランニング講座」講師を務める。 また技術者として高齢者向けのスマホ、タブレット、PC講座講師をするほか、不調PC修復などの出張サポートも行っている。
同い年で共に地方出身の妻、今年社会人になった長男、大学2年の長女の4人暮らし。 結婚を機に26歳でマンション購入。長男が生まれ住み替えて現在居住中。 当コラムは、読者のみなさんがこれから経験するであろうことを、ちょっと先にやってきた私がお伝えします