最近、施工ミスが多いだけでなく、新築マンションは耐震レベルが低い物件が多い。
建築費が高騰する中、安全性を犠牲にしていると言って過言ではないだろう。
そんな不安な状況の中で、物件を選ぶのは難易度が高い。
大地震が起きた際の建物の安全性を明確な数値にして比較できたらどうだろう?
これでマンションの買い方が変わるかもしれない。
REIT(不動産投資信託)での物件購入時はエンジニアリングレポートという建物に対する調査報告書が必ず付く。
その一部のデータであるPML値とは地震の際の損失率を指す。
正確な定義は、475年に一度起こるとされる大地震(=50年間に起こる可能性が10%の大地震)が発生した場合の予想最大損失率となる。
計算式は、PML値(%)=(被害総額÷建物の再調達価格)×100
つまり、0%は被害なし、100%は全損と分かりやすい。
通常、REITは高くても15%以下の物件のみを取得対象とする。
建物価格が10億円の場合、10%なら1億円で元通りということだ。
もちろん、1棟賃貸マンションが行っているのだから、分譲でも行えばいい話である。
しかし、分譲マンションでは調査は行われているかもしれないが、公表されることはない。
このまま、売主・施工会社・地盤や構造の説明だけで素人が判断するよりも、
プロが評価した数値を明らかにすることの方が望ましい姿であろう。
どこか大手がやり始めたら、業界のスタンダードになるかもしれない。
いずれにしても、現状容認では大惨事が起きてからでは遅過ぎると考える。
[第423号]「分譲マンションの震災リスクを定量化へ」
2014年07月20日