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住まいサーフィン編集部

2024年の最高路線価ランキング!最新の動向も解説。

2024年07月05日

更新日最終更新日:

路線価について、この記事で分かること

2024年7月1日に、国税庁は最新の路線価を発表しました。全国平均は3年連続で上昇しているようですが、特にどのエリアが上昇しているのか気になりますよね。

今回の記事では、2024年に路線価が上昇している理由と、最高路線価ランキング・変動率上昇ランキングをご紹介します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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売り手と買い手の情報格差が大きい住宅業界。
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1. 路線価とは何か?

まずは、路線価とは何なのかご説明します。

国税庁によると、路線価とは「路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額のこと」とされています。
以下の図の道路に書かれている数字が路線価です。数字の横のアルファベットは借地権の割合を表しています。

路線価の見本
画像引用:国税庁 財産評価基準書

例えば水色の印の場所に隣接した道路には、「2990B」という数字が書かれています。この数字は千円単位で表示されているので、印の場所は路線価だと1㎡あたり299万円です。

路線価は相続税路線価とも言われていて、相続税や贈与税を算出するときに使われます。全国の路線価は、国税庁の専用ホームページで調べることが可能です。

公示地価・基準地価との違い

路線価と同じように土地の価格を表すものとして、公示地価基準地価があります。

公示地価は国が発表している土地の価格で、基準地価は都道府県が発表している土地の価格です。基準地価は公示地価の補完的な役割を持っています。

3つの地価の違いを、さらに詳しく見てみましょう。

  公示地価 基準地価 路線価
(相続税路線価)
調査主体 国土交通省土地鑑定委員会 都道府県 国税庁
評価時期 毎年1月1日時点 毎年7月1日時点 毎年1月1日時点
発表時期 毎年3月中下旬 毎年9月中下旬 毎年7月1日
算出方法 不動産鑑定士2人以上で
鑑定評価し、
その結果を基に算出
不動産鑑定士1人以上で
鑑定評価し、
その結果を基に算出
公示地価・売買実例価格を基に算出
調査地点数 26,000地点
(2024年)
21,381地点
(2023年)
約320,000地点
(2024年)

路線価は、公示地価と同じように毎年1月1日時点の価格を表しています。しかし、公示地価と路線価は一致しません。路線価は公示地価の80%ほどになっています。

公示地価については、こちらの記事で詳しく解説しています。

2024年の公示地価ランキングは?地価が高い住宅地はここだ!

公示地価の基礎知識と2024年最新の上昇率・平均価格ランキングをご紹介します。

固定資産税路線価は市町村が調査

路線価には、固定資産税路線価というものもあります。これは7月1日に国税庁から発表される路線価(相続税路線価)とは別の地価です。

  固定資産税路線価
調査主体 市町村
評価時期 基準年の1月1日時点
発表時期 基準年の4月頃
算出方法 総務大臣が定めた方法で算出
調査地点 全国のすべての土地
備考 3年に1度評価替えされる

※東京都23区は東京都庁が調査する

固定資産税路線価は、固定資産税評価額を算出するときに使われます。固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税・登録免許税・不動産取得税を課税するときに用いられる金額です。

固定資産税路線価は基準年が3年ごとに設けられます。基本的には3年間は価格が据え置かれますが、地価が著しく変動した場合は修正が入るという仕組みです。
相続税路線価は毎年算出・公表されるので、この点も大きな違いと言えます。

また、相続税路線価は公示地価の80%目安であるのに対して、固定資産税路線価は公示地価の70%が目安となっています。つまり、相続税路線価と固定資産税路線価は、同じ路線価でも違う価格になります。

今回の記事では、相続税路線価について解説しています。以後、本記事内で「路線価」と記載されたものはすべて相続税路線価のことですのでご了承ください。

2. 2024年(令和6年)の路線価動向を解説!

それでは、2024年(令和6年)の路線価はどうなっているのかを見ていきましょう。

2024年の路線価は、全国平均で見ると上昇していました。標準宅地の路線価は、対前年比2.3%上昇で、3年連続で前の年を上回っています。上昇幅が2%を超えるのは16年ぶりのようです。

特に上昇率が高かった都道府県をご紹介します。

  都道府県名 平均上昇率
1位 福岡 5.8%
2位 沖縄 5.6%
3位 東京 5.3%
4位 北海道 5.2%
5位 宮城 5.1%

上昇率ランキング1位は福岡県でした。
福岡県の中でも、特に上昇しているのは県庁所在地でもある福岡市です。福岡市早良区の明治通りなど、場所によっては前年比で14%ほど上昇している地点もありました。
福岡市では「天神ビッグバン」などさまざまな再開発が行われています。

天神ビッグバンの対象エリアとプロジェクト位置図

福岡市の天神ビッグバン
画像引用:福岡市ホームページ

再開発が進むことで周辺は活性化され、オフィス需要や住宅需要が高まり、地価の高騰に繋がります。福岡市ではマンションの建設も多く行われているので、それも相まって地価は大きく上昇していると推測されます。

なぜ全国的に路線価は上昇しているのか?

路線価が上昇しているのは福岡県だけではありません。2024年は、29の都道府県で路線価が上がりました。なぜこれだけ多くの都道府県で路線価が上昇しているのでしょうか。

地価が上昇する理由としては、このようなものが挙げられます。

地価が上昇する主な理由

  • ● 人口増加
  • ● エリア人気(需要の増加)
  • ● 都市開発(再開発)
  • ● 新駅の開業や道路の整備
  • ● インバウンド需要の拡大
  • ● 金融緩和政策

今回の全国的な路線価の上昇は、上記の中でもインバウンド需要の拡大と再開発の影響が大きいと考えられます。

コロナ禍から回復し、多くの外国人が訪日しています。2024年5月の訪日外国人は300万人を超えていて、コロナ以前の水準を上回るようになってきました。円安の影響もあるでしょう。

また、福岡の例のように、各地で行われている再開発も地価上昇の起因となっています。

上昇するメリット・デメリット

路線価が上昇すると、私たちの生活に何か変化はあるのでしょうか。メリットとデメリットを見てみましょう。

路線価が上昇するメリット

路線価(地価)が上がることで、その土地の不動産としての価値も上昇します。買った時よりも高値で売却できたり、需要が高まることで早期に売却できたりするかもしれません。
さらに、不動産を担保にしてお金を借りるときに融資を受けやすくなります。

住宅や土地の売却を考えている人にとっては地価の上昇は嬉しいニュースですよね。思っているよりも高値で売却できるかもしれません。
すぐに売却する予定はなくても、自分が住んでいる場所の地価が上がっているというのは安心材料になります。地価の上昇は資産価値の上昇とも言えるからです。

路線価が上昇するデメリット

路線価が上昇すると、相続税・贈与税の負担額が増えてしまいます。特に贈与税は税率が高いので、税金の負担も大きいです。

相続税と違って、贈与税はタイミングを自分で決めることができます。地価が上昇し続けているようなら、早めに贈与することも検討しましょう。

また、路線価が上昇しているということは、その土地の実勢価格も上昇していることが多いです。これから不動産を買う予定の人にとっては、路線価の上昇はデメリットと言えるでしょう。

3.【2024年版】都道府県庁所在都市の路線価ランキング

都道府県庁所在都市の最高路線価をご紹介します。最高路線価が高い順にランキングを作成しました。

2024年都道府県庁所在都市の最高路線価ランキング

順位 都道府県名 最高路線価 最高路線価の
対前年変動率
1位 東京 4,424万円 3.6%
2位 大阪 2,024万円 5.4%
3位 横浜 1,696万円 1%
4位 名古屋 1,288万円 0.6%
5位 福岡 944万円 4.4%
6位 京都 752万円 7.9%
7位 札幌 728万円 9%
8位 神戸 532万円 6.4%
9位 さいたま 529万円 11.4%
10位 仙台 363万円 4.6%

東京・大阪・横浜・名古屋・福岡といった大都市が上位となっています。

11位以下の県の最高路線価や、どの地点が最高路線価だったのかは、国税庁のホームページでご確認できます。
参考:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/rosenka/index.htm
(国税庁:令和6年分の路線価等について)

4.【2024年版】関東の最高路線価ランキング

つづいて、関東エリア(埼玉・千葉・東京・神奈川)の最高路線価を詳しく見ていきましょう。税務署別の最高路線価をランキング形式にしました。

表の右端にある最寄り駅名をクリックすると、その所在地近くのマンションや駅相場を調べることができます。エリアによっては実際に販売されている分譲戸建ての情報も掲載中です。

2024年関東1都3県の最高路線価ランキング

順位 税務署名 最高路線価 最高路線価の所在地 対前年変動率 最寄り駅
1位 京橋 4,424万円 中央区銀座5丁目
銀座中央通り
3.6% 銀座
2位 渋谷 3,224万円 渋谷区宇田川町
渋谷駅側通り
9.5% 渋谷
3位 新宿 3,088万円 新宿区新宿3丁目
新宿通り
3.8% 新宿
4位 四谷 2,792万円 新宿区新宿3丁目
新宿通り
3.6% 新宿三丁目
5位 麹町 2,552万円 千代田区有楽町2丁目
晴海通り
3.6%
6位 日本橋 1,864万円 中央区八重洲1丁目
外堀通り
2.6% 東京
7位 麻布 1,856万円 港区北青山3丁目
表参道
5.9% 表参道
8位 横浜中 1,696万円 横浜市西区南幸1丁目
横浜駅西口バスターミナル前通り
1.0% 横浜
9位 1,480万円 港区新橋2丁目
新橋西口駅前広場通り
5.1% 新橋
10位 豊島 1,257万円 豊島区東池袋1丁目
グリーン大通り
7.7% 池袋

※最寄り駅が有楽町のマンション情報は無し

トップ10位は、8位以外すべて東京都でした。
対前年変動率が特に高いのは2位の渋谷と10位の池袋です。どちらも駅周辺で大規模な再開発をしています。

参考:https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/release/r06/rosenka/index.htm
(令和6年分東京国税局各税務署管内における最高路線価)
https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/release/data/r06/rosenka/index.htm
(令和6年分関東信越国税局の税務署別最高路線価)

5.【2024年版】関東の上昇率ランキング

最後に、関東エリア(千葉・東京・神奈川)の対前年変動率上昇ランキングをご紹介します。今回は東京国税局のデータを参考にしているので、管轄外の埼玉県は含まれていません。

表の左側に「10年後予測を見る」が表示されている場合、そのエリアのマンションの5年後と10年後の予想平均価格を見ることができます。

2024年関東1都2県の最高路線価上昇ランキング

順位 税務署名 対前年変動率 最高路線価の所在地 最高路線価  
1位 浅草 16.7% 台東区浅草1丁目
雷門通り
448万円 10年後予測を見る
2位 保土ケ谷 15.9% 横浜市旭区二俣川2丁目
二俣川駅南口駅前通り
73万円  
3位 千葉西 15.4% 習志野市津田沼1丁目
ぶらり東通り
142万円 10年後予測を見る
4位 足立 15.1% 足立区千住3丁目
北千住駅西口駅前広場通り
557万円 10年後予測を見る
5位 千葉東 14.9% 千葉市中央区富士見2丁目
千葉駅東口駅前広場
223万円 10年後予測を見る

最高路線価が上昇しているということは、その街の人口や観光客が増加していたり再開発が進んでいたりするなど、今後の発展が期待される街と言えるでしょう。
6位以下のランキングが気になるという方は、東京国税局のホームページをご覧ください。
参考:https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/release/r06/rosenka/index.htm
(令和6年分東京国税局各税務署管内における最高路線価)

6.まとめ

今回の記事では、2024年(令和6年)最新の路線価について解説しました。

お住まいの地域の路線価が上がっていた、という方も多いのではないでしょうか。もし住み替えを検討しているなら、まずは住宅の売却査定をしてみてください。

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そこで重要なのが、ご自身での情報収集です。一括査定を依頼する前に、相場感覚を身につけましょう。

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