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住まいサーフィン編集部

【2024年最新】子育てエコホーム支援事業とは?補助金額や条件を解説!

2024年03月05日

更新日最終更新日:

子育てエコホーム支援事業について、この記事で分かること

新築住宅を購入したときやリフォームをしたときには、国から補助金をもらえることがあります。それが「子育てエコホーム支援事業」です。

こちらの支援事業、対象は子育て世帯だけではありません。条件を満たしてリフォームをすれば、すべての世帯の人が補助金をもらうことができます。

今回の記事では、子育てエコホーム支援事業の内容や条件、補助金額について解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. 子育てエコホーム支援事業とは何か

まずは子育てエコホーム支援事業の概要と、支援事業ができた背景を簡単にご説明します。

子育てエコホーム支援事業とは、政府が子育て世帯・若者夫婦世帯による省エネ性能の高い新築住宅の取得住宅の省エネリフォームを支援するために創設された補助金事業です。
新築住宅を建設・購入したときの補助金は子育て世帯と若者夫婦世帯だけが対象ですが、住宅の省エネリフォームは全世帯が対象になります。

新築住宅もリフォームも、省エネであることが補助金をもらうための大まかな条件になります。なぜ省エネがここまで推進されているのでしょうか。

2020年に政府は「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」ことを宣言しました。
カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするということです。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」 から、植林・森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、その合計を実質ゼロにすることを意味します。

カーボンニュートラルを実現するために、政府はさまざまな政策や法改正を実施しています。その中の一つが「子育てエコホーム支援事業」というわけです。

実は「子育てエコホーム支援事業」と似たような補助金事業は、2022年から毎年実施されています。ただし、補助金をもらえる条件や補助金額はその年によって違うので、最新の情報をチェックしてください。

なお、子育てエコホーム支援事業は2024年3月中下旬から申請を開始しますが、予算に達し次第終了となってしまいます。
過去には申請開始から約半年で予算に達したことがあるので、早めに申請する必要があります。

子育てエコホーム支援事業のポイント

2. 子育てエコホーム支援事業の条件と補助金額

それでは、子育てエコホーム支援事業の具体的な内容を見ていきましょう。

子育てエコホーム支援事業は、「子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築」への補助と、「住宅のリフォーム」への補助の2種類に分かれています。

補助金額は、新築住宅であれば1住戸につき80万円または100万円、リフォームであれば最大60万円です。

対象(マンション購入の場合) 1.子育て世帯または若者夫婦世帯が購入する新築住宅
2.住宅取得者等が工事施工業者に対象工事を発注するリフォーム
補助額 新築住宅購入:長期優良住宅は100万円、ZEH住宅は80万円
※市街化調整区域や特定の災害リスクがある区域の場合、補助額は半額となる
リフォーム:工事内容や発注者の年齢等に応じて上限20~60万円
対象着工期間 2023年11月2日以降、対象工事に着手したもの
交付申請期間 2024年3月中下旬~遅くとも2024年12月31日まで

それぞれの条件などを詳しくご説明します。

子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築

新築住宅の補助対象者は、注文住宅の建築主または新築分譲住宅の購入者です。子育て世帯または若者夫婦世帯という世帯条件があります。

対象になる子育て世帯・若者夫婦世帯とは

子育て世帯とは、令和5年(2023年)4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯のことです。つまり、平成17年4月2日以降に生まれたお子さんがいれば、対象になります。
ただし令和6年3月末までに工事へ着手した場合には、令和4年4月1日時点で18歳未満である必要があります。

  • 工事を令和5年11月2日~令和6年3月末までに着手 → 平成16年4月2日以降に出生した子がいる家庭なら対象
  • 工事を令和6年4月以降に着手 → 平成17年4月2日以降に出生した子がいる家庭なら対象

工事の着手が令和5年11月2日よりも前だった場合には補助金の対象とならないので注意してください。

また、若者夫婦世帯とは、申請時点で夫婦であり、かつ夫婦のいずれかが令和5年(2023年)4月1日時点で39歳以下である世帯のことです。夫婦どちらかが40歳以上でも、もう一人が条件を満たしていれば補助の対象になります。
若者夫婦世帯についても、工事の着手時期によって少し違いが出てきます。

  • 工事を令和5年11月2日~令和6年3月末までに着手 → 夫婦いずれかが昭和57年4月2日以降に出生した家庭なら対象
  • 工事を令和6年4月以降に着手 → 夫婦いずれかが昭和58年4月2日以降に出生した家庭なら対象

対象の住宅

補助金の対象になるのは、長期優良住宅またはZEH住宅です。どちらかの住宅であれば、戸建て(注文住宅・建売住宅)もマンションも対象になります。

長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」のことです。
ZEH住宅とは「消費エネルギーから省エネ・創エネしたエネルギーを差し引くと、使用したエネルギーがゼロ以下になるような住宅」です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。

省エネ基準適合住宅や長期優良住宅って何?マンションの住宅性能について解説!

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省エネマンションの住宅性能について詳しく解説します。

補助金額

補助金額は、住宅の性能(長期優良住宅かZEH住宅か)によって異なります。長期優良住宅なら1住戸につき100万円、ZEH住宅なら1住戸につき80万円です。

ただし、どちらの住宅でも下記いずれかに該当する場合には補助金額が半額になってしまいます。

  • ● 市街化調整区域に立地
  • ● 土砂災害警戒区域又は浸水想定区域に立地

※洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域

その他の細かい条件

新築住宅の補助金を受け取るためには、(注文住宅の場合)エコホーム支援事業者と工事請負契約を締結するか、(分譲購入の場合)エコホーム支援事業者と不動産売買契約をする必要があります。

エコホーム支援事業者とは、新築住宅の建築・販売、リフォーム工事を行う事業者で、この事業に参加するための登録が済んでいる事業者のことです。
事業者一覧は、子育てエコホーム支援事業の公式ホームページで検索できます。ただし、ホームページで公表しないようにしている事業者もいるようなので、登録有無については直接施工業者または販売業者に聞いてみてください。

新築分譲住宅を購入して補助金を受け取る場合の条件をまとめるとこのようになります。補助金を受け取るためには、こちらの条件すべてを満たす必要があります。

  • 対象者
  • 子育て世帯または若者夫婦世帯
  • ● エコホーム支援事業者と不動産売買契約を締結して新築分譲住宅を購入する方
  • 対象となる新築住宅の条件
  • 長期優良住宅またはZEH住宅
  • ② 所有者(購入者)が自ら所有する
  • ③ 住戸の床面積が50㎡以上240㎡以下
  • ④ 土砂災害特別警戒区域又は災害危険区域に原則立地しないもの
  • ⑤ 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの
  • ⑥ 不動産売買契約締結時点において、未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
  • ⑦ 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できること
  • 対象となる工事期間等
  • 交付申請時に基礎工事が完了していること
  • ● 2023年11月2日以降に「基礎工事より後の工程の工事」に着手していること
  • ● 交付申請時までに不動産売買契約をしていること

⑦の一定以上の出来高の工事完了の確認は、建築士による証明書が必要です。

工事確認の証明書
画像出典:子育てエコホーム支援事業公式ホームページ

また、2023年11月2日時点で地上階の柱や壁に着手済の場合は対象外となりますのでご注意ください。

対象外となるケース
画像出典:子育てエコホーム支援事業公式ホームページ

注文住宅についても補助金をもらう条件はほぼ同じです。詳しくは子育てエコホーム支援事業の公式ホームページ等でご確認ください。

もっと詳しく知りたい方へ

⑤の都市再生特別措置法第88条第5項とは、「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外の区域」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、一定の規模以上の開発によるものを指します。
これについて市町村長の勧告に従わなかった場合(従わなかったと公表されていた場合)には、この補助金の対象外になるということです。

なお、住宅ローンのフラット35Sやフラット35維持保全型についても、この公表措置があった場合には利用ができなくなります。

住宅のリフォーム

つづいて、住宅のリフォームの場合の条件や金額を見ていきましょう。

リフォームの補助対象者は工事の発注者です。対象となるリフォームを実施していれば、全世帯が補助を受けられます。
ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯とその他の世帯を比べると、その他の世帯の方が最大補助金額は少なくなっています。

リフォームの最大補助金額

リフォームの場合、一般的には1住戸につき20万円が上限です。ただし、発注者や住宅性能によってはさらに多くの補助金額を受け取ることもできます。

発注者 通常リフォームの
補助金額
長期優良リフォームの
補助金額
子育て世帯・若者夫婦世帯 上限30万円/戸 上限45万円/戸
その他の世帯 上限20万円/戸 上限30万円/戸

長期優良リフォームとは、増築・改築によって長期優良住宅として認定を受けることを言います。

子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅(中古住宅)購入と一緒にリフォームをする場合には、上限が60万円になります。

リフォームの内容

対象となるリフォームは、大まかにAとBの2つに分かれています。
Bの工事はAの工事と同時に行う場合にのみ対象となります。つまり、Bの工事を単独でやる場合には子育てエコホーム支援事業の対象外になるということです。

  工事内容 具体例
開口部の断熱改修 対象窓ガラスに交換
壁、屋根・天井又は床の断熱改修 天井に断熱材を敷き込む
エコ住宅設備の設置 節水型トイレの設置
子育て対応改修 ビルトイン食器洗機の設置
防災性向上改修 防災安全合わせガラスに交換
バリアフリー改修 手すりの設置
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 -
リフォーム瑕疵保険等への加入 -

今回挙げた具体例は、あくまで一例です。例えばエコ住宅設備の設置には、太陽熱利用システム・高断熱浴槽・高効率給湯器(エコキュートやエコジョーズ)などの設置も含まれます。

補助額は工事内容によって違いますので、詳しい工事内容も含めて子育てエコホーム支援事業の公式ホームページでご確認ください。

なお、申請する補助額の合計が5万円以上になる必要があります。

その他の細かい条件

新築住宅の場合と同様に、リフォームの補助金を受けるためにはエコホーム支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする必要があります。

リフォームで補助金を受け取るための条件はこのようになります。補助金を受け取るためには、こちらの条件すべてを満たす必要があります。

  • 対象者
  • ● エコホーム支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
  • ● リフォームする住宅の所有者等であること
  • 対象となる工事
  • ①~③のいずれかは必須。合計補助額が5万円以上になる必要がある。
  • ① 開口部の断熱改修
  • ② 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  • ③ エコ住宅設備の設置
  • ④ 子育て対応改修
  • ⑤ 防災性向上改修
  • ⑥ バリアフリー改修
  • ⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • ⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入
  • 対象となる工事期間等
  • ● 契約日は問わず、着工までに締結された工事請負契約が対象
  • 着工日が2023年11月2日~交付申請時(遅くとも2024年12月31日)まで

新築住宅とリフォーム、どちらも2024年3月中下旬から申請を受け付けしますが、予算に達し次第終了となりますのでご注意ください。2024年6月24日現在、予算に対する補助金申請額の割合は新築住宅が27%・リフォームが15%です。
なお、2023年に実施された「こどもエコすまい支援事業」は、9月28日に予算上限へ到達しました。

3. 子育てエコホーム支援事業でよくある質問

最後に、子育てエコホーム支援事業に関するよくある質問にお答えします。

申請方法は?

子育てエコホーム支援事業は、建築事業者・販売事業者・工事施工業者が申請をします。補助金も業者を通じて購入者・発注者に還元されます。
住宅の購入者や工事発注者が行う手続きはありません。

手続きの流れ
画像出典:子育てエコホーム支援事業公式ホームページ

他の補助金と併用できるのか?

政府が2024年に実施する住宅省エネ系補助金事業には、子育てエコホーム支援事業以外にも「先進的窓リノベ2024事業」「給湯省エネ2024事業」があります。

子育てエコホーム支援事業のうち、新築住宅の補助金を受け取る場合には、「先進的窓リノベ2024事業」「給湯省エネ2024事業」と併用はできません。

一方リフォームの補助金については、併用できる場合もあります。
ただし、例えば窓ガラスの改修工事をして子育てエコホーム支援事業で補助金を受け取ってから、同一の窓について「先進的窓リノベ2024事業」で補助金を受け取ることはできません。
リフォームの併用については子育てエコホーム支援事業のよくある質問に詳しく記載されています。

また、国が他に実施している補助金については、原則として併用できません。工事請負契約が別、かつ工期が別である場合のみ他の補助金と併用できる場合があります。
地方公共団体が行っている補助金事業は、国費が充当されているもの以外なら併用できます。

交付された補助金は課税対象になるのか?

住宅取得者や工事発注者が個人の場合には、補助金は一時所得に該当します。そのため、一定額以上受け取った場合には税務署等に申告する必要があります。

ただし、子育てエコホーム支援事業の補助金は、所得税法第42条第1項(国庫補助金等の総収入金額不算入)に規定される「国庫補助金等」に該当するので、所定の手続きをすれば所得から除外できる場合もあるようです。
また、住宅ローン減税等を併用する場合、住宅の取得価格等から控除する必要もあります。詳細は税務署等に確認しましょう。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2202.htm
(国税庁 国庫補助金等を受け取ったとき)

2025年以降も同様の補助金事業はあるのか?

2025年以降の補助金事業は現時点でまだ決まっていませんが、同様の事業が実施される可能性はあります。政府は子育て世帯への支援拡充(少子化対策)や省エネ住宅の推進をしているからです。

子育てエコホーム支援事業と類似した補助金事業は、2022年と2023年にもありました。ただし、条件や補助金額は異なっています。

新築分譲住宅購入の場合の条件や金額

  主な条件 補助額
こどもみらい住宅支援事業
(2022年)
省エネ基準適合住宅以上の性能を持った住宅 ZEH住宅等 100万円
認定長期優良住宅等 80万円
省エネ基準適合住宅 60万円
こどもエコすまい支援事業
(2023年)
ZEH住宅以上の性能を持った住宅 100万円
子育てエコホーム支援事業
(2024年)
ZEH住宅以上の性能を持った住宅 長期優良住宅 100万円
ZEH住宅 80万円

※令和4年9月30日以前に認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅へ認定申請した住宅。同年10月1日以降に認定申請されていれば、ZEH住宅等に該当します。

このように、年々条件が厳しくなっています。2025年以降に補助金事業があるとしても、ZEH住宅以上の性能を求められる可能性が非常に高いです。

ZEH住宅のメリット

ZEH住宅のように省エネ性能が高い住宅には、補助金をもらえること以外にもさまざまなメリットがあります。

  • ● 年中、家の中で快適に過ごせる
  • ● 光熱費が節約される
  • ● 住宅ローン控除額が多くなる

新築住宅を建築・購入する際には、住宅性能も重視することをおすすめします。

ZEHマンションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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4.まとめ

世界的にも省エネやカーボンニュートラルが重視されていますが、日本の住宅市場においても今後重要になるのが省エネ性能の高い住宅です。
国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。

省エネ住宅の重要度は理解できたし、今なら補助金ももらえる。いざ行動しよう!とした皆さんは、以下のように思われたのではないでしょうか?

  • 補助金の仕組みが複雑すぎて、何をどうしたら良いか分からない
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