「住まいサーフィン」の人気コンテンツの一つ「今、旬なマンションランキング」のランキング上位は、どうしても東京のマンションとなることが多い。物件数や人口から考えれば当たり前なのだが、関西在住の筆者としては夏の甲子園よろしく「関西勢、頑張れ!」と思ってしまう。
今回のランキング(*)では、珍しく関西の物件が、複数ランクインしていた。しかも最寄駅が同じ物件が同時に。これは大阪梅田等の都心エリア以外ではなかなか見られない事象だ。それは「ジオ西大路御池ザ・テラス」と「プレサンスロジェ西大路御池」、京都の住宅街、「西大路御池」駅だ。
* 2022年8月12日サイトリンク数/期間:30日間/エリア:すべて/100戸未満のマンション
京都で人気の高い場所といえば真っ先に名前が上がるのは「田の字エリア」。北は御池通、南は五条通、西は堀川通、東は河原町通に挟まれたエリアだ。この四つの通りとそれを東西に貫く四条通と南北に走る烏丸通に地図で線を引くと「田」のように見えることからそう呼ばれる。この「田の字エリア」とさらに北を通る丸太町通までの「御所南エリア」が京都市内での分譲マンションの「人気エリア」となる。
この「人気エリア」は京都市内在住者にとっても馴染みの深い場所だ。百貨店や商店街がある商業地でありながら、ビジネス街でもあり、市役所もある。京都在住者ならほぼ歌える通り名を覚えるためのわらべ唄も「まるたけえびすにおしおいけ~♪」(丸(太町通)、竹(屋町通)、夷(川通)、二(条通)、押(小路通)、御(池通)の頭文字)と丸太町通から始まる。
今回2位と6位にランクされたマンションの名にある「西大路御池」はその「人気エリア」から外れている。だが人気エリアではない=不便なエリアではない。むしろ交通利便性は御所南エリアに勝るとも劣らない。両物件の最寄駅である京都市営地下鉄東西線「西大路御池」駅は、JR山陰本線「二条」駅、阪急京都線「西院」駅へ徒歩圏であり、さらに京福嵐山本線「西大路三条」駅も利用でき、4線利用可能だ。
一方、京都市民が市内を移動する際は車やバスを利用することが多く、JRや阪急はあまり使わない。なぜならこれらの路線は大阪方面に行くには便利だが市内エリアを網羅していないから。なのでこの辺りは「田の字エリア」よりも「不便」と捉える向きも多い。
先ほども書いたように西大路御池周辺は大変交通利便性が高く、田の字エリアへもさほど遠くない。そして、なんといっても田の字エリアと比べて価格が安い。おそらくこのような「スペックの高さ」というか「コスパの良さ」が注目されてのランクインだと筆者は考える。
中心市街地部の不動産高騰でマンション購入が難しくなってきている京都市内「田の字エリア」。今後はこの「西大路御池」駅のような注目度は低いが実は暮らしやすい街が、マンションデベロッパーにより「発見」されていくであろう。