田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第161号]大規模物件と小規模物件、売主ラインナップの違いが面白い。

2022年02月14日

今、旬なマンションランキング」を眺めていて気になったことを取り上げてみたい。戸数規模とデベロッパーの関係だ。「30日間お気に入り登録数」「大阪市内」の「200戸以上」と「100戸未満」。以下に売主の名称だけを並べてみた。さてどちらが「200戸以上」かわかるだろうか?

 

【A】
順位 デベロッパー
1 大和ハウス工業
2 関電不動産開発、住友不動産、パナソニックホームズ
2 近鉄不動産、大和ハウス工業、名鉄不動産、九州旅客鉄道、総合地所
4 大和ハウス工業
5 近鉄不動産、NIPPO、オーエス、アートプランニング
5 東急不動産、大和ハウス工業、住友商事、コスモスイニシア
7 住友不動産
7 東京建物
9 近鉄不動産、関電不動産、総合地所、大和システム
9 名鉄不動産
※2022/02/10 01:26時点のランキング

 

【B】
順位 デベロッパー
1 リバー産業
2 日本エスコン
3 スナダプロパティ
3 ビーアーム
5 プレサンスコーポレーション
5 和田興産
5 長谷工不動産
5 ミラージュパレス
5 マリモ
10 阪急阪神不動産
※2022/02/10 01:26時点のランキング

 

答えは(A)。200戸以上を100戸未満と見比べているといくつかその特徴が見える。

・共同事業が多い
100戸未満が全て事業主が1社であるのに対し、200戸以上は半数が共同事業。しかも3社以上。戸数が多くなると資金力が必要となり、また販売リスクも高まり共同事業が増える傾向にある。

・電鉄系や財閥系等の老舗企業が多い
昔ながらというか大変わかりやすい社名である「◯◯不動産」が多い。100戸未満にカタカナ企業が多いと言っても良いだろう。

・Major7が多い
いわゆるMajar7(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)が事業主に含まれる物件は200戸以上が4物件であるのに対し100戸未満は0物件。

 

小規模物件が大規模物件に劣るとは一概に言えない。しかし管理に関するコストパフォーマンスや共用部の充実については大規模物件が有利。大手不動産デベロッパーは、そのあたりも踏まえて大規模物件を積極的に供給しているとも言える。このように価格以外の部分でマーケットを俯瞰してみるのもなかなか面白い。皆さんが検討されているエリアではどのような傾向となっているのか、調べてみてはいかがだろうか。

 

この記事の編集者

田中 和彦

株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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