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ヒートショックとは室温差によって命を落とすこともある健康被害です。
ヒートショックとは交通死亡事故よりも多いと言われている身近な事故であり、特に高齢者に起こることが多く、その死亡者数は高齢者が最も多くなっています。
今回の記事では、ヒートショックとは何か、ヒートショックを予防する対策を詳しく解説します。
目次
1 ヒートショックとは
疲れを取るはずのバスタイムが、工夫をしないと命の危機に繋がります。
ヒートショックとは何か
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋(脱衣所・浴室・トイレ)に移動した際に、その急激な温度差により急激に血圧が上下することで、軽い症状だと「めまい」や「立ちくらみ」、重い症状だと「意識喪失」や「心筋梗塞」「脳出血」などといった命に関わる症状が起きる健康被害のことです。
ヒートショックの発生する時期は、11月~4月と言われており、日本では1年のうち半年間も寒暖差に気を付けなければいけません。
消費者庁からは下記のように、1年を通して見た高齢者の入浴中の死亡者数が発表されています。
※画像引用:消費者庁(https://www.caa.go.jp/)
冬場に自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が多発することから、消費者庁から高齢者の入浴中の事故に対し、たびたび注意喚起アナウンスが出されています。
では、どのような状況でヒートショックが起きやすいのか、例を挙げていきます。
ヒートショック例①寒い脱衣所に移動して熱い湯船への入浴
このケースが最もヒートショックが起きやすい状況と言われています。
暖かいリビングなどから寒い脱衣所に移動した際に、血管が縮み血圧が上昇し、寒い浴室でさらに血圧が上昇します。そしてそのまま熱い湯船に浸かることで、血管が急に広がり血圧が低下して、心筋梗塞や不整脈、脳出血・脳梗塞を誘発します。
ヒートショック例②暖かい浴室から寒い脱衣所への移動
入浴して温まった体を再び、寒い脱衣所に移すことで、血圧が急激に上昇してしまい、ヒートショックを引き起こすことがあります。
ヒートショック例③暖かい部屋からトイレへの移動
冬場の夜中や早朝のトイレは特に冷え込んでいるため、トイレ内で血圧が急激に上昇してしまい、ヒートショックを引き起こすことがあります。
このように、家の中には寒暖差による危険が潜んでいます。
では、次にヒートショックになるリスクが高い人についてご説明します。
2 ヒートショックになるリスクが高い人
特にヒートショックになりやすい人は「高齢者」、または「高血圧」「糖尿病」の持病を持つ人です。
まず、高齢者は、加齢により自律神経系や循環器系の機能が低下しているため、血圧や心拍数の急激な変化に対応することが困難なことからヒートショックを起こしやすいです。
高血圧の人は、既に血圧が高い状態であることから、寒い部屋に移動することでさらに血圧が上昇し、熱い湯船に浸かることで血圧が急激に下がり、ヒートショックを引き起こしやすくなります。
糖尿病の人は、自律神経系の障害を合併することがあり、自律神経障害を合併すると心拍数を調節する働きが低下します。よって心臓に負担のかかるヒートショックになりやすい傾向があります。
これらに該当しない人でも、下記に当てはまる人はヒートショックになる場合があります。
ヒートショックのリスクが高い人
- ● 生活習慣病の持病のある方
- ● 肥満の方
- ● 睡眠時無呼吸症候群や不整脈がある人(高血圧を合併している場合があるため)
- ● 熱い湯船を好む
- ● 一番にお風呂に入ることを好む
- ● 飲酒後に入浴する習慣がある
- ● 長風呂を好む
- ● 脱衣所や浴室に暖房機器が設備がない
- ● 高齢者や生活習慣病のある方が高温サウナを好む
次に、ヒートショックを防ぐための対策を紹介します。
3 ヒートショックの予防対策
ヒートショックを予防するには、血圧を急激に変化させないような環境を整えることです。
下記の6つの対策を取り入れて、ヒートショックを予防しましょう。
ヒートショック予防対策①暖房機器などを使用して脱衣所と浴室を暖める
暖房機器を使用して脱衣所と浴室を暖めましょう。もし浴室乾燥機がある自宅であれば、暖房機能を利用することで浴室内を暖めることもできます。
暖房機器がない場合は、お湯の張った湯船の蓋を開けておくことで浴室内を暖められます。
ヒートショック予防対策②お湯の温度を低めに設定する
お湯の温度を37度~40度に設定し、ぬるめの湯船に入りましょう。また、心臓病や高血圧の人には半身浴がおすすめされています。
ヒートショック予防対策③急に立ち上がらない
湯船に浸かっている状態は、血管が広がり血圧が低下しています。その状態で急に立ち上がると、脳まで血液が運ばれず、めまいを起こしたり、気を失うことがあります。湯船から出る際は急に立ち上がらずに、ゆっくり立ち上がりましょう。
ヒートショック予防対策④冷え込みすぎない時間帯に入浴する
寒暖差があまりひどくならない時間帯に入浴することがおすすめです。冷え込む夜中や早朝に入ることは避けましょう。
ヒートショック予防対策⑤食後すぐや、飲酒後、医療医薬品の服用後すぐの入浴を避ける
食後や飲酒後は血圧が下がりすぎることがあるので、平常の体調時に入浴しましょう。食後であれば30分以上経ってからお風呂に入ると良いでしょう。
医療医薬品の服用後は、薬の作用によりふらつくなど体調に異変が起きることがあるので、お薬の服用直後に入浴するのは避けましょう。
ヒートショック予防対策⑥家の断熱性能を高めるリフォームをする
家自体そのものの断熱性能を高めることで、ヒートショックリスクを軽減することができます。
断熱性能の高い家は、外気温に左右されず、一年中快適な室温をキープできます。自宅の断熱性能を高めるためにリフォームをすることで、家全体の温度差を無くすことができるでしょう。
夏はあっという間に終わります。寒い季節が来る前にリフォームを済ませておくのも良いでしょう。
バスタイムを楽しむはずが思わぬ事故に繋がらないように、細心の注意を払いましょう。
最後に、ヒートショックになってしまった場合の対処法をご紹介します。
4 ヒートショックになってしまった場合の対処法
予防していてもヒートショックが起きてしまった場合の対処法を紹介します。
自分がヒートショックになったら
めまいやふらつきを感じたら、立ち上がらずに、気分が落ちつくまで体勢を低くしてじっと待ちましょう。無理に動くことは危険です。
ヒートショックを起こした家族を発見したら
意識がない家族を見つけた場合は、直ちに救急車を呼びましょう。
意識があっても、ろれつが回っていなかったり、胸や頭部に痛みがあるなどの症状がある場合も迷わずに救急車を呼びましょう。
もし家族が浴槽の中で失神していた場合は、湯船から引き上げるか、持ち上げることが困難な場合は腕を浴槽の淵にかけて身体を湯船から引き上げましょう。
その際に湯船の湯は抜き、救急車を待ちます。
救急車を待っている間は、救急隊員の指示に従い応急処置をできる限り続けてください。
5 まとめ
今回の記事では、ヒートショックとは何か、ヒートショックを予防する対策を解説しました。
出来る限りの対策をして、ご自身・ご家族の健康と命を守りましょう。
また、ご自宅を安心・安全な住まいにするためにリフォームをご検討された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リフォームと聞くとお金がかかるイメージがあると思いますが、バスルームだけ行うなどの一部分からでも取り組めます。
最近では、国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。
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