デベロッパーの方が最近口を揃えて言うことは、土地を仕込めないということです。
バブル崩壊後、地価の下落に伴い、企業のリストラの一環でまとまった土地が出てきたのは、今は昔。
たとえ、土地が出てきても、少ない供給に群がって入札するので、土地値がかなり高くなります。
土地値が高いと分譲価格は高くならざるを得ません。
(分譲価格の底は2002年で、この時が最も買い時だったことは過去にこのコラムで書きました)
2005年度は昨年度に仕込んでいた土地で何とかなりそうですが、その先は不透明という状況です。
2006年度は供給される物件数自体が少なくなるし、土地の条件も総じて悪くなりそうで、分譲価格が上がる可能性が高いと考えられます。
これまでの選り取り見取りな状態ではなくなり、希望条件に合わなくなることも多そうなので、検討物件の幅を拡げることも一考です。
例えば、立地が気に入っているのであれば、竣工済みの物件で価格交渉するのも時勢を踏まえた賢い選択だと考えます。
最後に、供給が細る場合の注意を一つ。
マンション専業デベロッパーはマーケットの変化に乗り遅れると経営が苦しくなることが多く、瑕疵担保責任先として、経営状態を見ることが必要です。
マンションに瑕疵がなくても、売主の経営に問題があると、中古価格は他物件より下落しがちなものだということは頭に入れておいて下さい。
[第35号]今後の分譲価格動向(05/05/01)
2005年04月30日