長年分譲マンション市場を見てきて、最も需要過多になったのは消費税率改定前の駆け込みに沸いた1996年だった。
ほとんどの物件に抽選倍率が付き、在庫はすべてはけて0になった。
冷静に考えると、建物価格に対する税率が3から5%に変わるだけの話しなのに、メディアで最も値上がりするものとして取り上げられ、狂騒的であった。
こうした売れ行きに気分を良くしたデベロッパーは新規物件の土地の仕入れに走ったものの、翌1997年からはくもの子を散らしたように「にわか需要」は剥げ落ちる。
一転供給過剰になり、極度の売れ行き不振が続いた果てに出来たのが、住宅ローン控除制度の大幅増枠である。
何か現状から逆回転して政策の変遷を見ているかのようである。
来年の住宅ローン控除の効果はある程度読める(限界的である)が故に、その後の消費税改定時期は気をつけてもらいたい。とはいえ、政権の先行きの方が怪しいので、時期が確定してからでも遅くはないが・・・。
[第183号]消費税率改定に注意(12/15)
2008年12月15日