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住まいサーフィン編集部

「省エネ性能ラベル」を荒川区のZEH水準リノベマンションに発行!その理由とは?

2024年05月01日

更新日最終更新日:

荒川区の中古マンションに初「省エネ性能ラベル」表示!

東京都荒川区のZEH水準リノベ済みマンション「東急ドエル・アルス千住」の1室が、省エネ性能ラベル第1号として発行・表示されました。

省エネ性能ラベル表示は新築物件を対象としていますが、なぜ中古物件に発行・表示されたのでしょうか?

今回の記事では、中古マンションでもラベルが表示された理由や、省エネ住宅へのリフォーム補助金についてもご紹介します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1.ZEH水準とは

まず「ZEH」とは何か?

これは「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、太陽光・風力・地熱などといった自然界に常に存在する再生可能エネルギーを導入し、暖冷房・給湯・換気・照明などの室内にかかる一次エネルギー消費量をゼロ以下にすることを目指す家を指します。

「ZEH」マンションと「ZEH水準」マンションの違い

今回省エネ性能ラベルが発行された「ZEH水準」リノベ済みマンションは、「ZEH」マンションとは異なるものです。

「ZEH」マンションは、高い断熱性や省エネ性にプラスし、太陽光パネルなどでエネルギーを自ら創り出し、棟全体で100%以上の省エネ率を実現するものであり、それをZEH-Mと呼びます。他にNearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedがありますが、これらは左から順に一次エネルギー消費量削減率の基準が低くなっています。

一方「ZEH水準」マンションは、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を同時に達成することであり、太陽光パネルなどの創エネルギーの設置は必須ではありません。ちなみに、断熱等性能等級は1~7段階まであり、一次エネルギー消費量等級は3~6段階までとなっています。

※ZEHマンションについて詳しく知りたい方は、こちらをご一読ください。

次に、省エネ性能ラベルについてご説明します。

2.省エネ性能ラベルとは

ラベルの見方
※画像出典:国土交通省ホームページから引用

建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度により、2024年4月から新築物件に対し「省エネ性能ラベル」表示が努力義務化されました。

省エネ性能ラベルとは

「省エネ性能ラベル」とは、住戸の省エネ・断熱レベルが一目でわかるものです。住戸を購入または賃借する際に、省エネ性能の把握や比較が簡単にできるようになります。エネルギー消費性能・断熱性のレベルだけでなく、年間の光熱費目安なども確認することができるラベルです。

省エネと聞くと環境に優しいエコなイメージが強いですが、省エネ性能の高い家は、高気密・高断熱のため、夏は涼しく冬は暖かい過ごしやすい家になります。よって私たちの生活にも非常に好影響なものとなります。

省エネ性能の高い家のメリット

省エネ性能が高い家は、下記のような私たちの暮らしをより良くする多くのメリットがあります。

一年中快適な住まいが手に入る

省エネ住宅は、高気密・高断熱のため常に快適な室温を保ってくれます。夏は暑くない、冬は寒くない家に住むことができます。

光熱費が削減できる

省エネ住宅は部屋が一年中快適な室温を保てるため、エアコンなどの冷暖房器具の使用を抑えることができます。よって省エネ性能の低い家よりも光熱費が削減できます。太陽光パネルを設置すれば、さらに光熱費が抑えられるでしょう。

健康に生きられる

省エネ住宅は部屋ごとの温度差が少なくなるため、ヒートショックなどの健康被害を防ぐことができます。夏も室内が暑くなりすぎないため、熱中症の発症も防ぐことができます。また、断熱性能のレベルによっては持病の改善率も異なることがわかっており、断熱性の高い家に移り住むことで、アレルギー性鼻炎、手足の冷え、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などが改善することがあります。

掃除が楽になる

省エネ住宅は結露が発生しにくい家のため、窓の拭き掃除をする回数が減ります。結露が発生しにくくなることで、カビやダニの発生も防げます。

睡眠の質が上がる

快適な室温の寝室で心地よく眠ることができます。睡眠の質の向上が期待されます。

このような暮らしの質が上がる省エネ性能の高い家を「省エネ性能ラベル」でチェックすることができます。

これから新築マイホームをご購入される方や新築賃貸住宅に引っ越しをご検討中の方にとっては、ラベルのチェックは必須となることでしょう。

※もっと詳しく省エネ性能ラベルを知りたい方はこちらをご一読ください。

次に、新築物件ではなく、中古物件でありながら荒川区のマンションに「省エネ性能ラベル」が発行・表示された理由を見ていきましょう。

3.なぜ中古マンションに省エネ性能ラベル?

2024年の現時点で、省エネ性能表⽰は新築物件への努力義務となっていますが、積水化学とリノベるは2024年4月19日、両社で協業するすべてのZEH水準のリノベーション物件に「省エネ性能ラベル」の表示を開始すると発表しました。

両社は、既存住宅でも省エネ性能を確認して住宅を購入する時代が将来やってくると予測し、先を見据えリノベーション物件も表示・発行を実施することにしました。ラベル対応の不動産ポータルサイト上に表示するほか、物件内に掲示、内覧時には購入検討者に対し説明も行っていくそうです。

今後は、ZEH水準リノベーションを行う買取再販区分マンション・一棟分譲マンション・一棟賃貸レジデンス・個人向けリノベーション物件などに省エネ性能ラベルを発行していくとしています。

省エネ性能ラベル発行・表示1号案件、荒川区の「東急ドエル・アルス千住」

省エネ性能ラベル
※画像出典:リノベる株式会社ホームページから引用

※こちらが実際に表示されている「東急ドエル・アルス千住」の省エネ性能ラベルです。

「東急ドエル・アルス千住」は、1987年築のZEH水準の断熱・省エネリノベーション中古マンションです。間取りは3LDK、専有面積76.81㎡です。所在地は、東京都荒川区南千住7丁目。東京メトロ日比谷線「南千住」駅が最寄り駅で、駅から徒歩約8分の立地となっています。販売価格は5,980万円(2024年4月時点)です。

近年、省エネ住宅は注目されており、国や地方自治体も省エネ住宅へのリフォームにさまざまな助成事業を行っています。今後、中古物件にも「省エネ性能ラベル」表示が義務化する日もそう遠くないのかもしれませんね。

4.【補助金あり】自宅も省エネ住宅にしたい方へ

前項で触れたように、省エネ住宅は近年注目されています。今後は省エネ基準の住宅が価値を増し、基準以下の住宅は価値が下がる可能性があります。自宅を省エネ住宅にリフォームしたい方は、国や自治体から補助金を受け取ってお得にリフォームすることをおすすめします。

例えば、下記のような補助金を受け取れ、自宅を省エネ住宅にリフォームすることができます。
※今年度はまだ公募が始まっていない事業もあるので、ご注意ください。

国の省エネに関する補助事業

  • ● 住宅エコリフォーム推進事業(国交省)
  • ● 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)
  • ● 次世代省エネ建材の実証支援事業(経産省)
  • ● 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)

地方自治体の省エネに関する補助事業

  • ● 省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度(東京都新宿区)
  • ● 窓・外壁等の遮熱・断熱改修助成制度(東京都台東区)
  • ● 地球温暖化防止設備導入助成事業(東京都江東区)

上記のご紹介した補助事業はほんの一部であり、国や自治体では省エネ改修に関する事業を多く行っています。ご興味のある方は、お住まいの自治体の事業を確認してみましょう。

5.荒川区のマンション相場価格

最後に、今回ご紹介した荒川区周辺について人気マンションの値上がり率や価格をご紹介します。

マンション名 中古適正価格
(70㎡)
値上がり率 竣工年 徒歩分
ステーションガーデンタワー 10,150万円 XXXX% 2008年3月 徒歩1分
ステーションプラザタワー 10,150万円 XXXX% 2009年10月 徒歩1分
アトラス日暮里ウエストレジデンス 9,100万円 XXXX% 2017年5月 徒歩2分
イニシア日暮里アベニュー 9,100万円 XXXX% 2021年1月 徒歩6分
アトラス日暮里イーストレジデンス 8,890万円 XXXX% 2017年10月 徒歩8分

※2024年4月30日時点の価格情報となります。
中古時価は市況により変動します。最新の数値を確認したい方は物件名をクリックし、物件詳細ページにてご確認ください。

※一部数値は会員限定公開となります。
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6.まとめ

今回は、中古マンションでもラベルが表示された理由や、省エネ住宅へのリフォーム補助金についてご紹介しました。

今後、省エネ性能ラベルは住まい選びの際の欠かせないポイントとなることでしょう。そこで、省エネ住宅にご興味がわいた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、いざ自宅をリフォームしようかな!と思っても、皆さんは以下のように思われたのではないでしょうか?

  • 補助金の仕組みが複雑すぎて、何をどうしたら良いか分からない
  • ● 補助金はもらいたいが、仕組みを理解するために学ぶ時間が取れない
  • ● 業者に騙されたニュースを聞いたことがあり、少し怖い
  • ● 実際にどの業者を選べば良いのか分からない

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