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住まいサーフィン編集部

住宅ローン減税制度を徹底解説!2024年の変更点や適用条件は?

2024年01月09日

更新日最終更新日:

住宅ローン減税について、この記事で分かること

最大で合計455万円が減税される住宅ローン控除制度。住宅購入を検討している人は絶対に知っておきたい制度です。

住宅価格は高騰しているので、住宅ローンの借り入れ額もかなり高額な人も増えています。少しでも返済額を減らしたいですよね。
住宅ローン減税制度をうまく利用すれば税金の一部を控除でき、実質的に返済額を減らすことができます。

この記事では、2024年最新の住宅ローン減税制度について解説します。住宅ローン減税の条件や申請方法もご紹介しますので、借り入れを検討している方はチェックしてみてくださいね。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有し、不動産の専門知識を持つスタッフが自宅売買に役立つ情報を発信します。
売り手と買い手の情報格差が大きい住宅業界。
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1.住宅ローン減税制度とは?

住宅ローン減税とは、住宅取得者がローンの金利を支払う代わりに、国が所得税や住民税の一部を控除してくれる制度です。
正式名称は、『住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除』と言います。

住宅ローン控除や減税という名前が使われていますが、この記事では、以下「住宅ローン減税」と統一して表記いたします。

2024年現在、住宅ローン減税制度は確定申告した年から10~13年間適用されます。

住宅ローンの控除額は、住宅性能等によりますが、合計最大409.5万円(子育て世帯・若者夫婦世帯なら455万円)です。
ただし、以下の条件が考慮されるため、満額控除される方ばかりではありません。

  • ● 住宅ローンの年末残高
  • ● 取得する住宅の種類(性能)
  • ● 取得した住宅の価格
  • ● 支払っている所得税・住民税額

詳しくは後ほどご説明します。
住宅ローンを利用するなら間違いなく活用した方が良い制度です。

2.住宅ローン減税制度の内容と2024年の変更点

それでは、気になる住宅ローン減税制度の内容を解説します。

減税される金額と期間

まずは、減税される金額を詳しく見ていきましょう。

1年間に減税される金額(2022~2025年入居の場合)は以下の式で計算することができます。ただし、後ほど詳しくご説明しますが、年収によっては計算された金額より少なくなることはあります。

  • 住宅ローンの年末残高×0.7%=減税額

住宅ローンの年末残高とは、年末時点で残っているローン残高のことです。例えば3000万円を借りて年末残高が2681万円だとすると、その年に減税される金額は2681万円×0.7%=18.7万円になります。

年末残高には限度額が設定されています。限度額は、住宅の種類(住宅性能)や入居年によって変わってきます。

まずは、新築住宅や買取再販住宅の住宅ローン減税についてご説明します。

新築住宅・買取再販住宅の借入限度額(上限額)

住宅の種類(性能) 2022年・2023年
入居の限度額
2024年・2025年
入居の限度額
減税期間
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円※1 13年間
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円※1 13年間
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円※1 13年間
その他の住宅
(新築の場合※2
3,000万円 0円
(2023年中の建築確認で
2,000万円)
13年間
または
10年間※3

※1 子育て世帯と若者夫婦世帯は、2024年入居の限度額は2022~2023年入居と同様になる
※2 買取再販住宅で「その他の住宅」になる場合、通常の中古住宅と同じ限度額・減税期間となる
※3 その他の住宅は、2024年と2025年の入居だと10年間になる

新築住宅に2024年以降に入居する場合、住宅ローン減税を受けるためには省エネ基準適合以上の住宅性能である必要があります。
省エネ基準適合住宅については、こちらの記事をご覧ください。

買取再販住宅とは、宅地建物取引業者が中古住宅を買い取って、リフォーム工事などをして、要件を満たした上で販売される住宅のことです。
リフォームされた中古住宅ならすべて当てはまるというわけではありません。

買取再販住宅の説明

  • 買取再販住宅と認められるための要件
  • ● 個人が住宅を取得する時点で、新築された日から起算して10年を経過したものであること
  • ● 特定の増改築等(リフォーム)工事を実施していて、100万円もしくは50万円以上の費用がかかっていること
  • ● 工事の総額が、売買価格の20%以上(工事金額が300万円を超える場合には300万円)であること
  • ● 宅地建物取引業者が中古住宅を取得し、リフォーム工事をして再販するまでの期間が2年以内であること
  • ● 昭和57年1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準に適合した建物であること

買取再販住宅と認められるためには、増改築等工事証明書などが必要になります。買取再販住宅かどうかは、不動産仲介会社に確認してください。
買取再販住宅の要件詳細は国税庁サイト(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-2.htm)に記載されています。

買取再販住宅であっても、住宅の省エネ性能が「その他の住宅」となる場合には、普通の中古住宅と同じ限度額(2000万円)・減税期間(10年間)となります。

つづいて、中古住宅の場合は住宅ローン減税がどうなるのか見ていきましょう。

中古住宅の借入限度額(上限額)

住宅の種類(性能) 2022年~2025年
入居の限度額
減税期間
長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅省エネ基準適合住宅
3,000万円 10年間
その他の住宅 2,000万円 10年間

新築住宅よりも限度額は少なくなりますが、中古住宅でも住宅ローン減税を受けることができます。


実際の控除額(減税額)について、さらに詳しく解説します。

例えば省エネ基準を満たした新築マンションを買って2024年に入居した場合、上限額は3000万円になります。年末の住宅ローン残高が5000万円でも、3000万円×0.7%=21万円が1年間の最大の控除額になるということです。

省エネ性能が高い住宅ほど限度額は高くなっています。2024年・2025年にその他の住宅(ZEHや省エネ基準等ではない住宅)に入居しても、基本的には住宅ローン控除の対象になれませんので注意してください。

また、減税期間は新築は13年間、中古は10年間です。ただし、その他の住宅は2024年・2025年の入居だと控除されたとしても10年間になります。
※買取再販住宅で省エネ基準適合以上の性能であれば、13年間

参考:国土交通省 住宅ローン減税 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

2024年の住宅ローン減税制度変更点

住宅ローン減税制度はたびたび改正されています。
今は住宅ローンの年末残高×0.7%13年間(新築の場合)ですが、2021年の改正前は年末残高×1%10年間という内容でした。結構大きく変わっていますよね。後悔しないためにも最新の情報を手に入れることが重要です。

それでは、2024年から変更された内容をご説明します。
2023年の年末に、以下2点についての変更が発表されました。

  • 子育て世帯と若者夫婦世帯については、2024年度の入居でも2022年・2023年入居と同じ限度額を適用する
  • ② 新築住宅の床面積条件を40㎡以上に緩和する措置を1年間延長する

①については、子育て世帯と若者夫婦世帯に限っては従前の水準の限度額を維持するという内容です。子育て世帯とは19歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯とは夫婦のいずれかが40歳未満の世帯になります。

住宅ローン控除の限度額は年々小さくなっています。新築住宅は2024年に入居するよりも2022年や2023年に入居する方が最大控除額は大きいです。
今回の変更は、子育て世帯への支援を強化するために盛り込まれました。現時点では2024年入居のみですが、2025年入居も対象となるように動いているようです。

また、②は後ほど詳しく解説する住宅ローン控除の適用条件に関するものです。
住宅ローン控除は住宅の床面積が50㎡以上を対象としていますが、新築住宅で要件を満たせば40㎡以上も対象になります。その要件の1つが、2023年12月31日までに建築確認をするというものでした。
この要件が、今回の改正で2024年12月31日まで1年延長されています。

以上の2点が、2024年の変更点でした。
2024年12月中旬頃になれば、2025年の変更点についても公表されるでしょう。2025年以降に入居する予定の方は、最新情報を取りこぼさないようにしましょう。

3.住宅ローン減税で還付される税金

つづいて、住宅ローン控除ではどの税金が減税されるのかご説明します。

減税といっても払う税金が少なくなるのではなく、支払った税金が戻ってくるという仕組みです。住宅ローン減税で還付される税金は、所得税と住民税の一部となっています。

控除額

毎年の控除額は、次の2つを比較して低い金額が適用額です。

  • ① 年末残高×0.7%
  • ② 所得税+住民税(住民税の上限9.75万円)

通常は①の計算によって控除額を算出して所得税から控除しますが、所得税が少なくて控除しきれない場合は②になります。

仮に、①年末残高×0.7%が20万円のケースで考えてみましょう。

②所得税+住民税(9.75万円上限)が25万円なら、20万円の方が低い金額なので「①年末残高×0.7%」の額が控除されます。
②所得税と住民税(9.75万円上限)を足しても20万円に満たない場合は、②所得税と住民税の合算額が控除の対象です。
滞りなく住宅ローンを返済していれば年末残高は毎年減っていきますので、控除される金額も少なくなります。

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除の計算は自分でも行えますが、シミュレーションサイトを活用することをおすすめします。

シミュレーションサイトは、借入額や年収などを入力すると概算の控除金額を算出してくれます。
もちろん将来的な年収などによって税額は異なるため、正確な数値とは言えません。
ただし、自分で計算をしても同じことなので、シミュレーションサイトを頼りましょう。

自分で計算する場合は、以下の金額を理解しておく必要があります。

  • ● 住宅ローン残高
  • ● 年収による所得税・住民税の金額
  • ● 取得住宅の金額

住宅ローンの残高表は、審査をお願いしている金融機関に頼めば作ってくれることもあるでしょう。
ただし、ネット上のシミュレーションサイトを使えば、簡単に確認することができます。

借入額・借入期間・金利などの情報が必要なため、事前に準備してください。
所得税や住民税の額は、源泉徴収票や住民税決定通知書を読み解くと税額が算出できます。
しかし、慣れていないと大変です。
「年収○百万円 所得税」と検索をして、平均の額をチェックして確認することをおすすめします。

13年間の年末残高と、所得税・住民税・取得住宅の額が分かったら、毎年の控除額を計算してみましょう。

4.住宅ローン減税制度の適用条件

次に、住宅ローン減税の適用条件を紹介します。
新築住宅・中古住宅はもちろん、リフォームや増築も制度の対象になりますが、条件は異なります。

新築住宅の適用条件

個人が住宅ローンを利用して、新築の注文・建売住宅を購入した方が対象です。
下記の適用条件をすべて満たしている場合、制度を受けることができます。

  • 新築または取得の日から6か月以内に入居すること
  • ● 適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
  • ● 新築または取得をした住宅の床面積が50㎡以上であること
    (ただし、2024年中に建築確認、合計所得1,000万円以下なら40㎡以下でもOK)
  • ● 床面積の2分の1以上の部分が専用住居であること
  • ● 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • ● 住宅ローンの借入期間が10年以上で、分割して返済すること
  • ● 指定期間内に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税特例などの適用を受けていないこと

自分が住む家として建てて継続的に住み続けるのであれば、特に難しい条件はありません。

中古住宅の適用条件

個人が住宅ローンを利用して中古住宅を購入した場合に適用になります。
新築住宅の条件に加えて、中古住宅では以下のすべての条件も満たすことが必須です。

  • ● 建築後に使用された住宅であること
  • 登記簿上の建築日付が1982年以降(昭和57年以降)の住宅であること、
     または耐震基準に適合した建物であること
     (平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、1981年以前または耐震基準を満たしていない建物でも、
     入居前に申請・改修を行い耐震基準を満たしていることが証明できれば適応)
  • ● 生計を共にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと
  • ● 贈与による取得でないこと

注意点は耐震性を確保した建物であるかどうかです。
1982年以前の建物や耐震基準を満たしていない建物は、相場よりも安い価格で販売されているケースも少なくありません。
しかし、住宅ローン減税を受けるためには、購入後に改修工事を行う必要があります。
今後暮らしていく上でも耐震性の高い住宅になっていた方が安心です。

改修費を考慮すると、少し高くても耐震基準を満たしている建物の方がコストパフォーマンスが良い可能性があります。
冷静に判断して、購入する物件を見極めましょう。

耐震改修が必要な住宅を購入し、耐震改修を行う場合はさらに追加の条件があります。

  • ● 住宅の取得の日までに耐震基準に適合するための耐震改修を行う旨の申請手続きをしていること
  • ● 住宅入居まで(取得から6ヵ月以内)に改修工事を行い「耐震基準適合証明書」などが発行されていること

住宅取得までに申請、取得後すぐに改修工事を行い6ヶ月以内に証明書を取得することが必要です。
耐震改修工事が必要な物件を取得するなら、工事の打合せを事前に進めておきましょう。

リフォーム、増築の適用条件

個人が住宅ローンを利用してリフォームや増築をした場合も制度が適用になります。
新築住宅取得の条件に加えて、以下の基準を満たすことが必須です。

  • ● 自己が所有し、住むための家屋について行う増改築等であること
    (居住する住宅が2つ以上ある場合はメインで生活している住居が控除対象)
  • ● 次の工事のいずれかに当てはまること
     ①増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事
     ②自分の区分所有のマンション部屋のなどの床、階段または壁に対して行う過半の修繕・模様替えの工事
     ③居室・キッチン・浴室・トイレ・洗面所・納戸・玄関・廊下の一室の床または壁の全部に対して行う工事
     ④構造強度や地震に対する安全性の基準に適合させるための工事
     ⑤バリアフリー改修工事
     ⑥省エネ改修工事
  • ● 工事費用が100万円を超えていて、内1/2以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること

工事の内容によっては適用にならないケースもあります。
住宅会社と相談しながら、賢く住宅ローン減税を活用して増改築しましょう。


※住宅ローン減税は、入居時期や物件の条件などによって適用可否が異なります。減税を受けられるか不安な方は、税務署や税理士、専門機関にご相談ください。

5.住宅ローン減税の申請方法

住宅ローン減税は、確定申告を行うことで申請が完了します。何も手続きをしないと、たとえ条件を満たしていても減税されませんのでご注意ください。
入居した翌年に1度だけ確定申告すれば、その後の12年間(または9年間)は年末調整の手続きを行うだけです。

申告方法は次の3つの中から選びましょう。

  • ● 「e‐Tax」を使ってインターネット上から電子申告
  • ● 管轄の税務署へ申告書を郵送
  • ● 管轄の税務署へ行き申告書を提出

オンライン申請であっても一部の書類を郵送または持参する必要がありますが、申告書等の税額が自動計算される・期限内であれば申告後も修正できるなどのメリットがあります。

見慣れない用語も多く分からないことがあるかもしれませんが、その場合は税務署の相談窓口に聞きましょう。
電話相談や窓口での相談などありますが、窓口の場合は予約必須の場合があるので注意してください。

申請するために準備するもの

確定申告を行う前に、さまざまな資料を集める必要があります。
自分に当てはまる欄をチェックしましょう。

○=提出必要 △=人によっては必要 ×=提出不要

新築 中古 増改築 書類 取得方法
確定申告書 国税庁HPまたは最寄りの税務署
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 国税庁HPまたは最寄りの税務署
住宅ローンの残高証明書 住宅ローンを借りた金融機関
源泉徴収票または収入が分かるもの 勤務先
マイナンバーが分かる書類のコピー ご自身で用意。
通知カードやマイナンバー記載の住民票も可。
売買契約書や工事請負契約書の写し 購入物件の不動産会社または建築業者
認定住宅などを証明するための書類 購入物件の不動産会社または市区町村の役場
住宅の登記事項証明書
(不動産番号記載で省略可)
物件の所在地を管轄する法務局
× × 耐震基準適合証明書等の写し 建築士等の依頼先または購入物件の不動産会社
× × 増改築等工事証明書(1号工事~6号工事) 建築士等の依頼先

登記事項証明書は「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に不動産番号を記載することで添付を省略できます。
不動産番号は、権利証である「登記識別情報」や登記事項証明書に記載されています。

必要書類は個別の状況に応じて異なります。
また、年度ごとに必要書類が変更する可能性があるので、国税庁のホームページや税務署などで最新情報を確認しましょう。

不足書類があると手間がかかります。
必ず必要書類を全て揃えてから確定申告をしましょう。

確定申告については、こちらの記事で詳しく解説しています。

マンション購入したら確定申告をするの?減税対策になる最新の住宅ローン控除についても解説!

 

確定申告するときの必要書類や注意点について解説していきます。

6.まとめ

今回の記事では、2024年最新の住宅ローン減税制度について解説しました。

住宅ローン減税制度は、利用することで大幅な税金の控除を受けることができ、高額な住宅ローンの実質返済金額を減らせます。これから住宅購入を検討する方は、住宅ローン減税制度を頭に入れつつ、取得する住宅の省エネ性能を検討してみてください。
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