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住まいサーフィン編集部

東京都板橋区で健康省エネ推進シンポジウムが開催!命を守る住宅とは

2024年04月09日

更新日最終更新日:

ヒートショック死亡件数は交通死亡事故の3倍!熱中症は室内で起こる割合が約4割!

比較的安全だと思われる室内で、体調を崩される方が多いことをご存じでしょうか?

ヒートショック死亡件数は交通事故の死亡件数よりもはるかに多く、特にその大多数が高齢者です。そして熱中症に関しても室内での発症は約4割であり、65歳以上は重症化しやすく、死亡率が最も高いです。

今回の記事は、住まいに潜む危険や、住まいの安全に対する国の取り組みについて解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1.住まいに潜む危険

ご自宅は、快適な室温を維持できていますか?

冬の住まいに潜む危険

冬場の室内は寒くて当たり前だと思っている方もいるかもしれませんが、実はG7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の中で、住宅における断熱性能が義務化されていないのは日本だけであり、日本の住宅は断熱性は先進国で最低レベルとも言われています。どうりで寒いという声が聞こえるわけですね。

そんな寒い家が多いと言われている日本で起こってしまう事故が「ヒートショックによる死亡事故」です。

それは65歳以上の高齢者や、高血圧・糖尿病などの疾患がある方に多く起こります。

このように心臓へ負担がかかることで気を失い倒れてしまいます。浴槽内で失神すれば、そのまま溺れて亡くなってしまうのです。また、血圧の急激な上昇と低下が原因で脳内出血、心筋梗塞、脳梗塞が起こることもあります。

冬場の入浴は、身体が温まるリラックスタイムかもしれませんが、室温や湯船の温度に気を付けなければ命に関わります。東京都健康長寿医療センター研究所の研究によると、全国で約17,000人がヒートショックにより亡くなったと推計された年もあり、中でも約14,000人が高齢者だと考えられるとされています。

また、ヒートショックはお風呂場だけで起こるのではなく、トイレ内でも起こります。暖房の利いた暖かいリビングから寒いトイレ内に移動した際に血圧が急激に変動するため、入浴時と同じ症状が起こります。住まいを快適な室温に保つために全ての部屋に暖房を使うことも有効ですが、事故を防ぐために住宅の断熱性を高めると良いでしょう。

夏の住まいに潜む危険

高温多湿の日本の夏は熱中症になりやすい環境です。年々暑さが増し、過ごしにくさを感じている方も多いのではないでしょうか。

そのため室内で過ごされる方も多いかもしれません。室内であれば暑さをしのげて安心かと思いきや、室内でも熱中症になるリスクがあります。特に断熱性が低い住宅は、窓や屋根から日射熱が入り込み、室内の気温が高温になります。室内にため込まれた熱が下がらないと、部屋の中であっても熱中症を発症するケースがあるのです。

そして、高齢者は特に注意が必要です。高齢者は若い年代に比べて暑さを感じにくいため、熱中症になったことに気づかず、気づいたころには重症化しているケースがあります。また、体の熱を外に逃がすための機能が弱くなっていることから、汗をかきにくく、熱を体内にためこんでしまいます。さらに、高齢者は体内の水分量が若い年代よりも減少している上に、のどの渇きを感じにくいので、水分の補給を怠りやすく、脱水症状を起こしやすいです。

熱中症のリスクを軽減するためには、冷房機器を使用することも有効ですが、断熱性を上げて太陽の熱を遮断し、室内の温度を快適に保つと良いでしょう。

実際にどれほどの人が室内での熱中症により搬送されているか、下記のデータを見ていきましょう。


※出典 総務省消防庁

総務省消防庁によると、2023年8月7日~8月13日の熱中症による救急搬送件数が7,266人でした。そして3,268人もの人が室内からの搬送となっています。それは全体の45%を占めます。このことから熱中症のリスクは室内であっても十分に高いといえるでしょう。

このように断熱性の低い住宅は、冬や夏の季節にはリスクを伴います。

そして、そんな日本の住宅にやっと住宅の断熱性にも繋がる「省エネ基準適合が義務化」されることになりました。

どのような取り組みなのか、次の事項でご説明します。

2.断熱性を高める国の対策

2025年4月から新築物件を対象に「省エネ基準適合が義務化」されます。簡単にご説明すると、以下の取り組みになります。

  • ● 一次エネルギー消費量が基準値以下になること
  • ● 外皮基準の表面積あたりの熱の損失量が基準値以下になること

一次エネルギーとは、石油、石炭、原子力、天然ガス、水力などを指します。家庭では一次エネルギーを変換・加工した電気、灯油、都市ガスなどの二次エネルギーが使われていますが、計量単位がそれぞれ異なるため、「一次エネルギー消費量」という統一の単位に換算し、総エネルギー消費量を基準以下にしようという取り組みです。この取り組みをすることで、限りあるエネルギーを効率よく使用し、環境を守ります。

また、外皮とは外壁や屋根、窓などの建物を覆っている部分のことであり、それらの熱の損失量を基準以下にすることで断熱性能を高め、外気温の影響を受けにくくします。省エネ基準に適合することで、無駄にエネルギーを使わずに、暖かい住まい・熱をため込みづらい住まいを作り上げることができるのです。

よって省エネ基準の満たした建物は、ヒートショック対策や熱中症対策になる「命を守る住宅」になります。

省エネ基準適合の義務化について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。

次に、東京都内で行われた「生命を守る『健康省エネルーム』推進シンポジウム」について見ていきましょう。

3.東京都板橋区で「生命を守る『健康省エネルーム』推進シンポジウム」が開催

東京都板橋区では、住まいの温度と健康との関連をテーマにした「生命を守る『健康省エネルーム』推進シンポジウムIN板橋」が3月27日、東京都の板橋区立グリーンホールで開かれました。

WHO(世界保健機関)が冬の室温を18度以上に保つように勧告していることに触れ、冬の脳梗塞や夏の熱中症などを防ぐために、国や自治体の補助を活用し、ひと部屋でも断熱改修する取り組みを官民連携で進めたいと呼びかけました。

このシンポジウムでは、断熱改修した住宅に住み続けると、血圧上昇を抑制する効果があるなどという報告もされ、板橋区や厚生労働、国土交通、環境各省の担当者らからは住宅の省エネ改修に対する国と地方自治体の補助事業などの説明がされました。

2025年からの「省エネ基準適合の義務化」は新築対象となるため、既に建っている建物には適用されません。よって、現状建っている家の断熱性を高めるために改修することが理想的といえるでしょう。

例えば、省エネ改修に対する国と地方自治体の補助事業を挙げてみます。
※残念ながら既に公募が締め切っている事業もありますが、今後の動きに注目しておくことをおすすめします。

国の省エネに関する補助事業

  • ●住宅エコリフォーム推進事業(国交省)
  • ●長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)
  • ●次世代省エネ建材の実証支援事業(経産省)
  • ●既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)

地方自治体の省エネに関する補助事業

  • ●創エネルギー・省エネルギー機器等設置費助成金(東京都港区)
  • ●再生可能エネルギー機器等助成制度(東京都台東区)
  • ●墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度(東京都墨田区)

上記のご紹介した補助事業はほんの一部であり、国や自治体では省エネ改修に関する事業を多く行っています。ご興味のある方は、お住まいの自治体の事業を確認してみましょう。

4.板橋区マンションの価格相場

最後におまけとして、シンポジウムが開催された板橋区内にある人気物件の値上がり率や価格をご紹介します。

マンション名 中古適正価格
(70㎡)
値上がり率 竣工年 徒歩分
ガーラ・ヴィスタ新板橋 10,080万円 XXXX% 2019年2月 徒歩5分
プラウド板橋区役所前 9,870万円 XXXX% 2022年1月 徒歩4分
リビオ板橋駅前 8,680万円 XXXX% 2017年2月 徒歩2分
プレシス板橋大山 8,190万円 XXXX% 2020年8月 徒歩5分
シティインデックス板橋仲宿 7,980万円 XXXX% 2013年3月 徒歩6分

※2024年4月9日時点の価格情報となります。
中古時価は市況により変動します。最新の数値を確認したい方は物件名をクリックし、物件詳細ページにてご確認ください。

※一部数値は会員限定公開となります。
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5.まとめ

今回は、命を守る住宅について解説しました。安全で快適なマイホーム購入や改修の参考になると幸いです。

世界的にも省エネやカーボンニュートラルが重視されていますが、日本の住宅市場においても今後重要になるのが省エネ性能の高い住宅です。
国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。

省エネ住宅の重要度は理解できたし、今なら補助金ももらえる。いざ行動しよう!とした皆さんは、以下のように思われたのではないでしょうか?

  • 補助金の仕組みが複雑すぎて、何をどうしたら良いか分からない
  • ● 補助金はもらいたいが、仕組みを理解するために学ぶ時間が取れない
  • ● 業者に騙されたニュースを聞いたことがあり、少し怖い
  • ● 実際にどの業者を選べば良いのか分からない

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