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住宅ローンに申し込む際、クレジットカードの利用状況が審査に影響することをご存知でしょうか?
カードの使いすぎ・支払いの延滞・リボ払いや分割払いなど、うっかり見落としてしまうと審査結果に影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、住宅ローン審査に関わる信用情報、審査に悪影響なクレジットカードの使い方・使いすぎた場合の対処方法について詳しく解説していきます。
目次
- 3 当てはまったら要注意!住宅ローンの審査に悪影響なクレジットカードの使い方
- - ① クレジットカードの支払いが2ヶ月以上延滞した
- - ② クレジットカードの支払いに数日遅れたことがある
- - ③ キャッシングを利用している
- - ④ リボ払いや分割払いを利用している
- - ⑤ クレジットカードを複数持っている
- 4 住宅ローンの審査前にクレジットカード利用の見直しをしよう
- - ① 延滞分やリボ払い・キャッシングの残債を完済させる
- - ② 支払い方法を一括払いにする
- - ③ キャッシング枠をつけない
- - ④ クレジットカードの保有枚数を減らす
1.クレジットカードの使いすぎが住宅ローンの審査に関わる?
まず「クレジットカードの使いすぎが住宅ローンの審査に関わるのか?」という点は皆さんが気になるポイントだと思います。
結論から言うと「利用状況によっては住宅ローン審査に関わるが、全ての利用状況が見られているわけではない」といったところです。
住宅ローン審査の際、クレジットカードの利用状況や支払い履歴は、信用性の指標になります。
クレジットカードを使いすぎていても、返済が滞っていなければ問題ない場合もあります。しかし、支払いの延滞やキャッシング枠の利用などがあると、住宅ローン審査に良い影響を与えないと言われています。
具体的にどのような点が住宅ローンの審査で重視されるのかは「2.住宅ローン審査で見られる!信用情報と返済負担率」で解説します。
住宅ローン審査で悪影響になりやすいクレジットカードの使い方の事例については「3.当てはまったら要注意!住宅ローンの審査に悪影響なクレジットカードの使い方」で解説します。
2.住宅ローンの審査で見られる!信用情報と返済負担率
住宅ローンの審査項目は多岐にわたりますが、その中でもクレジットカード利用と深い関係がある信用情報と返済負担率について解説します。
信用情報は「お金に関する個人情報」
信用情報とは、お金に関する個人情報のことを指します。
個人の信用を基に取引が行われた客観的事実の記録で、個人信用情報ともいいます。例えば以下のような情報です。
- ● クレジットカードの支払い履歴
- ● 各種ローンの残高
- ● 借金の状況
- ● 携帯電話の支払い履歴
- ● 債務整理情報
こうした信用情報は信用情報機関に登録されており、銀行・クレジットカード会社・消費者金融などは信用情報機関に加盟しています。
住宅ローン審査の際、個人信用情報を参照することで「ローンを返済する能力はあるのか?」「お金に関する問題を抱えていないか?」などが判断されているのです。
自分のお金に関する重要な履歴は、すべて信用情報機関に記録されていると思ってよいでしょう。
信用情報は「信用情報機関」が把握している
わたしたちの信用情報を記録している「信用情報機関」と呼ばれる機関は次の3つです。
機関名 | 主な加盟機関 | 取り扱い情報 |
---|---|---|
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行・信用金庫・信用組合・農協などの金融機関 | 銀行のカードローンや奨学金の利用情報 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジット会社・保険会社・携帯電話会社など | クレジットカードの利用状況や携帯電話の割賦など |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融・一部の金融機関など | 借金を含むローンなどの状況 |
それぞれの信用情報機関によって加盟機関や取り扱っている情報は異なりますが、一部の情報は3社によって共有されています。
そのうちの1つが異動情報です。
異動情報とは、支払いの延滞や債務整理などの事故情報のことで、一般的にはブラックリスト入りと呼ばれていたりもします。
例えば、クレジットカードの返済を延滞してしまうとCICに登録され、さらに銀行にも情報が共有されてしまいます。つまり、事故情報は他の信用情報機関にも必ず伝わってしまうのです。
1つの信用情報機関に事故情報が登録されると、すべての信用情報機関に共有されるので、住宅ローンの審査に通るのは厳しい状況といえます。
返済負担率に注意しよう
返済負担率とは、年収に占めるローンの返済額の割合のことです。一般的に無理のない返済負担率は20~25%程度とされています。
年収800万の場合は、年間で160~200万(毎月にすると約13~16万円)が無理のない返済負担率ということです。
基準とする返済負担率は金融機関によって異なるので、返済負担率35%以下であれば、住宅ローン審査に通る可能性は高いです。
しかし、キャッシングやカードローンなど他に借り入れがあると、収入に対する借入額が多くなるため返済負担率に影響が出てきます。
借入額が大きいほど「住宅ローンを返済できなくなる可能性がある」とみなされてしまいます。審査に通る可能性が低くなるか、審査に通ったとしても住宅ローンの借入額が減らされる恐れがあります。
次の章では、住宅ローン審査で悪影響になりやすいクレジットカードの使い方について解説します。
3.当てはまったら要注意!住宅ローンの審査に悪影響なクレジットカードの使い方
ここからは、住宅ローンの審査に悪影響を及ぼす可能性が高いクレジットカードの利用事例について解説します。
① クレジットカードの支払いが2ヶ月以上延滞した
住宅ローンの審査において、クレジットカードの支払い延滞は大きなマイナス要因となります。
クレジットカードの支払い延滞とは「61日以上(2か月以上)または3回目の支払い日を超えた時までに支払いができなかった状態」をいいます。
この場合、信用情報機関に異動情報が登録されてしまいます。「この人は返済能力に問題があるかもしれない」とみなされてしまうため、住宅ローン審査に通るのは厳しい状況になります。
なお、異動情報は延滞した金額を完済後も5年間は登録されたままとなります。
「過去にクレジットカードの支払いを延滞したかもしれない…」と不安な方は、開示請求で異動情報を調べることも可能です。
クレジットカード以外に「携帯電話の料金や公共料金の支払いを遅滞してしまった」という方もいると思いますので、よくある質問で解説します。
② クレジットカードの支払いに数日遅れたことがある
「うっかり口座の残高不足で引き落としされなかった」という支払い遅延のケースもあると思います。
61日未満の支払い遅延の場合、迅速に支払いを済ませれば信用情報に影響を及ぼさない可能性が高いです。
しかし、何回も繰り返してしまうと返済能力に問題があるとみなされて、異動情報に登録される恐れがあるので注意しましょう。
③ キャッシングを利用している
キャッシングとは、クレジットカードの機能でお金を借りられるサービスのことです。
キャッシングについて、以下のようなケースに当てはまる場合は注意が必要です。
- ● キャッシングで借りたお金を完済していない
- ● キャッシングで借りた金額が大きい
- ● キャッシング枠付きのクレジットカードを保有している
借りたお金を完済していない場合や借りた金額が大きい場合、住宅ローンの借入可能金額が減らされる可能性があります。
クレジットカードのキャッシングは高金利であるため、返済負担率を考慮すると住宅ローンの返済能力に疑問を持たれてしまうのです。
キャッシング枠付きのクレジットカードを保有している場合は、仮にキャッシングを利用していなくても、借入金額が多いと判断されるため注意が必要です。
④ リボ払いや分割払いを利用している
リボ払いや分割払いを頻繁に利用している場合も注意が必要です。
特に危険なのはリボ払いです。リボ払いとは、利用金額や利用件数にかかわらず毎月の支払金額を一定にする仕組みです。
毎月の支払い金額が一定のため、一見するとメリットがありそうですが、手数料の負担が大きい支払い方法です。
月々の返済額に占める元本の額が少ないため、一度リボ払いを選択してしまうと返済が長期間におよぶ可能性があります。
リボ払いを頻繁に利用していると、いつの間にか多額の借金を背負ってしまうことにもなりかねません。返済負担率も高くなってしまうので、住宅ローン審査に影響する可能性が高いです。
⑤ クレジットカードを複数持っている
クレジットカードを複数持っている場合に確認すべきことは、キャッシング枠がついているかどうかです。
キャッシング枠付きのクレジットカードを持っていると、実際には利用していなくても借入額としてみなされる恐れがあります。
キャッシング枠がついていなければ、クレジットカードを複数持っていても審査に影響することはありません。
4.住宅ローンの審査前にクレジットカード利用の見直しをしよう
住宅ローンの審査を行う前に、クレジットカード利用の見直しを行いましょう。
① 延滞分やリボ払い・キャッシングの残債を完済させる
まず、クレジットカードの支払いが延滞している方はすぐに完済しましょう。
異動情報に記録されてしまうと、5年間はその情報が残ったままになります。
つまり、5年間は住宅ローン審査に通るのが厳しくなる可能性が高いです。一刻も早く完済させることをおすすめします。
また、リボ払いや分割払いの残債がある人も、住宅ローンの借入額が減らされる恐れがあるため早めに完済するのが良いでしょう。
② 支払い方法を一括払いにする
クレジットカードを利用する際、支払い方法は一括払いにすることをおすすめします。
一括払いにすることで、リボ払いや分割払いのように無駄な手数料を支払う必要がなくなります。
③ キャッシング枠をつけない
キャッシング枠がついているキャッシュカードを持っていると、借り入れと見なされて信用情報に影響を与える可能性があります。
クレジットカードからはキャッシング枠を外すことを推奨します。
④ クレジットカードの保有枚数を減らす
複数のクレジットカードを持っていると、管理が難しくなり、支払いの遅延や使いすぎのリスクが高まります。
必要最低限のカードだけを残し、他は解約することでクレジットカード利用の見直しを行いましょう。
5.不安な人は、住宅ローンの審査の前に信用情報の確認を
「住宅ローン審査の前に自分の信用情報が気になる…。」という方は、信用情報機関に開示請求すると確認ができます。
インターネットや郵送で開示請求ができますが、それぞれの信用情報機関によって手数料が異なります。
機関名 | 手数料(オンライン開示の場合) |
---|---|
全国銀行個人信用情報センター(KSC) |
1,000円 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 500円 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 1,000円 |
(2025年4月現在)
また、開示請求における注意点としては以下の2点です。
- ① すべての信用情報機関に開示請求しないと、情報が不十分な場合がある
- ② 何度も開示請求を行うことは避けた方が良い
住宅ローン審査の前に開示申請をする際、「銀行が加盟している信用情報機関(KSC)だけに問い合わせればいいの?」と思うかもしれませんが、それだけでは情報が不十分な場合があります。
それぞれの信用情報機関で保有する情報が異なります。確認漏れがないように、すべての機関に開示請求を行った方が良いでしょう。
信用情報に問題があった時の対処方法については、よくある質問で解説します。
6.クレジットカードと住宅ローン審査についてのよくある質問
最後に、クレジットカードの利用と住宅ローン審査についてのよくある質問について回答します。
携帯料金や公共料金の支払い延滞は住宅ローンの審査に関係ある?
携帯電話の本体料金を分割している場合は注意
通話料金のみの延滞であれば、住宅ローンの審査に影響することは少ないでしょう。
注意したいのは、携帯電話の本体料金を分割で支払い、その代金が毎月の携帯代に含まれているようなケースです。
この情報は、信用情報機関で管理する「割賦代金」に該当します。
クレジットカードの延滞と同様、異動情報が登録される恐れがあるので注意しましょう。
公共料金の延滞は住宅ローンの審査と関係ない
結論から言うと、公共料金を延滞しても住宅ローンの審査に影響はありません。
なぜなら、電力会社・ガス会社・水道局などは信用情報機関に加盟していないので、延滞の情報を把握できないのです。
しかし、公共料金をクレジットカードで支払っている場合、クレジットカードの支払い延滞があれば異動情報が登録されるので注意しましょう。
クレジットカードの支払い延滞で異動情報が登録されたらどうする?
基本的に、信用情報に異動情報が登録されていると、住宅ローン審査に通る可能性は低くなってしまいます。
5年間は情報が登録されたままなので、情報が消えるのを待つしかありません。
しかしながら、住宅ローン審査が100%通らないかというと必ずしもそうではありません。
異動情報が登録されている場合や信用情報に不安がある場合も、不動産業者の担当者に事情を相談すれば金融機関に直接交渉してくれる可能性もあります。
金融機関によって住宅ローンの審査基準や項目は異なりますので、できるだけ審査の緩い金融機関に申し込むというのも対策の1つです。
各金融機関の住宅ローンや金利については、こちらの記事で毎月更新していますので参考にしてみてください。
住宅ローン金利の最新情報と今後の動向を解説します。
なぜ住宅ローン審査に落ちたのか理由がわからない
「なぜ住宅ローン審査に落ちてしまったのかわからない…」という方もいらっしゃるかもしれません。
各金融機関によって審査基準や項目が異なるので、落ちた理由がはっきりとわからない場合もあると思います。
まずは不動産業者と相談し、審査に通りやすい金融機関に申し込みするのが良いでしょう。
以下の記事では、住宅ローン審査に通る対策について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
審査に落ちる理由と事前にできる対策を解説、さらには審査が通りやすいおすすめの住宅ローンを紹介します。
マンション購入時の住宅ローン審査の基準とは?審査に通るためのポイントも解説!
住宅ローン審査の基準となるポイントや住宅ローン契約前の注意点について、詳しくご紹介していきます。
7.まとめ
今回は、クレジットカードの利用や住宅ローン審査について解説してきました。
住宅ローンの審査項目は多岐にわたりますが、クレジットカードの利用など信用情報も重視されるポイントです。
住宅ローン審査の前に、クレジットカードの利用を見直してみることをおすすめします。
これまでのクレジットカードの使い方に不安がある場合は、信用情報の開示請求も可能です。審査の前に調べておくと安心でしょう。
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