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住宅ローンを借り入れるときに、固定金利と変動金利どちらを選ぶか迷っている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンでリスクを低減したいなら固定金利がおすすめです。
一般的に金利が安い変動金利を選ぶ方が多いですが、返済の安心感・安定感を求めて固定金利を選択する方もいます。
では、これからマイホームを購入する人は、固定金利を選んで住宅ローンを組むべきなのでしょうか。
今回は、固定金利の特徴や住宅ローンを選ぶときの注意点・ポイントをお伝えします。
おすすめの固定金利の住宅ローンも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
1.固定金利とは?
固定金利とは、指定した期間中は金利が一定で返済額が変わらない金利プランです。
変動金利と違い、選択した期間内は返済額が上がることがないため安心感があります。
例えば、10年固定を選ぶと、最初の10年間は支払額が変わりません。そして、11年目になると変動金利か固定金利かもう一度選び、その時点での金利が適用になります。
仮に、最初の10年固定の期間に金利が上がっていても、適用金利は変わらないので得をします。
逆に、金利が下がっていると損をする仕組みです。
返済期間中(35年返済なら35年間)、ずっと金利が変わらない「全期間固定金利」もあります。
変動金利と固定金利の違い
変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われ、金利の上がり下がりに応じて支払額が変化する金利タイプです。
固定金利と変動金利の違いは次の通りです。
変動金利 | 固定金利 | |
---|---|---|
金利 | 低い | 高い |
金利の見直し | 半年ごと | 選択期間終了時 (全期間固定金利は 見直しなし) |
返済のリスク | 高い | 低い |
他の金利プランへの 切り替え |
できる | できる (全期間固定金利は できない) |
金利プラン切り替えの タイミング |
好きなタイミングや 金利見直しのタイミングで できる |
固定期間終了時にできる |
変動金利は半年ごとに金利が見直されるため、返済額上昇のリスクが高いです。
対して、固定金利は期間中は金利が一定なので、返済のリスクは低い金利プランと言えます。
ただし、変動金利は5年間返済額が変わらない「5年ルール」や、金利上昇後も今の返済額の125%を超えない「125%ルール」を設けて、リスク対策をしています。
変動金利は他の金利プランへの切り替えのタイミングを自由に決められます。
しかし、固定金利は選択期間終了時しか切り替えができません。
全期間固定金利を初めに選ぶと、変動の切り替えは不可能です。
さまざまな違いがありますが、金利と返済リスクの差が大きい点が両者の違いと理解しておきましょう。
固定金利がおすすめな人のタイプ
変動金利と固定金利は、絶対にどちらかがおすすめということはありません。
住宅ローンに対する考え方やライフプランなどによって選ぶべき金利タイプは異なります。
固定金利がおすすめのタイプは、次のような人です。
- ● 少し返済額が高くても安定してローンを返していきたい
- ● 将来の金利上昇が心配
- ● しっかりとライフプランを立てて過ごしたい
- ● 生活費や教育費を計画的に貯蓄したい
- ● 経済の動向や国の政策を追うのが苦手
安定志向の方や堅実なタイプの方は、固定金利が合っているかもしれません。
逆に「とにかく現段階で1番安く組める住宅ローンが良い」と考えている方には、おすすめできない金利プランです。
2.固定金利型住宅ローンの種類
固定金利には2つの種類があります。
- ● 期間選択型:選択した期間内は金利が一定、期間終了時に固定・変動選択可能。
- ● 全期間型:ローンを組んでいる全期間で金利が一定
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
期間選択型のメリット・デメリット
期間選択型固定金利のメリット・デメリットを紹介します。
- 【メリット】
- ● 全期間と比べて金利が低い
- ● 当初の固定期間が終わったら固定・変動を選び直せる
借入時に3・5・10・20年など好きな期間を選べます。
固定金利の期間が長くなるほど、適用金利は上昇します。
子供にお金がかかる内だけ固定にしたいなど、ライフプランをしっかりと考えている方におすすめです。
- 【デメリット】
- ● 当初の期間終了後に大幅に返済額が上がるリスクがある
- ● 金利の動向をチェックする必要がある
期間選択型は、当初期間終了後に金利が上がっていると、大幅に返済額が変わります。
また、期間終了後の金利引き下げ幅が少ない住宅ローンだと、同じ期間を再度選択しても金利が大きく上がります。
引き下げ幅というのは、基準金利(店頭金利)から優遇される金利のことです。
金融機関によっては、次のような引き下げ幅の違いがあります。数値はあくまで目安です。
引き下げ幅 | |
---|---|
借り入れ当初 | -2% |
期間終了後 | -0.8% |
仮に、基準金利3%の金融機関と仮定します。
最初の引き下げ幅はマイナス2%なので、1%という低金利で固定されます。
しかし、期間終了後の引き下げ幅はマイナス0.8%です。
つまり、期間終了後も基準金利が3%のままだったら、2.2%の金利が適用になります。
引き下げ幅の変化をチェックしないでローンを契約すると、後々の返済がかなり苦しくなるかもしれません。
中には、全期間で引き下げ幅が同じ期間選択型固定金利もあります。
しっかりチェックしてお得に借入できるローン商品を選びましょう。
全期間型のメリット・デメリット
全期間型固定金利のメリット・デメリットを紹介します。
- 【メリット】
- ● 金利がずっと変わらない安心感がある
- ● 金利の動向をチェックする必要がない
全期間型の最大のメリットは返済額がずっと変わらない安心感です。
住宅ローンの返済額が固定されるため、他のライフプランが立てやすくなります。
計画的に貯蓄して老後に備えたい方などにぴったりな金利プランでしょう。
- 【デメリット】
- ● 金利が高いためトータルの支払額で損をする可能性がある
- ● 途中で金利が上がる二段階固定型もある
全期間型は選択型や変動金利と比較して金利が高いです。2%以上の差がつくケースもあります。
2%違うと、仮に5,000万円の住宅ローンを35年間で借り入れると、月々の返済で約4.8万円も差が出ます。
金利が変わらない安心感があったとしても、これだけ差があると損をしている気分になる人もいるでしょう。
また、全期間型商品には、途中で金利が変わる二段階固定型のものも存在します。
10年目までは1%の金利だったけど、11~35年目は金利が1.2%に変わるような仕組みです。
ローン契約時に金利が上がることは分かっているので、計画的に貯蓄をしておけば問題ありません。
しかし、子供の進学等で出費が増えるタイミングで、返済額も上がると大変に感じる可能性はあるでしょう。
3.最新の固定金利の動向と相場
最新の固定金利の動向や相場を解説します。
固定金利の最新動向
住宅ローンの固定金利は、長期金利から影響を受けて推移しています。
そこで、最近の長期金利(10年国債利回り)の推移をご説明します。
2023年11月1日には10年国債利回りが0.95%まで上昇しましたが、その後は低下傾向が続いていました。しかし2024年4月に再び大きく上昇。上昇した理由は、大規模金融緩和の解除とアメリカの10年国債利回りから影響を受けたからです。
2024年5月29日には一時1.075%という約12年半ぶりの高水準となりました。
10月1日時点の日本の10年国債利回りは0.894%前後です。アメリカの景気減速や円高などの影響で、再び低下傾向になっています。
固定金利は今後上昇していく可能性があります。なぜかというと、2024年7月に行われた日銀の金融政策決定会合で、長期国債買入れの減額計画が立てられたからです。
画像出典:日本銀行・2024年7月金融政策決定会合での決定内容
買入れが減額することで国債の需要が少なくなり、国債の価格低下に繋がります。国債価格が低下すると利回り上昇になる、つまり長期金利は上昇すると考えられます。
しかし、固定金利は低下する可能性もゼロではありません。アメリカFRBは2024年9月に利下げを示唆しています。日本の長期金利は欧州の経済の影響を受けやすいので、利下げが実行されることで日本の長期金利が低下していくことも考えられます。
固定金利は金利が上下しやすく、さらに現在は先が予想しづらい状況です。固定金利は、変動金利以上にタイミングが重要と言えるでしょう。
また、一般的に、金利は引渡し後の融資実行日のものが適用されます。
新築を購入する場合、引き渡しが売買契約してから数年後というケースもあります。その場合、現在の金利とは大きく異なる可能性があるということは理解しておきましょう。
最新の動向については、毎月更新しているこちらの記事をご確認ください。
住宅ローン金利の最新情報と今後の動向について解説します。
固定金利の相場
固定金利は、金利が固定される期間が長いほど金利は高くなります。
10年固定金利(当初期間中一気に引下げとなるプラン)の場合、1.1~1.7%台が相場でしょう。
金融機関によって金利に差があります。
毎月更新している下記の記事では、主要な金融機関の金利が一目で比較可能です。是非ご覧ください。
住宅ローンの金利相場をタイプ別に徹底比較!お得に借り入れするために!
最新の金利相場について解説をし、タイプ別に金利を比較します。
4.住宅ローン選びのポイント
住宅ローンを選ぶ際のポイントを紹介します。
金利が安いか
できるだけ金利が低い住宅ローンを選びましょう。
低金利な住宅ローンは次のようなメリットがあります。
- ● 月々の返済額を安くできる
- ● 借入できる金額を増やすことができる
- ● 審査が通りやすくなる
返済額が下がるのはもちろん、借入額を増やせたり審査が通りやすくなったりします。
例えば審査の結果、月々8万円の借り入れしかできない人がいたとしましょう。
金利が1%なら2,800万円しか借り入れできませんが、金利が0.6%なら3,000万円まで借入額を増やすことが可能です。
ただし、住宅ローンの適用金利とは別の「審査金利」を使って、貸し付ける額を検討する金融機関もあります。
住宅ローンの適用金利が低くても、審査金利は高いケースもあるので注意しましょう。
また、最初の金利が安いという理由で、単純に住宅ローンを決めることもおすすめしません。
期間選択型は後々になって金利の引き下げ幅が大きく下がり、金利が高くなる可能性があります。
長い目で見たときの金利のお得さを考えながら、住宅ローンを選びましょう。
団信の保障内容
住宅ローンは、団信(団体信用生命保険)への加入が必須となっている商品がほとんどです。基本である「一般団信」では、住宅ローンを借りた人が死亡したり高度障害になったりすると、住宅ローン残高はゼロになります。
また、最近はネット銀行を中心に保障内容が充実しています。
ガンと診断されるとローン残高がゼロになったり、長期入院している間は支払いが保障されたりする団信もあります。
団信の対象となる疾病や保障内容は、金融機関によって大きく異なるため比較が必要です。
保険料に関しては金利上乗せなしのタイプと、保険料が金利に上乗せされるタイプがあります。
自分が現在加入している保険と見比べて、必要な内容の団信に加入しましょう。
5.固定金利型のおすすめの住宅ローン
住まいサーフィンが独自に選んだ、固定金利のおすすめ住宅ローンを紹介します。
なお、店舗とインターネットどちらからも手続きができて、かつ適用金利が異なる場合、本記事ではインターネット手続きの金利を記載しています。
一般的には、インターネットからの手続きの方が金利が安いことが多いです。
「SBI新生銀行」当初固定金利タイプ・手数料定率型
最初にご紹介するのは「SBI新生銀行」です。
10年固定金利 | 当初10年間0.95% |
---|---|
引き下げ幅 | 当初引き下げ幅-1.15%、 期間終了後引き下げ幅-0.70% |
団信 | ● 安心保障付団信(金利上乗せなし、がん団信との併用不可) ● がん団信(金利上乗せ0.1%) |
手数料 | 借入金額×2.2% |
保証料 | 0円 |
※2024年10月時点
SBI新生銀行のポイントは次の2点です。
- ● 当初10年間の金利がトップレベルで低い
- ● 金利上乗せなしで安心保障付き団信に加入できる
SBI新生銀行は、当初10年間の金利がかなり低いです。最優遇金利であれば、業界内トップレベルといえるでしょう。
最初の10年間はずっと1%以下になるので、「最初の10年で元本をしっかり減らして返済を進めたいけど、変動金利は怖い」という人にぴったりです。
ただし、11年目からは金利が上がるので注意してください。
また、65歳以下であれば、要介護状態も保障対象になる「安心保障付団信」に金利上乗せなしで加入できます。
「三菱UFJ銀行」プレミアム住宅ローン固定10年
次にご紹介するのは、「三菱UFJ銀行」のプレミアム住宅ローン固定10年です。
10年固定金利 | 当初10年間1.11%~1.19% |
---|---|
引き下げ幅 | 当初引き下げ幅-2.70%~-2.78%、 期間終了後引き下げ幅-1.55% |
団信 | ● 7大疾病保障(金利上乗せ0.3%または保険料タイプ) ● ワイド団信(金利上乗せ0.3%) |
手数料 | 借入金額×2.2% |
保証料 | 0円 |
※2024年10月時点
三菱UFJ銀行のポイントは次の2点です。
- ● 当初10年間の金利が低い
- ● 7大疾病保障で保険料タイプも選択できる
三菱UFJ銀行は、当初10年間の金利が低い点が魅力です。ただし、最初の引き下げ幅が大きい分、11年目からは金利が大幅に上がる点には注意しましょう。
全国に支店があるので、住宅ローンの相談がしやすいのも特徴です。
また、団信については、7大疾病保障が金利上乗せと保険料タイプの2種類に分かれています。
上乗せの場合は金利がプラス0.3%で、保険料タイプは借入金額や年齢などによって設定されます。
保険料タイプは途中で解約することも可能です。
特に若い方が借り入れをする場合は、少しでも月々の支払いを抑えることができる保険料タイプがおすすめです。
「ソニー銀行」住宅ローン
最後に、全期間引き下げ幅が一定のローンについてもご紹介いたします。
「ソニー銀行」には当初引下げプランだけでなく、最後まで引き下げ額が一定のプランもあります。
10年固定金利 | 当初10年間1.644% |
---|---|
引き下げ幅 | ずっと-1.05% |
団信 | ● がん団信50(金利上乗せなし) ● がん団信100(金利0.1%上乗せ) ● 3大疾病団信(金利0.2%上乗せ) ● 生活習慣病団信(金利0.2%上乗せ) ● ワイド団信(金利0.2%上乗せ) |
手数料 | 一律44,000円 |
保証料 | 0円 |
※2024年10月時点
ソニー銀行のポイントは次の3点です。
- ● マイナス1.05%の引き下げ幅は借り入れ中ずっと継続
- ● 手数料が借入金額に関わらず一律
- ● がん団信100の金利上乗せが0.1%で気軽に加入しやすい
ソニー銀行の住宅ローンプランは、基準金利からの引き下げ幅がずっと一定です。
新規借り入れ時は固定金利ではなく変動金利を選択することもできます。
また、このプランは他プランと違って手数料も定額なので安く抑えられます。
団信も充実していて、がんと診断されたら残高の50%保障してくれる保険は金利上乗せなし、全残高を保障してくれる保険は0.1%の金利上乗せで加入できます。
他にも3大疾病や生活習慣病の団信も用意されていて、選択しやすい点もメリットです。
6.まとめ
固定金利の最大の魅力は、安定感です。
フラット35のような全期間型を選ぶ方もいれば、5年や10年などの期間選択型を選択する方もいます。
それぞれのメリット・デメリットを考えながら、自分にあった固定金利を選んでください。
また、同じ10年固定でも金融機関の商品によって、金利や保険の内容が大きく異なります。
ホームページやチラシに大きく載っている金利だけを見て金融機関を決めず、当初期間終了後の引き下げ幅を必ずチェックしましょう。
返済の安定感を求めて固定金利を選んでも、後々返済額が大幅に増加してしまったら意味がありません。
加えて、一般団信以外の保険の内容や保険料を見極めることも大切です。
現在加入している保険を見直しつつ、自分にあった団信を選びましょう。
手厚いサポートかつ、長い間安心して返済できる固定金利の住宅ローンを見つけてくださいね。
マイホームを購入するときには、住宅ローンの金利以外にも、物件価格の高騰、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マイホーム購入で後悔しないためには、より一層の情報収集が重要です。
とはいえ、どうすれば良いか分からないという方も多いでしょう。
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▼PIVOT 5年後、都心のマンションはどれだけ値上がりするのか?
▼NewsPicks プロだけが知る「令和の不動産売買」【沖有人vs中山登志朗】
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