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不動産物件サイトを見ていると「RC造」という言葉を目にすることがあります。
言葉は聞いたことがあっても、詳しい意味までは理解していない方も多いのではないでしょうか。
本記事ではRC造やその他の建物構造について、特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します!
目次
1.建物構造の種類と特徴
まずはじめに、建物構造の種類とその特徴について知っておきましょう。
RC造のRCとは建築物の材質を表し、鉄筋コンクリート造を意味しています。
RC造をはじめとして、建物構造には下記のような種類があります。
RC造(鉄筋コンクリート造)とは
RC造(鉄筋コンクリート造)とは、その名の通りで鉄筋とコンクリートが一体となった構造です。
鉄筋とコンクリートを一体化させることによって、両方の素材の弱点を補完し合い、強度を高めています。
RCとは「Reinforced Concrete」の頭文字で、「強化されたコンクリート」を意味します。
材質の特徴
- ●鉄筋…引張強度が高いが、圧縮に弱い。熱に弱く、錆びやすい。
- ●コンクリート…圧縮に強いが、引張強度が弱い材質。熱に強い。
RC造では、鉄筋で作った枠型の中にコンクリートを流し込みます。
鉄筋をコンクリートで覆うことで錆び付きを防ぎ、引っ張る力にも圧縮する力にも強い構造となっています。
RC造は、多くの分譲マンションで一般的に採用されている構造です。
S造(鉄骨造)とは
鉄骨造とは、建物の骨組みに鉄骨を使用した構造です。
鉄骨には、鉄の合金である鋼が用いられているため、「Steel」の頭文字であるSを取ってS造とも呼ばれます。
RC造との違いとして、建築にかかる費用を安く抑えられる点が最大のメリットです。
鉄骨造は鋼材の厚さによって、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類に分けられます。
軽量鉄骨造とは
軽量鉄骨造とは、厚みが6mm未満の薄い鋼材を使って建てられた住宅構造です。
軽量鉄骨造は、工場であらかじめ製造された鋼材を現場で組み立てるプレハブ工法で作られるのが一般的です。
軽量化された鋼材を用いるため基礎工事が不要となることも多く、工期も短く済むため、建築コストが抑えられるのが魅力です。
一戸建てや2階建てアパートなどに多く採用されています。
重量鉄骨造とは
厚さ6mm以上の鋼材を使用している場合、重量鉄骨造となります。
重量鉄骨造は厚い鋼材を使用するため、柱の本数を少なくできるのが特徴です。
柱の本数を少なくすることで柱と柱の間隔が広く取れるため、大空間を作り出すことができます。
重量鉄骨造は一般の住宅だけでなく、体育館やロードサイドの店舗、倉庫といった大型建築にも多く採用されています。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とは
鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた住宅構造です。
「Steel Reinforced Concrete」の頭文字をとって、SRC造とも呼ばれます。
鉄骨鉄筋コンクリート造では、頑丈な鉄骨を支柱とし、その周りに鉄筋を組んでコンクリートを流し込みます。
強度が高い鉄骨を使用することで鉄筋とコンクリートの量を減らせるので、RC造よりも柱や梁を細くすることが可能です。
RC造よりも重量を軽くでき、また非常に頑丈な造りとなるため、タワーマンションや高層ビル等に多く採用されています。
W造(木造)とは
木造は、建物の柱や梁に木材を使用した構造で、日本では古くから用いられています。「Wood」の頭文字をとって、W造とも呼ばれます。
木造住宅は、多くの一戸建て住宅で採用されている日本のスタンダードともいえる建築構造です。
木造建築の主な工法として、日本古来の工法である「木造軸組構法」や北米から伝わった「2×4(ツーバイフォー)工法」があります。
2.建物構造別のメリット・デメリット
さてここまで、各建物構造の特徴をご紹介してきました。
続いては、各建物構造別のメリット・デメリットをご紹介していきます。
RC造(鉄筋コンクリート造)
まずはRC造のメリット・デメリットから見ていきましょう。
RC造(鉄筋コンクリート造)のメリット
RC造は引張耐性と圧縮耐性の両方に強いことから地震に強く、耐震性に優れているのが特徴です。
加えて、コンクリートは不燃材料であり耐火性も高いことから、災害に強い構造と言えるでしょう。
RC造は耐久性にも優れており、法定耐用年数は47年と木造や鉄骨造よりも長く設定されています。
また、マンション等の集合住宅に住んでいると気になるのが「防音性能」ではないでしょうか。
RC造は隙間が無く気密性が高いため、遮音性が高い構造と言われています。
特に、スピーカーから出る音など空気を振動させて伝わる「空気伝播音」に対して防音効果が高いです。
RC造(鉄筋コンクリート造)のデメリット
優れた点が多いRC造ですが、気密性が高いため、湿気や熱がこもりやすいというデメリットがあります。
窓・サッシ等に結露やカビが発生しやすいので、RC造の建物に住む際は十分な換気を行う必要があるでしょう。
S造(鉄骨造)
続いて、S造(鉄骨造)のメリット・デメリットです。
S造(鉄骨造)のメリット
S造(鉄骨造)は鋼材が工場で生産されるため、工期が短く低コストかつ品質が安定しています。
RC造やSRC造と比較して低コストでありながら、木造よりも耐久性・耐震性に優れている点が魅力と言えるでしょう。
鉄は錆びやすく熱に弱いという弱点がありますが、防錆塗装や耐火被覆を施すことでより安心して住むことができます。
S造(鉄骨造)のデメリット
S造(鉄骨造)のデメリットとして挙げられるのが断熱性の低さです。
鉄骨は熱伝導率が高いため、外気温の影響を受けやすくなります。そのため、夏は暑く冬は寒くなりやすいです。
また、RC造と比較すると気密性に劣るため、冷暖房の効きが悪いと感じるかもしれません。
加えて、気密性の低さは防音性にも関係する要素です。
アパートなどの集合住宅を借りる場合には騒音が気になる可能性があり要注意です。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
SRC造のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のメリット
耐震性の面で最も優れているのがSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)です。
鉄筋コンクリートに鉄骨の支柱を入れた構造であるため、RC造以上に耐震性が高い構造となっています。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のデメリット
SRC造は非常に頑丈な造りであることから、工期が長く、建築にかかるコストは高くなります。
そのため、SRC造は物件数が少ないのがデメリットと言えるでしょう。
SRC造が採用されているのはタワーマンション等のハイグレード物件が中心です。
W造(木造)
最後に、木造のメリット・デメリットをご紹介します。
W造(木造)のメリット
木造のメリットとして、RC造をはじめとする他の建物構造よりも安価に建てられる点が挙げられます。
また、木材は天然の調湿効果を持っています。
湿度が高い時期には空気中の水分を吸収し、乾燥する時期には木材の中の水分を放出してくれます。
W造(木造)のデメリット
木造住宅のデメリットとして挙げられるのが、シロアリ被害の可能性がある点です。
木造で家を建てる際にはシロアリ対策を十分に行ってくれる業者を選定の上、入居後も定期的なメンテナンスを行いましょう。
3.建物構造別に特性の違いを比較!
ここまで、各建物構造のメリット・デメリットをご紹介してきました。
最後に建築構造別に特性の違いをまとめます。
耐震性が高い | 防音性が高い | 建築費用が安い | 選択肢の豊富さ | |
---|---|---|---|---|
RC造 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
S造 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
SRC造 | ◎ | ◎ | △ | △ |
W造 | △ | △ | ◎ | 〇 |
建物構造により特性に違いがありますので、希望する住戸タイプ、また購入か賃貸かにより向いている建物構造を判断しましょう。
選び方の例
- ● マンション購入を検討している方
…SRC造・RC造がおすすめ! - ● 一戸建て購入を検討している方
…木造・S造がおすすめ! - ● 防音性が高い賃貸住宅を探している方
…RC造がおすすめ! - ● 家賃がお手頃な賃貸住宅を探している方
…S造がおすすめ!
4.まとめ
本記事では、RC造やその他の建物構造について、特徴やメリット・デメリットを解説しました。
建物構造によってメリット・デメリットが異なりますので、ご自身の生活に合わせて選びたいですね。
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