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住まいサーフィン編集部

[第144号]リノベーションのローンと優遇措置: リノベーションのすすめ

2018年09月25日

最近は中古マンション購入と同時にリフォームやリノベーションを行うケースも増えて、それに対応するローンなどの商品もあります。また、リフォーム等にも税金の優遇措置が取られています。
政府は長年中古住宅の健全な流通市場の形成が懸案でした。住まいを長持ちさせ、中古住宅の正当な価値を評価できる仕組みは重要課題だったのです。そのために良質なリフォーム等には様々な優遇措置が取られてきました。

どんなローンが利用できるのかチェック

そして、何より耐震性能が重要になってきます。

リフォームローンの減税制度

上記に述べた通り、政府は安全な住まいを長く使ってもらうことをめざしています。そのためにリフォームの優遇措置は、「耐震」、「省エネ」、「バリアフリー」が主軸となります。耐震リフォームの投資型減税に限り、住宅ローン、バリアフリーリフォーム・省エネリフォームのローン型減税も併用できます。
リフォームに対する減税制度の概要

2017.04.改訂

リフォームに対する減税制度の概要
© 佐藤章子

※組み合わせの詳細は下記URLの組み合わせ表を参照ください。
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター

リフォーム関連のローン

住宅金融支援機構の融資

耐震補強やバリアフリー工事に対して融資制度を設けています。特にバリアフリー工事に関しては高齢者に有利な条件が設定されている「高齢者向け返済特例制度」があります。

高齢者向け返済特例制度
高齢者向け返済特例制度
© 佐藤章子

※住宅金融支援機構のリフォーム融資

地方公共団体による支援制度

各自治体等で独自に支援制度を設けている場合があります。お住いの自治体等に問い合わせてみてください。かなり有利な条件で融資を受けられたり、支援を受けられたりするかもしれません。
※地方公共団体の支援制度検索

民間ローン

リフォーム単体のローンも物件購入と同時にリフォームする場合の一体型ローンもともに商品化されています。

おわりに

中古物件を手ごろな価格で購入し、同時にリノベーションするスタイルはこれから増えていくと思います。
ただし大切なことは耐震性能であり、マンションの場合は住戸内のみ工夫しても意味がありません。中古住宅でも新耐震以降の物件を選択することが最重要です。旧耐震基準の建物が大地震ですべて倒壊するわけではありませんし、新耐震基準の建物が絶対安全というわけでもありません。
しかし、阪神淡路大震災や東日本大震災などでは、やはり旧耐震の建物が倒壊する比率は高くなっています。
最低限安全安心を確保しつつ、自分らしい生活スタイルを目指して下さい。

Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)


写真提供:佐藤章子

一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。