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住まいサーフィン編集部

[第140号]リノベーションプランの作り方:リノベーションのすすめ

2018年09月25日

中古マンションのリノベーションは、住戸内というコンクリートの枠組みは決まっていますが、新しい価値を創造する以上、注文住宅を取得するときと同じエネルギーと心構えが必要と考えた方がよいでしょう。

モノを暮らしに置き換える

リノベーシ功するかしないかは、住み手の意欲に比例すると言ってよいでしょう。

先人の言葉に学ぼう!

昔から「家は3回建てないと良い家が手に入らない」といわれますが、先人たちが残したこの言葉は何を意味するのでしょうか。

思い通りの家は、3回家づくりの経験が必要?
それほど住まいづくりは難しい?

しかし、我々日本人のほとんどにとって、家づくりは一生に一度の大仕事です。1回の家づくりで成功しなくてはなりません。
リノベーションも同じです。この先人の言葉に成功のヒントが隠されています。昔も家を建てるプロはいました。しかし言葉の意味をよく考えると、ほかの誰でもない住み手の質で家の質は決まると言っているのです。

学び取る大切なポイントは
3回の経験が必要なほど、家づくりの質は、
棟梁ではなく、施主で決まるということなのです。

住まいづくりは、多くの日本人にとって一生に一度の大仕事です。大切な資金を投じる一大事業だから、住まいづくりにはなんとしても成功しなくてはなりません。信頼でき、自分達のニーズにあった設計事務所や工事店選びもとても重要です。
でも最も大切なことは、自分でできる範囲は最大限頑張ることに尽きます。それが周囲を動かします。

家づくりは大勢がかかわる一大プロジェクト
一生一度の大事業 ▼

資金を調達、事業を吟味、専門家を選定、趣旨やイメージを的確に伝え、思い通りに作っていくのがプロデューサーです ▼

プロデューサーは、まず自ら事業計画やイメージを
しっかり固めることが必要です。

リノベーションプランの考え方 ~モノを暮らしに置き換える~

自らイメージを固めるにはどうしたらよいでしょうか。コツの一つはモノを暮らしに置き換えていくことです。

たとえば・・・
「リビングを広くしたい」→「リタイア後は友人や近所の方々と自宅で飲み会をして楽しみたい」、「夫婦それぞれの趣味に没頭できるコーナーをリビングに作りたい」など、次々に暮らしに置き換えていきます。リビングは単なる空間表現であり、暮らしは表していません。そこで何をしたいのか、なぜ広くしたいのか、どのような暮らしを楽しみたいのかという風に、暮らしに置き換えて、さらに新しい価値に置き換えていきます。例えば、頻繁にパーティを楽しみたいのであれば、なぜそうなのかと自分の価値観、人生設計に置き換えていきます。

リフォームもリノベーションも本来であれはそう変わらないものかもしれません。リフォーム業者が新たな切り口を示して、需要拡大を図っているにしか過ぎない面もあります。
しかし本来住まいは単なる器ではありません。建築の学生は技術だけを学習だけをしているのではありません。「建築以外の勉強が大切」と常々言われ、人を学ぶことを教えられます。社会人になって建設会社に勤めてからも同じことを言われ、「建築のデザインをしたいなら、まず自分の人生をデザインせよ」と教えられてきました。
住み手もまったく同じだと思います。人生設計が大切なのです。そうした点でリノベーションという言葉が、リフォームと区別され、正しく浸透するのであれば、マンションでより豊かな暮らしが実現しそうであり、また中古マンションの正しい価値が認識されていくように思います。

Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)


写真提供:佐藤章子

一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。

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