「地番」という言葉を聞いたことはありますか? 「住所」と似ていますが、実は少し違います。では、どう違うのか、「地番」と「住所」について説明していきましょう。
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地番(ちばん)
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地番とは、土地一区画ごとに決められた番号のこと
一般的に使われている「住所」とは別に、 土地を区分けする表現として 「地番」 というものがあります。「地番」は、土地の一区画(一筆)ごとに機械的に定められるものです。
もともとは明治時代の初めに土地に課税するためにつけられたもの。その後、たくさんの建物が建つ時代になると、一つの地番内に複数の建物ができたり、逆に複数の地番に一つの建物がまたがって建てられたりするようになりました。これでは、訪問や配達のときに場所が特定しにくくなってしまいます。そこで、「地番」とは別に「住所」という建物ごとの表記が必要になったというわけです。ただし、現在でも登記簿上の土地の所在としては、「地番」が使われています。「住所」と「地番」の特徴は?
「地番」は 土地が区画整備されたときに機械的に割り振られるため、人間が感覚的に場所を特定しにくいと言えます。それに比べて、「住所」は建物がつくられた後に設定されることが多く自由に割り振りが可能なため、場所を特定しやすいという特徴があります。「地番」が先に、「住所」は後からつけられる
たとえば、あなたが住んでいる建物の敷地にも普段使っている「住所」とは別に「地番」 が存在します。
仮に 「東京都中央区銀座 1-2-3 ダイワマンション 」という住所があり、すぐ隣には 「東京都中央区銀座 1-2-4 ギンザマンション」が あるとします。
地番はそれぞれ 銀座285-13 と 銀座285-55 だとしましょう。
この2つの建物を取り壊して敷地を合わせて ひとつの大きなマンションが建つことになると、土地が合体した新しい区画に、住所より先に銀座285-90のような地番が割り振られるのです。
この場合であれば、建物が出来上がった後に 「東京都中央区銀座 1-2-3 ニューダイワギンザマンション」などという住所になるのかもしれませんね。