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マイホームの購入を検討している人にとって、自分の年収だといくらの物件が適切なのかは、気になる問題です。
また、住宅ローンはどれくらい借りられるのかあらかじめ知っておきたい方も多いでしょう。
今回の記事では、年収600万円の人の住宅ローン借入可能額や、無理なく返済するためのポイントについて解説します。
目次
1. 住宅ローンの年収倍率や返済負担率どれくらい?
まずは、一般的に住宅ローンはどれくらい借りられるのか見ていきましょう。
住宅ローンと年収の関係を表す指標に、「年収倍率」と「返済負担率」があります。
年収倍率とは、住宅ローンの借り入れた金額が年収の何倍なのかを示しています。
一方、返済負担率とは年収に対して年間どれくらいの割合で住宅ローン返済するかを示しているものです。
それぞれの計算方法や平均について、詳しくご説明します。
年収倍率
年収倍率は以下の計算式で算出できます。
- 年収倍率=住宅ローン借入額÷年収
住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、2023年10月から2024年3月までのマンション購入者(フラット35利用者)の平均年収倍率は以下のようになっています。
新築マンション
エリア | 平均年収倍率 |
---|---|
全国 | 7.2倍 |
首都圏 | 7.7倍 |
東海圏 | 6.8倍 |
近畿圏 | 7.3倍 |
その他地域 | 6.3倍 |
中古マンション
エリア | 平均年収倍率 |
---|---|
全国 | 5.6倍 |
首都圏 | 5.9倍 |
東海圏 | 4.8倍 |
近畿圏 | 5.7倍 |
その他地域 | 4.5倍 |
新築マンションの場合、全国平均で年収の7.2倍です。
年収600万円の場合を計算すると、4,320万円となります。
参考:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」 https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_user.html
返済負担率
住宅ローンを借り入れるときに、「返済負担率」は審査項目になります。
金融機関が設定した返済負担率を超えていると、希望額の借り入れができません。
この返済負担率については、各金融機関で計算方法は異なっています。
今回ご紹介するのは、一般的な返済負担率の計算式です。
- 返済負担率=年間の返済額合計÷年収
それでは、平均返済負担率はどれくらいなのでしょうか。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅購入者(住宅ローン利用者)の返済負担率は、以下のようになっています。
出典:住宅ローン利用者の実態調査(2024年4月調査)https://www.jhf.go.jp/files/400370422.pdf
返済負担率は、15%超20%以内の利用割合が最も多くなっています。
なお、金融機関の住宅ローン審査時の返済負担率は、30%~35%以内に設定されている場合が多いです。
借入可能額ぎりぎりまで借りたいという方もいるかもしれませんが、しっかり今後のマネープランを計画しないと家計が圧迫されることになります。
住宅ローンの返済期間は長いので、その間に人生の中では様々なイベントがあります。
予想外の大きな出費があることも。
そのため、ある程度余裕を持ったマネープランを立てることが大切です。
2. 返済負担率から年収600万の借入額を計算
平均返済負担率をご紹介しましたが、それぞれの返済負担率だとどれくらいなのか、実際の数字を見ないとなかなかイメージしづらいです。
現在の日本において、平均給与は450万円ほどとなっています。年収600万円になると平均よりも多く給与をもらっているので、マイホームを検討する人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「年収600万円」の場合、それぞれの返済負担率だと借入金額はいくらになるのか見ていましょう。一緒に月々の返済額も計算してみました。
返済負担率 | 変動金利(金利0.4%)の 住宅ローン借入金額 |
月々の返済額 |
---|---|---|
10% | 約1,959万円 | 約50,000円 |
15% | 約2,938万円 | 約75,000円 |
20% | 約3,918万円 | 約100,000円 |
25% | 約4,898万円 | 約125,000円 |
30% | 約5,877万円 | 約150,000円 |
35% | 約6,857万円 | 約175,000円 |
※借入金利0.4%・元利均等返済・借入期間35年で計算。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2024年4月調査)」で一番多かった15%超20%以内だと、借入金額は約3000万円~約4000万円ということになります。
なお、これは0.4%の変動金利で借りた場合の借入金額です。同じ返済負担率でも固定金利の場合は金利がぐっと高くなるため、借りられる金額が大きく変わってきます。
2024年9月のフラット35(全期間固定金利)の金利1.82%で、返済負担率別の借入金額と月々の返済額を計算してみました。
返済負担率 | 固定金利(金利1.82%)の 住宅ローン借入金額 |
月々の返済額 |
---|---|---|
10% | 約1,550万円 | 約50,000円 |
15% | 約2,330万円 | 約75,000円 |
20% | 約3,100万円 | 約100,000円 |
25% | 約3,880万円 | 約125,000円 |
30% | 約4,660万円 | 約150,000円 |
35% | 約5,430万円 | 約175,000円 |
※借入金利1.82%・元利均等返済・借入期間35年で計算。
返済負担率15%超20%以内だと、借入金額は約2300万円~約3100万円です。変動金利と比べると大幅に少なくなります。
全期間固定金利は、金利は高いですが返済期間中ずっと一定です。一方、変動金利は金利が低いですが将来的には金利は上昇するリスクもあります。
変動金利と固定金利どちらで住宅ローンを借りるか悩んでいる方は、こちらの記事もご覧ください。
3. 年収600万でマンション購入、無理なく返済するには?
次に、年収600万円でマンション購入するときに無理なく返済するための注意点やポイントについて見ていきましょう。
マンションは、管理費や修繕積立金の支払いもある
一戸建てとの違いとして、マンションは毎月管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。
金額はマンションや専有面積によって違いますが、平均としては以下のようになっています。
マンション管理費の月々の平均相場(70㎡換算)
都道府県 | 管理費 |
---|---|
東京都 | 22,120円 |
神奈川県 | 15,698円 |
埼玉県 | 13,616円 |
千葉県 | 13,492円 |
(2018年以降に竣工したマンションが集計対象・住まいサーフィン調べ)
マンションの修繕積立金の平均月額相場(70㎡)
都道府県 | 築1年 | 築5年 | 築10年 |
---|---|---|---|
東京都 | 7,065円 | 8,326円 | 12,459円 |
神奈川県 | 6,617円 | 8,486円 | 11,750円 |
埼玉県 | 7,061円 | 7,576円 | 10,937円 |
千葉県 | 6,106円 | 7,329円 | 10,701円 |
(2010年以降に竣工したマンションが集計対象・住まいサーフィン調べ)
修繕積立金については、築年を経過するごとに値上げされる傾向があるということを心づもりしておきましょう。
また、大規模修繕時に積立金が足りない場合、一時金を納めなければならないこともあります。
毎月の住宅ローン返済額と維持費の支払いで家計が圧迫されないよう、多少余裕を持った方が安心です。
諸費用を計算する
現在は特に変動金利の金利が低いため頭金なしで購入する人も多いです。しかし、マンション購入時には、印紙税や登録免許税などの様々な初期費用がかかります。
また、賃貸と違って毎年固定資産税の支払いがあります。
最近はネット銀行を中心に諸費用を組み込んだ住宅ローンを利用できるところも増えてきました。
しかし、諸費用を組み込むと住宅分の借入れ可能額が減ってしまいます。
また、金融機関によっては金利が上がることもあります。
そのため、なるべく諸費用分の現金は購入までに用意するようにしましょう。
新築マンションの諸費用については、以下の記事で解説しています。
ライフプランを踏まえた計画をする
同じ年収600万円の方でも、家族構成によってライフプランは大きく異なります。
例えば子どもがいる家庭の場合は、子どもの年齢によって年間の教育費や養育費は違います。
私立にするか・大学に進学するかなどによって変わってきますが、計画的に貯金をしていくことが必要です。
年収600万円で住宅ローンの返済負担率は35%の場合は、月に17.5万円返済する計算となります。
さらに管理費などの維持費を支払うとなると、しっかりと貯金をすることは難しいです。
ただ、購入当時は年収600万円であっても、将来的には昇進などで年収がアップするという人は多いでしょう。
職業や勤め先によっても様々なので、ご自身の現状に合わせた資金計画をしていきましょう。
不安な場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)への相談をおすすめします。
独身でマンション購入を考えている、という方はこちらの記事をご覧ください。
また、マンションを購入しても、家族構成の変化や予期せぬ事情によって売却することが考えられます。
売却をする場合、住宅ローン残高は一括返済することが一般的です。
注意する点として、マンション売却代金が住宅ローン残高および売却にかかる費用を下回る場合は、自己資金を用意する必要があります。
住み替えローンを借り入れるなどの方法もありますが、できれば売却代金は住宅ローン残高や費用よりも高くなって欲しいですよね。
資産価値が高いマンションだと値下がりしづらいので、万が一のときの備えにもなります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
資産価値の下がりにくいマンション・一戸建ての選び方!「資産価値」は何故重要なのか?
「資産価値」が「将来の安心」「万が一の備え」に繋がる理由と、「資産価値」のある家を選ぶ方法を詳しく解説していきます。
4. 駅相場からマンションを見つける
最後に、希望価格帯のマンションの探し方について見ていきましょう。
特定の地域でマンションを購入したい人は比較的ご自身でも探しやすいですが、特に決まってない場合はどうやって探し始めれば良いのか悩む方は多いと思います。
そこで、「通勤等で使用する路線の各駅相場はどれくらいなのか」・「駅周辺にはどんな物件があるのか」気軽に調べる方法をご紹介します。
住まいサーフィンにはマンション検索機能があり、様々な方法で新築・中古マンションを探すことが可能です。
下部の「路線・駅のマンション相場を調べる」ボタンまたはマンションを探す画面で、「路線・駅のマンション相場を調べる」を選択してください。
その後、都道府県と希望路線を選択します。
※現在は関東と関西の一部都道府県のみ路線検索が可能
すると、選択した路線の駅ごとの相場(70㎡あたり)が表示されます。
新築・中古マンション、新築一戸建ての価格相場が分かります。
中古マンションについては無料会員登録が必要です。
気になる駅を選択すれば、その駅周辺の新築・中古マンション一覧が表示されます。
面積や築年数、さらには推計年収などの条件を絞ることも可能です。
あくまで「駅相場」なので物件によって販売価格は前後しますが、希望するマンション価格帯が決まっている場合は駅選びの参考にもなるでしょう。
また、物件によっては口コミ評価や価格表なども公開されています。
さらに、新築マンションは儲かる確率・5年後10年後の価格予測、中古マンションは値上がり率を確認できます。
年収で返済負担率を計算したら、次はぜひこの検索機能を使用して、気になるマンションがないか探してみましょう。
5.まとめ
今回の記事では、年収600万円でマンション購入する場合の住宅ローン借入額や注意点について解説しました。
年収600万円で返済負担率20%~25%・返済期間35年・変動金利(0.4%)の住宅ローンでは、借入金額目安は約3,900万円~約4,900万円です。
しかし、ご自身の家族構成やライフプランによって「無理のない返済額」は変わってきますので、購入検討時の綿密な資金計画が重要です。
マンション価格は高騰しているので、今購入すべきなのか迷っている方も多いと考えられます。将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マイホーム購入で後悔しないためには、情報収集が重要です。
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▼PIVOT 5年後、都心のマンションはどれだけ値上がりするのか?
▼NewsPicks プロだけが知る「令和の不動産売買」【沖有人vs中山登志朗】
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- ● 「適正な価格(沖式査定額:4,400万円)が分かれば、指値(値下げ交渉)を入れて、自分の予算内である4,500万円で強気に交渉出来るのになあ。。」
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