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住まいサーフィン編集部

【2025年最新】給湯省エネ事業とは?対象製品や補助金額を解説!

2025年03月07日

更新日最終更新日:

給湯省エネ事業について、この記事で分かること

日本は省エネ性能の高い住宅を推進しているので、住宅購入時や省エネリフォーム時に補助金をもらえることがあります。各家庭で毎日使っている「給湯器」も補助金(給湯省エネ事業)の対象になっています。

給湯器の一般的な耐用年数は10~20年です。寿命が近いようであれば、給湯省エネ事業を活用することで省エネな給湯器をお得に購入できます。

今回の記事では、2025年最新の給湯省エネ事業の内容や各機器のメリット・デメリットについて解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. 給湯省エネ事業とは何か

まずは給湯省エネ事業とはどんな事業なのかご説明します。

政府は2050年カーボンニュートラル実現等に向けて、「住宅省エネ2025キャンペーン」と呼ばれる4つの支援事業を実施することにしました。

住宅省エネ2025キャンペーン

カーボンニュートラルとは何か?

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするということです。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」 から、植林・森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、その合計を実質ゼロにすることを意味します。

給湯省エネ事業は、4つの支援事業の中の1つです。高効率な給湯器を導入すると、製品や性能に応じて6~20万円の補助金がもらえます。

なぜ給湯器の補助金事業が実施されるようになったのでしょうか。それは、給湯分野というのは家庭におけるCO2排出について大きな割合を占めているからです。

環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査(令和2年)」によると、家庭におけるCO2排出量のうち14~25%が給湯によるものです。
家庭のCO2排出量を削減するためには、給湯器の省エネ化が重要なポイントと言えます。

家庭部門の用途別CO2排出割合
画像出典:住宅省エネ2025事業公式ホームページ(https://jutaku-shoene2025.mlit.go.jp/)

高効率な給湯器を導入するメリット

給湯器を省エネ化することのメリットは、地球環境保全だけではありません。各家庭にもメリットがあります。

  • 高効率給湯器を導入するメリット
  • ● 光熱費が安くなる
  • ● 災害にも強い

高効率給湯器を導入する一番のメリットは、エネルギー消費量が削減されて光熱費が安くなることです。季節問わず一年中毎日使うものだからこそ、効果は実感しやすいでしょう。

例えばエコキュートは太陽の熱エネルギーと電気を使ってお湯を作りますが、電気代が安い夜間電力が使われるのでランニングコストがかなり低くなります。エコキュートのランニングコストを1とすると、都市ガスのガス給湯器のランニングコストは約3.9倍です。エコキュートにすることで、光熱費がかなり節約されることが分かります。
参考:Panasonic はじめてのエコキュート(https://sumai.panasonic.jp/hp/start/)

また、普通の給湯器よりも災害に強いという特徴があります。
エコキュートは停電時でも出湯可能で、「非常用取水栓」が標準設備となっています。
ハイブリッド給湯機は電気とガスの両方のエネルギーを使うので、停電時にはガス・ガスが停止した時には電気でお湯を作ることが可能です。

給湯省エネ事業で補助金を受け取るには、対象機器を導入する必要があります。
それぞれの機器にメリット・デメリットがあるので、比較検討しましょう。

2025年給湯省エネ事業の条件

次に、2025年に給湯省エネ事業で補助金をもらうための条件を見ていきましょう。

  • 対象者
  • ● 対象機器を設置する住宅の所有者等
  • ● 給湯省エネ事業者と契約を締結し、以下①~④のいずれかの方法で本事業の対象機器である高効率給湯器を導入する方(購入の場合
  •  ①新築注文住宅に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
  •  ②対象機器が設置された新築分譲住宅(戸建または共同住宅等)を購入する方法【不動産売買契約】
  •  ③リフォーム時に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
  •  ④既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅を購入する方法【不動産売買契約】
  • ● 給湯省エネ事業者とリース契約し、以下①~④のいずれかの方法で本事業の対象機器である高効率給湯器を導入する方(リースの場合
  •  ①新築注文住宅に、建築主が対象機器をリースにより設置する方法
  •  ②建築中の分譲住宅(戸建)に対して、住宅購入者が対象機器をリースにより設置する方法
  •  ③建築中の分譲住宅(共同住宅等)に対して、管理組合等が対象機器をリースにより設置する方法
  •  ④既存住宅のリフォーム時に、住宅所有者等が対象機器をリースにより設置する方法
  • ● 補助対象者が個人の場合、 共同事業実施規約において、J-クレジット制度に参加することへの意思を表明していること
  • 対象となるリース契約
  • ● 6年以上のリース期間が設定されているもの
  • 対象となる住宅
  • ● 新築住宅または既存住宅(戸建てと集合住宅どちらも対象)
  • 対象となる機器
  • 以下の製品で、性能要件を満たしたもの。
  • ● ヒートポンプ給湯機(エコキュート
  • ● 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機
  • ● 家庭用燃料電池(エネファーム
  • 対象となる期間
  • ● 着工日等が2024年11月22日~予算上限に達する(遅くとも2025年12月31日)まで

給湯省エネ事業の対象者は上記①~④のいずれかの方法で対象の高効率給湯器を導入する人で、購入だけでなくリース契約者(契約期間6年以上)も対象です。
対象機器が設置された新築住宅を購入した人やリフォーム時に設置した人、さらには中古住宅を購入した時に対象機器に交換した人も含まれます。
中古住宅購入時の補助金について、元々対象機器設置されていた場合には対象にならないのでご注意ください。

後ほど解説しますが、J-クレジット制度への参加が必要となります。

対象となる期間は、設置する住宅によって違います。

購入・工事タイプ

購入・工事タイプの期間
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

リース利用タイプ

リースタイプの期間
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

期間の終了は「遅くとも2025年12月31日まで」となっていますが、この事業は予算に達し次第終了となります。

J-クレジット制度とは何か?

J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。

給湯省エネ事業で個人が補助金をもらうためには、共同事業実施規約において、以下のいずれかの方法によりJ-クレジット制度に参加することへの意思を表明しなければなりません。

  • ① 事務局が指定するJ-クレジット事業実施団体に入会予定
  • ② 地方公共団体・民間団体等が管理するプログラムに入会予定・入会済み

①の場合、団体への入会手続きは、給湯省エネ事業の事務局が行います(氏名、住所、電話番号、交付決定番号、交付決定日、製造事業者等名、補助金交付額、設置台数、品名番が提供されます)。入会する団体は「J-グリーン・リンケージ倶楽部」になります。
②の場合でまだ入会していないようなら、自分で入会の手続きが必要です。

「J-グリーン・リンケージ倶楽部」に入会するとどうなるのかというと、無作為に選ばれた方々に対して、年に1回のモニタリング等の調査への協力依頼の連絡があります。実際の温室効果ガスの排出削減・吸収量を算定するための調査です。費用はかからないので、ご安心ください。

2025年給湯省エネ事業の補助金額

つづいて、気になる補助金額についてご説明します。

給湯省エネ2025事業は、補助金額が一律で支給されるわけではありません。
機器の種類によって基本額が決まっていて、性能に応じて加算されます。さらに、既存給湯器の撤去も行う場合には撤去加算額も定額で支給されます。

  • 1台あたりの補助金額
    基本額(6~16万円/台)+性能加算額(4~7万円)+撤去加算額(該当者のみ、4万円または8万円)

基本額

設置する給湯器 補助額
(基本額)
ヒートポンプ給湯機
エコキュート
6万円/台
電気ヒートポンプ・
ガス瞬間式併用型給湯機
ハイブリッド給湯機
8万円/台
家庭用燃料電池
エネファーム
16万円/台

※補助上限は戸建ての場合は2台、集合住宅の場合は1台まで

性能加算額

設置する給湯器 加算要件 補助額
(加算額)
いずれか 両方
ヒートポンプ給湯機
エコキュート
A 4万円/台 7万円/台
B 6万円/台
電気ヒートポンプ・
ガス瞬間式併用型給湯機
ハイブリッド給湯機
A 5万円/台 7万円/台
B 5万円/台
家庭用燃料電池
エネファーム
C 4万円/台

加算要件A~Cの内容は、設置する給湯器によって変わってきます。詳細は次の章でご説明します。

撤去加算額

工事の内容 補助額
(加算額)
電気蓄熱暖房機の撤去 8万円/台
電気温水器の撤去 4万円/台

※補助上限は電気蓄熱暖房機の撤去が2台、電気温水器の撤去が基本補助を受ける台数まで

2. 2025年給湯省エネ事業の対象機器

給湯省エネ事業の対象機器は大きく分けると3種類あります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

エコキュート

エコキュートとは、ヒートポンプの原理を使って、夜間電力や太陽光で発電した電力を有効に利用する給湯器です。
冷媒の圧縮・膨張サイクルによってお湯を作り、貯湯タンクに蓄えておくので、必要なときにお湯を使うことができます。

エコキュート
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

給湯省エネ2025事業で給付金をもらうには、エコキュートの性能レベルが基準(2025年度目標基準値以上)に達している必要があるのでご注意ください。なお、給湯省エネ2025事業では対象外の製品であっても、「子育てグリーン住宅支援事業」では対象になることもあるので、調べてみましょう。

エコキュートの中には「おひさまエコキュート」という商品があります。太陽光発電システムが別途必要な商品になります。

おひさまエコキュート
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

おひさまエコキュートは2025年度の目標基準値を満たしていないものでも対象です。

エコキュートの加算要件は、このようになっています。

エコキュートの加算要件
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

加算要件 補助額
(加算額)
いずれか 両方
A 4万円/台 7万円/台
B 6万円/台

つづいて、エコキュートのメリットとデメリットをご紹介します。

エコキュートのメリット

  • ● 環境にやさしい
  • ● 光熱費が安い
  • ● 災害時にも強い

エコキュートは空気の熱を利用して高効率でお湯を沸かすヒートポンプ方式が使われているので、CO2排出量が低減されます。電気・ガスだけでお湯を作るよりも環境にやさしいです。

電気代が安い夜間にお湯を作るため、光熱費が安くなるのも大きなメリットと言えます。

また、夜間にお湯を作ったらタンクに貯めておくので、停電や断水が起こった非常時にも「非常用取水弁」からお湯(水)を取り出せます。
エコキュートで作ったお湯は飲用としては使用できませんが(一部製品を除く)、非常時に使える生活用水があるのは安心です。

エコキュートのデメリット

  • ● お湯切れすることがある
  • ● 原則飲用には適していない
  • ● 深夜に音が出る

エコキュートの大きなデメリットとして、湯切れするリスクが挙げられます。
エコキュートは夜間にお湯を作ってタンクに貯めておきますが、タンクのお湯がなくなったら蛇口をひねってもお湯は出なくなります。入浴中に湯切れになったら大変です。
もちろんお湯を追加で沸かすことはできますが、時間がかかる上、夜間に作るよりも電気代がかかってしまいます。普段よりも多くお湯を使う場合には、あらかじめ沸き増ししておきましょう。

また、エコキュートのお湯は(一部製品を除いて)飲用には適していません。
各メーカーのエコキュート説明書には、飲用としては避けるように明記されています。なぜかというと、タンクの中のお湯は一度沸かしているので、カルキ等が抜けてしまい水道法の水質基準に満たなくなっているからです。
ただし、一部のメーカーでは飲用できるタイプのエコキュートも作っています。

エコキュートは夜間にお湯を作るので、隣家が近い場合には注意が必要です。音の大きさは40~50dB程度なのでうるさい音ではありませんが、エコキュートからは低周波音が発せられます。夜間は静かで音が響きやすいので、人によっては気になってしまうでしょう。
隣家の寝室近くにエコキュートを設置してしまった場合には、騒音によるクレームが起こるかもしれません。設置場所には十分注意してください。

ハイブリッド給湯機

ハイブリッド給湯機とは、ヒートポンプ給湯機とガス温水機器を組み合わせたものです。2つの熱源を効率的に用いることで、高効率な給湯ができるようになります。
電気とガスのいいとこ取りで、万が一湯切れがあっても素早くお湯を沸かしてくれるのが特徴です。
リンナイの「ECO ONE(エコワン)」やノーリツの「ユコア」がハイブリッド給湯機に分類されます。

ハイブリッド給湯機
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

2025年の給湯省エネ事業で補助金をもらうためには、下記の性能要件があります。

  • ● 熱源設備として電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併用するシステムで、貯湯タンクを持つ機器であること。
  • ● 一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上のものであること。

ハイブリッド給湯機の加算要件は、このようになっています。

ハイブリッド給湯機の加算要件
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

加算要件 補助額
(加算額)
いずれか 両方
A 5万円/台 7万円/台
B 5万円/台

ハイブリッド給湯機のメリットとデメリットをご説明します。

ハイブリッド給湯機のメリット

  • ● 環境にやさしい
  • ● 湯切れを心配しなくていい
  • ● 災害時にも強い

ハイブリッド給湯機は、電気とガスを使って効率良くお湯を作ります。

ハイブリッド給湯機の説明
画像出典:リンナイホームページ(https://rinnai.jp/jutaku-shoene/kyutou-shoene/)

基本的には環境にやさしいヒートポンプで必要な分だけ沸かして、お湯を多く使う時間帯にはガスと電気を使います。湯切れも湯あまりもないので、非常にエコな給湯器と言えるでしょう。

お湯が足りなくなってもガスで瞬発的にお湯を沸かしてくれるので、エコキュートのように湯切れする心配もありません。

また、普段は電気とガスの両方を使って効率的にお湯を作っていますが、非常時にはガスだけまたは電気だけでも利用できます。
電気かガスどちらかが復旧すればお湯が沸かせるので災害時に心強いです。
さらに、タンク内にお湯(水)が残っていれば、生活用水としても使用できます。

ハイブリッド給湯機のデメリット

  • ● 導入コストが高い
  • ● エコキュートより光熱費が高い

ハイブリッド給湯器の大きなデメリットは、価格が高いので導入コストがかかることです。製品にもよりますが、一般的にはエコキュートよりも高価格になります。
利用年数が短いと結果的に損してしまうことになるので、導入時にはしっかり比較検討しましょう。

また、ハイブリッド給湯機は普通の給湯器よりもずっと省エネなので光熱費も安いですが、エコキュートに比べると高くなります。一般的に、電気よりもガスの方が利用料金が高いからです。
ハイブリッド給湯機に限らないことですが、給湯器を導入するときには「貯湯タンクの大きさ」がポイントになります。
特に世帯人数が多い場合には、お湯が足りなくなって何度もガスで沸かすと光熱費が高くなってしまうので注意してください。

エネファーム

エネファームとは、都市ガスやLPガスなどから水素を作って、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電するものです。エネルギーを燃やさずに直接利用することで、発電効率が高くなります。
また、発電の際に発生する排熱を回収して、給湯器としての役割も果たしてくれます。電気を作るのと同時にお湯も作ってくれる創エネ設備です。

エネファーム
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

2025年の給湯省エネ事業で給付金をもらうには、一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)が公表する登録機器リストに登録されている製品を導入する必要があります。

エネファームの加算要件は、このようになっています。

エネファームの加算要件
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

加算要件 補助額
(加算額)
いずれか 両方
C 4万円/台

次に、エネファームのメリットとデメリットを解説します。

エネファームのメリット

  • ● 環境にやさしい
  • ● 電気代を節約できる
  • ● 停電時でも発電できる

エネファームはエネルギーを燃やさずに電気を作って、さらにその熱でお湯も作ります。CO2の排出量が低減されて、環境にやさしいです。

自家発電をするので、環境にやさしいだけでなく電気代も節約できます。
また、ガス会社の中にはエネファーム利用者向けの優待プランもあるようです。

エネファームの大きなメリットは、停電があってもガスが止まっていなければ発電できることです。電気も使えますし、給湯もできます。いざというときの備えにもなりますね。
また、エコキュートやハイブリッド給湯機と同様に、非常時にはタンク内のお湯(水)を取り出して生活用水として利用することも可能です。

エネファームのデメリット

  • ● 導入コストがかなり高い
  • ● ガス代が高くなることがある
  • ● 広い設置スペースが必要

エネファームは発電もしてくれる魅力的な設備ですが、エコキュートやハイブリッド給湯機に比べると導入コストが非常に高いです。
本体価格も高く、さらに工事にも数十万円の費用がかかります。導入コストだけで100万円~200万円ほどかかるようです。定期的にメンテナンスもしなければなりません。

エネファームは発電時にガスを使うため、ガス代が高くなることがあります。エネファーム利用者向けの優待プランを利用できることもありますが、それでも使用量が多ければ月々のガス代は高くなってしまうでしょう。
特にプロパンガス(LPガス)は都市ガスよりも料金が高いので、ガス代が高額になる可能性があります。

また、エネファームは給湯器(給湯ユニット)だけでなく燃料電池発電ユニットも設置する必要があるので、広い設置スペースを確保しなければなりません。
マンション用のコンパクトなエネファームも発売されていますが、メーカーや製品が限られてしまいます。


ここまで、それぞれの給湯器の特徴とメリット・デメリットをご紹介しました。
給湯省エネ事業でもらえる補助金額も、機器や性能によって違います。また、給湯器は永遠に使えるものではなく、一般的な耐用年数は10~20年です。
後悔しないためにも、それぞれのメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで検討しましょう。

3. 2025年給湯省エネ事業に関するよくある質問

最後に、給湯省エネ事業に関するよくある質問にお答えします。

エコジョーズは給湯省エネ事業の対象になるか?

エコジョーズとは、少ないガスで効率よくお湯をつくる給湯器です。新築分譲マンションや新築建売住宅に導入されていることも多いため、給湯省エネ事業の対象になるのか気になる方も多いでしょう。

結論としては、給湯省エネ2025事業の対象にはなりません。新築住宅に入居するケースでエコジョーズが設置されていても、残念ながら補助金はもらえません。

しかし、リフォームでエコジョーズを設置した場合には、「子育てグリーン住宅支援事業」で補助金(給湯器分は3万円)をもらえる可能性があります。
ただし、子育てグリーン住宅支援事業は「開口部の断熱改修」または「躯体の断熱改修」の工事もしなければ、補助金の対象になりません。

給湯省エネ事業の申請方法は?

給湯省エネ事業は、建築事業者・施工業者・不動産販売事業者・リース事業者(いずれも給湯省エネ事業者)が申請をします。補助金も業者を通じて消費者に還元されます。
消費者が行う手続きはありません。

※以下画像は不動産売買契約で導入したケース

手続きの流れ
画像出典:給湯省エネ2025事業公式ホームページ(https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/)

還元方法は以下の2つですが、原則は①の方法となっています。

  • ① 補助事業に係る契約代金に充当する方法
  • ② 現金で支払う方法

他の補助金と併用できるのか?

給湯器の導入に関する補助金は、基本的には併用できません。ただし、給湯器以外のリフォーム工事に関しては併用できることがあります。

政府が2025年に実施する住宅省エネ系補助金事業には、給湯省エネ2025事業以外にも「先進的窓リノベ2025事業」と「子育てグリーン住宅支援事業」があります
※賃貸集合住宅オーナー向けの「賃貸集合給湯省エネ2025事業」は除く

先進的窓リノベ2025事業は窓などの断熱性能向上リフォームに関する補助金で、給湯省エネ2025事業と併用できます。

一方、併用できる場合とできない場合があるのが「子育てグリーン住宅支援事業」です。

子育てグリーン住宅支援事業は新築住宅購入に対する補助金省エネリフォームに対する補助金の2種類があります。新築住宅購入の場合は、給湯省エネ事業との併用はできません。一方で、省エネリフォームは併用できる可能性があります(給湯器設置分の補助金を重ねてもらうことは不可)。

子育てグリーン住宅支援事業では、①開口部の断熱改修②躯体の断熱改修③エコ住宅設備の設置のうち2種の工事が必要です。しかし、既に給湯省エネ事業で補助金をもらっている場合には、必須工事の「エコ住宅設備の設置」をしたものとみなされるようです。

住宅省エネキャンペーン2025の他事業において補助金の交付決定を受けている場合、「子育てグリーン住宅支援事業」における必須工事に相当するリフォーム工事を行ったものとして取り扱います。具体的には、「給湯省エネ2025事業」または「賃貸集合給湯省エネ2025事業」の交付決定を受けている場合は、不足する必須工事「③エコ住宅設備の設置」を行った住宅として取り扱います。
ただし、工事発注者(共同事業者)と対象住宅が同じであり、本事業へ申請する補助額が5万円以上である必要があります。

※参考子育てグリーン住宅支援事業 よくある質問(https://kosodate-green.mlit.go.jp/faq/)

つまり、開口部の断熱改修または躯体の断熱改修をするなど条件を満たす場合には、「子育てグリーン住宅支援事業」と「給湯省エネ2025事業」は併用できると考えられます。

同じ工事内容でも、事業によってもらえる金額は違います。給湯省エネ2025事業は特に省エネ効果が高い製品に特化した事業で、求める性能と補助額が高いことが特徴です。
子育てグリーン住宅支援事業で高効率給湯器を設置した場合の補助金は3万円なので、給湯省エネ2025事業の方が補助金を多くもらえます。

ただし、補助対象となる製品や契約、着工の時期等の要件が異なります。製品によっては給湯省エネ事業は対象にならないけど子育てグリーン住宅支援事業なら対象になることもあるようです。

子育てグリーン住宅支援事業についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

子育てグリーン住宅支援事業とは?補助金額や条件を解説!

「子育てグリーン住宅支援事業」の具体的な内容や、補助金を受け取るための条件について詳しく解説します。

なお、国が他に実施している補助金については、原則として併用できません。工事請負契約が別、かつ工期が別である場合のみ他の補助金と併用できる場合があります。
地方公共団体が行っている補助金事業は、国費が充当されているもの以外なら併用できます。

交付された補助金は課税対象になるのか?

工事発注者(消費者)が個人の場合には、補助金は一時所得に該当します。そのため、一定額以上受け取った場合には税務署等に申告する必要があります。

ただし、給湯省エネ事業の補助金は、所得税法第42条第1項(国庫補助金等の総収入金額不算入)に規定される「国庫補助金等」に該当するので、所定の手続きをすれば所得から除外できる場合もあるようです。
また、住宅ローン減税等を併用する場合、住宅の取得価格等から控除する必要もあります。詳細は税務署等に確認しましょう。

2025年以降も同様の補助金事業はあるのか?

2025年以降の補助金事業は現時点でまだ決まっていませんが、同様の事業が実施される可能性はあります。政府は住宅の省エネ化を強く推進をしているからです。
給湯省エネ事業は2024年にも実施されました。しかし、補助金額など一部異なっているところもあります。
2026年以降に給湯省エネ事業と同様の補助金制度を利用する場合は、最新の内容をしっかり確認してください。

4.まとめ

世界的にも省エネやカーボンニュートラルが重視されていますが、日本の住宅市場においても今後重要になるのが省エネ性能の高い住宅です。
国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。

高効率な給湯器は地球環境にやさしいだけでなく、光熱費の節約や災害時の備えにも繋がります。電気代やガス代が高騰している今だからこそ省エネ性能の高い給湯器を導入して、補助金制度も最大限に活用しましょう。

ところで、2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されます。一定以上の省エネ性能は保障される一方で、価格が心配という方も多いのではないでしょうか。住宅価格の高騰は今後も続く見通しです。
また、住宅価格の高騰以外にも、将来の金利上昇、建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。住宅購入で後悔しないためには、やはり情報収集が重要です。

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