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マイホーム選びで気になる方も多いのが、お子様の学区問題。
1990年代後半、全国的に学校選択制が広まり、2000年に入り東京都心部の多くのエリアで導入され20年以上が経過しました。
その間に大阪市などにも広まるなど、全国的に導入が検討実施されているものの、東京都内では小学校を中心に制度を廃止する自治体が増えるなどその賛否が問われ続けている学校選択制。
今回のコラムは学校選択制のメリット・デメリットとともに、東京23区の学校選択制の導入状況をご紹介します。
1.学校選択制とは
はじめに、学校選択制とはなにか?をおさらいしておきましょう。
学校選択制とは、居住する市区町村内で通学したい公立小・中学校について希望を申告できる制度です。
通常、市区町村の教育委員会は就学予定者が就学すべき小中学校(通学区域)をあらかじめ指定しています。そのため、通学者には学校選択の自由がありません。
しかし、一部の自治体では学区以外の学校への就学を希望することができる「学校選択制」を導入しており、保護者・児童生徒は自由に学校を選択することができます。
学校選択制にはいくつかのパターンがあり、以下のような制度に分かれています。
学校選択制 | 制度の内容 |
---|---|
自由選択制 | 市区町村内の全ての学校が選択可能 |
ブロック選択制 | 市区町村内の学校をブロックに分け、そのブロック内の学校が選択可能 |
隣接区域選択制 | 隣接する区域内の学校のみ選択可能 |
特認校制 | 市区町村内の特定の学校のみ選択可能 |
特定地域選択制 | 市区町村内の特定の地域に居住する人のみ選択可能 |
学校選択制は1997年に制度が開始され、現在は東京都区部、大阪市などを中心に一部の自治体で導入されています。制度開始時より一旦落ち込んだ導入数ですが全国的にみると僅かではありますが増えつつあります。
次の項で、学校選択制のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
2.学校選択制のメリット・デメリット
学校選択制には下記のようなメリットがあります。
- ● 生徒・児童が自由に学校を選択でき、個性を伸ばすことができる
- ● 保護者の教育への関心が高まる
- ● 特色ある学校づくりの推進
- ● 学校の方針が積極的に外部発信されるように
続いて、学校選択制にはどのような問題・課題があるのでしょうか。
デメリットについてもご紹介します。
- ● 通学距離が伸び、安全確保に不安がある
- ● 学校と周辺地域の関係性が希薄化する
- ● 学校間・地域間格差が発生する可能性がある
- ● 入学者が大幅減少した学校も
学校選択制の導入により、入学希望者が殺到し抽選となる学校がある一方で、希望者が大幅減少し適正な規模での運営が出来なくなった学校も存在します。
学校選択制の導入から20年以上が経過した今、メリットとデメリットが明確化されたことで制度の見直しが進められています。
次項では東京23区の学校選択制実施状況をご紹介します。
3.学校選択制の導入状況
2024年3月現在、東京23区では複数の区の小学校で学校選択制が廃止されています。
東京23区 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
千代田区 | 自由選択制 | |
中央区 | 特認校制(5校)、特定地域選択制 | 自由選択制 |
港区 | 隣接区域選択制 | 自由選択制 |
新宿区 | 2018年度より廃止 | 自由選択制 |
文京区 | 自由選択制 | |
台東区 | 自由選択制 | |
墨田区 | 隣接区域選択制 2018年度より自由選択制から変更 |
自由選択制 |
江東区 | 自由選択制(原則徒歩30分圏内(約2km)) 2009年度より徒歩制限を追加 |
自由選択制 |
品川区 | 隣接区域選択制 2020年度よりブロック選択制から変更 |
自由選択制 |
目黒区 | 2019年度から隣接区域選択制を休止 | 隣接区域選択制 |
大田区 | ||
世田谷区 | ||
渋谷区 | 2022年度より廃止 | 自由選択制 |
中野区 | ||
杉並区 | 2016年度より廃止 | 2016年度より廃止 |
豊島区 | 隣接区域選択制 | 隣接区域選択制 |
北区 | 2010年度より廃止 | |
荒川区 | 隣接区域選択制 | 自由選択制 |
板橋区 | 隣接区域選択制 | 自由選択制 |
練馬区 | 自由選択制 | |
足立区 | 隣接区域選択制 | 自由選択制 |
葛飾区 | 2016年度より廃止 | 2016年度より廃止 |
江戸川区 | 自由選択制(原則徒歩、概ね1.2km圏内) | 自由選択制 |
※選択制を導入していない区であっても、特別な事情が認められた場合のみ通学区域外の学校への進学を希望できる場合もある。
※選択の対象となる学校は、施設の状況等により一部除外されている場合もある。
主な廃止の理由として、地域との連携が取りづらくなったことが挙げられます。
学校教育においては、登下校時の見守りや総合学習の授業など、地域連携が必要とされる場面が多く存在します。
しかし、学校選択制の場合、学区外から通学する児童生徒が多くなるため、地域との密着性が薄れることが問題となっています。
特に小学生の場合は、保護者の学校選択においても通学時の安全性を重視した傾向が見られることから、学校選択制廃止の動きが強まっています。
もう一つの理由として、校舎設備・施設が新しいといった教育面以外の理由で、一部の大規模校に人気が集中してしまい、過疎校が生まれている現状があります。
同じ公立学校であるにも関わらず、教育機会に偏りが生まれてしまうリスクがあり、学校選択制の制度見直しの流れに繋がる結果となりました。
4.まとめ
- ● 学校選択制の見直しが進められている
- ● 学校の規模によって教育機会に差が生まれている現状
- ● 住まい選びの際は学区の確認も
今回の記事では、東京23区の学校選択制についてご紹介しました。
学校選択制が利用できない場合、自宅住所で通学区域が決まります。
そのため、希望の学校に通学させるためには、学区内でマイホーム探しを行う必要があります。
学区の都合で自宅からもっとも近い学校に通えなかったといった失敗談も聞かれますので、マイホーム検討時はお子様の学区や通学路を忘れずに確認しておきましょう。
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- ● 自宅を売却したくてもローン残債より売却額の方が低く、住み替えできない
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