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分譲マンションには生活に役立つ便利な設備が多くありますが、そのうちの一つがスロップシンクです。
スロップシンクは一般的にはバルコニーに設置されています。賃貸住宅だと設置されていないことがほとんどなので、使用方法がイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、マンションのスロップシンクの活用方法や注意点について解説します。
目次
1. スロップシンクとは何か?
まずはスロップシンクとは何なのかについてご説明します。
スロップ(slop)には「捨て水、泥水、汚水」という意味があります。スロップシンクは、汚れたものを洗う流し台のことです。
汚れた服や靴、掃除用具などを洗うのに使用できます。洗面台・風呂場・キッチンで洗うには少し抵抗があるものでも気兼ねなく洗えるのでとても便利です。
スロップシンクはSKと略されて間取り図などに表記されることもあります。英語だと「Slop Sink」で略すならSSなのに、なぜSKなのか?と疑問に思うかもしれません。
一説によると、TOTO株式会社の製品の型番が「SK」だったことが由来だとされています。
設置場所
スロップシンクの設置場所は、戸建てであればこのようにいろいろあります。
- ● ランドリールーム・洗面所
- ● 玄関・土間
- ● ベランダ
- ● 庭・テラスなど屋外
- ● ガレージ
設置場所によって主な用途や使い方も変わってきます。
例えばランドリールームや洗面所は、予洗い・つけ置き洗いに向いています。
しつこい汚れだと、普通に洗濯しただけでは落ちません。ですがスロップシンクで予洗いやつけ置き洗いをすることで、しっかりと汚れを落とすことができます。
洗面台と違って、つけ置きしていても邪魔にならないのは良いですね。
玄関に設置されたスロップシンクは、子どもの手や足を洗うのに向いています。
子どもが泥だらけや砂だらけになって帰ってくるのはよくあることです。玄関付近にスロップシンクがあれば、廊下やリビングが汚れることを防いでくれます。
ペットを飼っている家庭では、散歩後の足洗い場としても重宝するでしょう。
一方で、マンションの場合はバルコニー※に設置されていることがほとんどです。
※バルコニーとベランダの違いは、屋根の有無です。バルコニーには屋根がありません。
マンションによっては専用庭があり、そこにスロップシンクが備え付けられていることもあります。専用庭について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
2. マンションにおけるスロップシンクの活用方法
次に、マンションにスロップシンクが設置されているときの活用方法について見ていきましょう。
汚れたものやアウトドア用品などを洗うのに便利
スロップシンクの一番の活用方法は「汚れたものを洗うこと」です。例えば、このようなものを洗うのに役立ちます。
- ● 汚れた靴(上履き、スニーカーなど)や鞄
- ● 使用後の雑巾やモップ
- ● 習字や絵の具の道具
- ● アウトドア用品
- ● 家電製品のフィルター
室内で靴や鞄を手洗いしてから外で干そうとすると、タオルドライしても移動中に水がポタポタ垂れてしまうことがあり、ちょっとしたストレスになりますよね。
また、習字や絵の具など色移りや独特なにおいが気になるものは、洗面台やお風呂場では洗いたくないという方も多いでしょう。
バルコニーのスロップシンクは、周囲への水撥ねを気にしないで洗うことができて、さらに洗った後はすぐに干すことができます。
そのままつけ置きすることもできるので、がんこな汚れを落としたいというときにも便利です。
洗った後にすぐ干せるという点では、アウトドア用品の洗浄にも向いています。
趣味としても人気が高い、キャンプや登山、釣りなどのアウトドアレジャー。休日に楽しむ人も多いと思いますが、アウトドア用品の手入れは意外と大変です。シュラフ(寝袋)やチェア、クーラーボックスなど、使用後に洗浄が必要なものも多くなっています。
日頃の手入れが大切だからこそ、スロップシンクを使ってこまめに綺麗にしましょう。
家庭菜園やガーデニングの水やりも楽にできる
マンションによっては、バルコニーで家庭菜園やガーデニングをすることができます※。
花や植物などを育てるときに重要なのが「水やり」です。バルコニーにスロップシンクがあれば、水を汲むのが楽になります。手が汚れたときも部屋に入る前に洗うことができますし、野菜が収穫できればその場で泥も洗い流すことができて便利です。
※マンションのバルコニーは共用部分なので、管理規約によってはガーデニング等は禁止されている場合もあります。
3. マンションのスロップシンクに関する注意点
次に、マンションのスロップシンクについて注意したいことをご説明します。
思ったより小さいこともある
一般的にスロップシンクは、物を洗いやすいように深型であることが多いです。しかし、製品によっては浅く小さいものもあります。
中古マンションの場合は内覧時に確認ができますが、新築マンションは竣工前に契約をするケースが多いです。
「スロップシンクを楽しみにしていたけど、思ったよりも小さくて使いにくい」ということにならないよう、心配であればサイズ等も事前に確認しておきましょう。
マンションのスロップシンクは水しか出ないことが多い
汚れたものを洗うときに、水よりもお湯の方が汚れが落ちやすいことがあります。つけ置き洗いも、ぬるま湯の方が効果的なようです。
スロップシンクの中には、お湯が出るものもあります。
しかし、マンションのスロップシンクは水しか出ないタイプであることが多いです。つまり、冬場は寒いバルコニーで冷たい水を使って洗うことになってしまいます。
年中快適に使えるわけではないということは念頭に置いておきましょう。
スロップシンクでバルコニーを掃除・・は待って!
マンションに住み始めてしばらくすると、バルコニーの汚れが気になってくるでしょう。スロップシンクがあれば掃除も簡単にできそうです。
しかし、バルコニーに大量の水を撒くのは避けてください。
マンションは共同住宅です。大量に水を流すことで、下の階のバルコニーに水が流れたり、水漏れが発生したりすることもあります。
マンション購入者の体験談には、このようなものもありました。
後悔していること:上の階の住人が常識のない人だったことです。ベランダを洗剤で掃除するのでその薬液が流れ落ちてきたりして、我が家はプランターで家庭菜園をしていたので非常に迷惑を被りました。>>この体験談をもっと詳しく見る
この体験談では洗剤の液が流れ落ちてきたという内容でしたが、洗濯物を干しているときに上階から水が降ってきたら嫌な気持ちになりますよね。
気持ちよく生活するためにも、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
マンションによっては、管理規約でバルコニーに大量の水を撒くことは禁止しているところもあります。
マンションの場合、リフォームで後付けは基本的にはできない
マンションにスロップシンクがないけど、マンション購入後に後付けしようと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、基本的にマンションの場合は後付けが難しいです。
マンションのバルコニーは共用部分なので、自由にリフォームすることはできません。なぜ共用部分なのかというと、バルコニーは災害時の避難経路になるからです。
そのため、もしバルコニーをリフォームする場合には必ず管理組合から事前承認してもらう必要があります。
スロップシンクを設置するためには排水口・給水管の工事をします。大掛かりな工事になるので、承認を得るのは難しいでしょう。
それでは、室内の専有部分なら設置できるのでしょうか。
結論としては、実際に専有部分を工事業者の人に見てもらわないと工事の可否は分かりません。十分な設置スペースの確保や配管工事が必要なので、基本的にはこちらも難しいと考えた方が良いです。
以上のことから、スロップシンクをマンション内でどうしても使いたいという人は、初めからスロップシンクが備え付けられている物件を選ぶようにしてください。
4.新築マンションのスロップシンク事情
最後に、新築マンションのスロップシンク事情についてご説明いたします。
ここまでスロップシンクの活用方法や注意点について解説してきました。マンションを買ったら便利なものがついてきて嬉しい、そう思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、残念ながら最近の新築マンションではスロップシンクが設置されていないことの方が多くなっています。
なぜかというと、スロップシンクはコストダウンのために多くのデベロッパーが真っ先に取り止める設備の1つだからです。
マンション価格の高騰は続いています。その主な理由は、マンション用地の仕入れコストの上昇、建築資材価格・人件費の上昇です。
首都圏の新築マンション平均価格はバブル期を上回る状況が続いています。
価格が高くなりすぎると買える人も限られてきて、販売に苦戦することになります。しかし、マンション用地の仕入れコストが上がっている以上、価格を大幅に下げることはできません。
そこで少しでも価格を抑えるために、一部設備を取り止めたり品質を低下させたりしています。
設備で優先的に取り止められるのが「あると嬉しいけど、なくても生活できるもの」です。スロップシンクはなくても生活できますし、設置するためには全戸で配管工事しなければならず施工費用もかかります。
参考までに、スロップシンク以外のコストダウン例をご紹介します。
- ● 玄関ポーチ・アルコーブを無くす
- ● トイレの手洗いカウンターを無くす
- ● ディスポーザーを無くす
- ● 床暖房を無くす
- ● ミストサウナを無くす
- ● 二重床ではなく直床にする
- ● エレベーターの台数を減らす
- ● 床材や扉の面材の品質低下
価格が安い(坪単価・平米単価が比較的安い)マンションだと、コストダウンが目立っていることがあります。
しかし、すべてのマンションで上記のコストダウンが行われているわけではありません。
また、比較的価格が安い新築マンションの中にも、スロップシンクが設置されている物件は存在します。
スロップシンクは特に子育て家庭に喜ばれる設備なので、単身向けよりもファミリー向けマンションの方が設置されていることが多いです。
マンションを検討するときには、どのような設備があるのかにも目を向けてみてください。
5.まとめ
今回の記事では、マンションにおけるスロップシンクの活用方法を中心に解説しました。
スロップシンクが設置されているバルコニーは、近隣住民とのトラブルの原因になることが多い場所です。必ず管理規約を守って使用するようにしましょう。
スロップシンクの有無だけでマンションを決める人はいないと思いますが、どんな設備があるのかによって住み心地も変わってきます。
後悔しないように、マンション購入時にはしっかり情報収集をしましょう。
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