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新築マンションでは標準設備となっていることも多い床暖房。足元からしっかり暖めてくれる上、火を使わないので小さいお子さんやペットがいる家庭でも安心して使えます。
新築マンションや戸建てのオプションで取り付ける人や、リフォームで後付けする人も多いです。
エアコンやファンヒーターなどいろいろな暖房器具がある中、なぜ床暖房は人気があるのでしょうか?
今回の記事では、床暖房のメリットやデメリットについて解説します。
目次
1. 床暖房の種類
まずは、床暖房の基本知識についてご説明します。
床暖房は、大まかにすると2種類のタイプに分かれます。それぞれの特徴を見てみましょう。
温水式床暖房
温水式床暖房は、床下のパイプにガスや電気で温めた水を循環させて、床を暖める方式です。
マンションに最初から床暖房がついている場合、温水式であることが多くなっています。
床の表面温度は25~30度前後に保たれるので、足元からじんわりと暖まることができます。暖まり方も均一で、ムラがありません。
しかし、温水式床暖房は電気式よりも設置のコストがかかります。また、後ほど詳しく解説しますが、定期的にメンテナンスが必要な場合もあります。
電気式床暖房
電気式床暖房は、床下にヒーターパネルや蓄熱材などを設置して、電気で発熱させて床を暖める方式です。
温水式よりも施工しやすいので、リフォームやリノベーションで後付けするときには電気式の方が手軽と言えるでしょう。設置コストも工事日数も、温水式よりかかりません。
しかし、電気式床暖房は温水式よりも、電気代やガス代などのランニングコストが高くなることが多いです。
立ち上がりのときは特に大きな電流量が必要なため、契約電気容量を上げなければならないケースもあります。また、部屋全体を暖めるのにも時間がかかります。
温水式と電気式の特徴をまとめてみました。
今回の記事では、新築マンションで一般的な「温水式床暖房」であることを前提に、メリットやデメリットなどを解説していきます。
2. 他の暖房器具と比較!床暖房のメリット
日本ではさまざまな暖房器具が普及しています。
- ● エアコン
- ● ファンヒーター
- ● オイルヒーター(オイルレスヒーター)
- ● セラミックヒーター
- ● 電気ストーブ
- ● ホットカーペット
- ● こたつ
床暖房は、他の暖房器具に比べてどんなメリットがあるのでしょうか?
火を使わないので安全に使用できる
石油ファンヒーターや石油ストーブは周囲を瞬時に暖めることができますが、火傷や火災の危険があります。特にお子さんやペットがいる家庭だと心配ですよね。
床暖房は、火傷や火災の心配はありません。
火を使わないので、空気が汚れず換気も不要です。
部屋全体が暖まり、さらに足元から暖かくなる
床暖房(温水式)を使うと、部屋全体が暖まります。
こたつや電気ストーブなど、暖房器具の中には暖まる範囲が限られているものも多いです。自分の周りだけ暖かければ良い場合には問題ないですが、そうでない場合には暖房器具も使い分ける必要があります。
床暖房は足元が暖かくなるところも特徴的です。東洋医学には「頭寒足熱」という健康法があるように、足元を暖めることで全身の血流が良くなって体全体が効率的に暖かくなります。
また、冬場にエアコンなどの暖房をつけているとき、足元あたりが寒いと感じたことはありませんか。これは、冷たい空気は下に溜まりやすい性質をしているから起きる現象です。
せっかく暖房器具で部屋全体を暖めていても、足元は冷えてしまいます。
だからこそ、足元が暖かくなる床暖房は他の暖房器具を使用している家庭でもおすすめです。
収納場所は不要で、邪魔にならない
床暖房は、床下に設備を設置します。収納場所が必要ないというのは、特にマンション居住者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
部屋の広さや収納スペースには限りがあります。最近の新築マンションは、ファミリー向け間取りでも専有面積が70㎡に満たない住戸が多いです。
例えばファンヒーターやこたつなどは、冬は大活躍しますが、それ以外のシーズンは基本的には収納していますよね。物によっては結構幅を取ります。
また、部屋に置かれている物が多いと掃除が大変です。冬は特にホコリが多くて溜まりやすいので、物をどかしながら隅々まで綺麗にする必要があります。
ですが、床暖房であれば掃除のときにも邪魔になりません。
空気が乾燥しない、ハウスダストも舞わない
暖房器具の中でもランニングコストが安いのは、エアコンです。賃貸住宅でもよくエアコンは設置されているので、他の暖房器具は持ってないからエアコンだけを使用しているという方も多いでしょう。
しかし、エアコンの暖房機能を使うと、温風によって空気が乾燥してしまいます。
肌から水分は奪われ、ときには喉が痛くなることも。湿度が低いとウイルスが活動しやすい環境になるため、風邪やインフルエンザにかかるリスクも高くなります。
また、エアコンの使用中は本体から風が出るので、ほこりや繊維くずなどのハウスダストが舞います。人によっては、鼻水やくしゃみが出ることもあるでしょう。
部屋の中のほこりだけでなく、エアコン内部に溜まっていたほこりが舞うこともあるようです。
一方床暖房は、使用していても空気は乾燥しません。
風も出ないのでハウスダストが舞う心配もないです。
部屋を清潔な状態に保ちやすいので、安心して使用できます。
3. 床暖房のデメリット
床暖房にはさまざまなメリットがあることが分かりました。しかし、これは他の暖房器具についても言えますが、メリットがあれば当然デメリットもあります。
床暖房を日常生活で効果的に活用するためには、しっかりとデメリットについても理解しておくことが大切です。
床暖房は設置費用が高い
ファンヒーターやストーブは、家電量販店やホームセンターに行けば売っています。価格はさまざまですが、目安として5万円以内で買えるものも多いです。
しかし、床暖房を設置するためには他の暖房器具と比べ物にならないほど初期コストがかかります。
例えば8帖の部屋に設置する場合には、50万円~100万円は必要でしょう。さらに、温水式は給湯器などの熱源機の工事費用が別途必要になることもあります。
マンションは一般的にLD(リビング・ダイニング)に床暖房が設置されています。
マンションによっては、オプションでLD以外の部屋に床暖房を追加で設置できますが、4帖~6帖の部屋でも20~30万円ほどの金額になります。
このように、他の暖房器具に比べると高いので、設置のハードルは高いと言えます。
他の暖房器具よりも暖まるまで時間がかかる
床暖房を使うと足元から暖まることができますが、完全に暖かくなるのは電源を入れてから30分~1時間ほど経ってからになります。
エアコンやファンヒーターなら電源を入れれば10分以内には暖かくなりますので、それに比べると時間はかかります。
寒さが厳しい時期には、少しでも早く暖かさを感じたいですよね。そのため、床暖房を使う場合にはタイマー設定を上手く使うことをおすすめします。
また、最近はアプリなどを使って電源を入れられるものもあります。外出先で電源を付けておけば、帰宅する頃には暖まっているでしょう。
もしくは、床暖房が暖まるまでは一時的にエアコンを付けるなど、暖房器具を上手く併用する方法もおすすめです。
定期的なメンテナンスが必要なこともある
温水式床暖房は、床下のパイプに温水が循環して床が暖まる仕組みです。
循環水が減った場合にはエラー表示が出るので、水道水を補充する必要があります。熱源機によっては自動で給水する機能がついているので、その場合は補充作業は不要です。
寒冷地など一部地域では、水道水ではなくて不凍液を使用しています。不凍液は補充だけでなく、数年に一度交換作業もしなければなりません。なぜかというと、不凍液の成分は劣化してしまうからです。
交換作業は専門業者に依頼する必要があります。費用は床暖房の広さなどにもよりますが、5万円前後かかるようです。
推奨交換頻度はメーカーなどによって異なり、2~3年に一度や10年に一度などさまざまです。
しっかり定期的に交換しないと、後々トラブルになったり故障したりするかもしれません。安全に使用するために、決められたメンテナンスを行いましょう。
4.マンション・戸建て購入者の床暖房に関する体験談
最後に、住まいサーフィンで更新している「実録!マンション・一戸建て購入のしくじり体験談」から、床暖房に関する体験談をご紹介します。
床暖房をつけなくて後悔したという体験談
我が家は高台にあるので、風がよく通り夏は冷房いらずで快適なのですが、冬場は窓を締めていてもかなり寒いです。またリビングは、勾配天井にしてサーキュレーターをつけたので、エアコンのききが悪くなかなか部屋が温まりません。これは想定していなかったので、せめて床暖房を設置しておくべきだったと後悔しています。>>この体験談をもっと詳しく見る
残念なのは、玄関に床暖房をつけなかったことです。冬は靴が乾かしやすく、また暖かくなるからです。他の家に行ったとき、玄関に床暖房があると羨ましく感じます。>>この体験談をもっと詳しく見る
床暖房をつけて良かったという体験談
決して大きな家ではないですが、やはりマイホームというだけで満足度は高いです。寒がりな妻のためにリビングには床暖房、浴室には暖房乾燥機を設置しているので、とても快適です。アパートに住んでいた時からは想像もできないほど、快適な毎日を過ごせています。>>この体験談をもっと詳しく見る
床暖房をつけて後悔したという体験談
新築マンションは、魅力的なオプションがたくさんありますが、目先のカッコ良さにとらわれず、本当に必要なのかどうか考えてから付けて下さい。私は床暖房がついていなかったので、オプションで100万円もかけて付けたのですが、床暖房を使うと電気代がすごく高くなるので、ほとんど使用していません。床暖房をつけたのは、もったいなかったなと思っています。>>この体験談をもっと詳しく見る
床暖房をつけて良かったという体験談がある一方で、電気代が高すぎて使わないからいらないという体験談もありました。
ランニングコストがかかると、せっかくの暖房設備も使わなくなってしまいます。
「1.床暖房の種類」でも解説しましたが、同じ床暖房でも、電気式より温水式の方がランニングコストはずっと安くなります。
この体験談を書いた方の家はどんなタイプの床暖房なのかは分かりませんが、もしオプションで付けられる場合には、床暖房のタイプを事前に確認するようにしましょう。
5.まとめ
今回の記事では、床暖房のメリット・デメリットについてご紹介しました。
マンションの床暖房はLD(リビング・ダイニング)だけに設置されていることが一般的です。
しかし、物件によってはLD以外の部屋にも標準で設置されていることがあります。特にZEHマンションなど省エネ性能が高いマンションでは、LDと主寝室の両方に取り付けられているケースも増えてきているようです。
床暖房には床暖房の良さ、そしてエアコンやヒーターなど他の暖房器具にもそれぞれ良さがあります。併用した方が省エネになることもあるので、それぞれの特性をしっかりと理解するようにしましょう。
マイホームの購入検討時には、床暖房のような設備以外にも、迷うポイントはたくさんありますよね。買ってから後悔しないためには、しっかりと情報収集することが重要です。
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