田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第196号]関西の都心勤務可能な島

2023年07月26日

離島への「留学」がブームらしい。義務教育である小中学校から高校まで、形態も里親型(島の里親の元から通学)・親子型(親子で島に移住)等々。さまざまな形がある。国土交通省がその募集状況を取りまとめて発信している。

リモートワークが普及し、以前より移住に対するハードルは下がっているが、いざ離島住まいとなると大きな決心が必要だ。

ところで、関西でも「通勤可能な離島」がある。以下いくつか紹介したい。

【ポートアイランド・六甲アイランド(兵庫県 神戸市)】
こちらの二つを「離島」と呼ぶのは反則な気もするがどちらも紛れもなく島。ただし人工島ではあるが。

ポートアイランドは1981年に街開きした当時は世界最大の人工島。神戸女子大学、神戸学院大学、甲南大学等の大学のキャンパスや、数多くの医療関連施設がある。神戸新交通ポートアイランド線で各線三宮駅から鉄道一本で移動可能。同線の利用で神戸空港への移動も可能だ。

同じく神戸新交通六甲アイランド線でJR東海道線「住吉」駅・阪神本線「魚崎」駅から移動可能なのが六甲アイランド。かつてP&G本社があったことから外国人が多く住んでおり、外国人専用のマンションもある。

両人工島共に分譲マンションは数多くあり、ポートアイランドは住宅都市整備公団分譲の「ポートアイランド住宅」、六甲アイランドは積水ハウス分譲の「RIC」が多くある。価格は「島」だから安いわけではなく「本土」並み。

【淡路島(兵庫県 淡路市/洲本市/南あわじ市)】
関西で島といえば淡路島、といってもいいだろう。鉄道は通っていないが神戸淡路鳴門自動車道が通っており、明石海峡大橋を利用した明石市・神戸市への通勤・通学は容易。実際にバス等を利用して通勤通学している人も多い。

最近はパソナが本社機能の一部を移転したり、西側エリアが「西海岸」と呼ばれ、カフェ・スイーツ等の店舗が多く開業し注目されている。

分譲マンションは、かつてリゾートマンションとして分譲されたものを中心に複数ある。リゾートマンションとはいえ、住宅や社宅として利用されている住戸も多い。500万円未満で数多く販売されており移住希望者には狙い目と言える。

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他にも、兵庫県姫路市の家島、滋賀県近江八幡市の沖島といった「有人島」が存在するが、両島とも分譲マンションはなく都心部への通勤は難しい。

ポートアイランド・六甲アイランドはそもそも都心部通勤圏として流通しているが、今後はリモートワーク・働き方の多様化などが進み、離島だけに限らないが、淡路島のような今までは通勤圏とは見られていなかった場所が紹介される機会が増えるだろう。海岸沿い・眺望が優れている、といった特徴の際立った物件は注目度が増し、価格の上昇もあるだろう。

*参照:
離島の学校に通いませんか?ー令和6年度離島留学生を募集していますー(国土交通省)
有人離島一覧(ritokei)

この記事の編集者

田中 和彦

株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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