3月18日、いよいよJR西日本の地下新駅が誕生する。この新駅によって大阪都心部の利便性が劇的に向上する。
開業するのは大阪駅北側の再開発エリアである「うめきた2期」の地下。なぜこの新駅が注目されるのか?理由は二つある。
一つは関西国際空港(以下、「関空」)と大阪(梅田)とのアクセス向上。今までは関空と大阪駅を結ぶ特急はなく、関空から大阪へ向かうには「はるか」を利用し新大阪駅へ行き、そこからJRで一駅戻るか、「はるか」よりも時間のかかる関空快速を利用しなければならなかった。
今度開業する「うめきた新駅」は、正確には新駅ではなく既存の大阪駅の地下ホームであり、過去の貨物路線を利用し今までと違うルートで大阪駅と新大阪駅を繋ぐ。これにより今までは大阪駅には停車しなかった特急「はるか」が停車することで、関空〜大阪間が約70分から50分弱に約20分も時間が短縮される。
この路線の恩恵を受けるのは「はるか」だけではない。大阪と和歌山を結ぶ特急「くろしお」も同じように大阪駅へ停車することになる。それにより和歌山〜大阪は89分から56分と、こちらは30分以上の短縮。他にも、現在は新大阪駅止まりのおおさか東線が大阪駅へ直通となるため、おおさか東線各駅から大阪駅へは5分程度の時間が短縮される。
現在でもJR大阪駅は関西のハブとなる駅だが、この新駅の誕生により、さらに強固なJRネットワークが築かれる。
もう一つは、新線「なにわ筋線」の開業に伴う南海沿線とのアクセス向上。大阪の大手私鉄である南海電車は、大阪府南部湾岸エリアを走る南海線と住宅地を抜け高野山方面へと向かう高野線の2路線がメインで始発は難波駅。大阪梅田方面へ行くには大阪メトロ等を利用する必要があった。
これが新線開業により、南海電車は新今宮駅から南海新難波駅、中之島駅を経由して大阪梅田への乗り入れをする。今までは新今宮でJR大阪環状線に乗り換える、または難波駅で大阪メトロ御堂筋線に乗り換える必要があった大阪南部と大阪梅田への移動の利便性が増し、大阪梅田界隈だけではなく南海沿線のポテンシャルも向上する。ただ「はるか」「くろしお」と違い、こちらが実現するのは2030年の予定。まだ少し先となる。
うめきた2期は現在街の開発が進んでおり、つい先日その名称が「グラングリーン大阪」と発表された。高層建築物を建築するだけではなく、約45,000平方メートルの巨大で緑豊かな都市公園を併設するなど環境にも配慮された開発。開発地はもちろんその周辺へも良い波及効果が期待できるが、そこに上記の交通ネットワーク。コロナ禍が収束に向かいさらなる大阪の発展が見込まれる、と思うのは少し地元贔屓に過ぎるか?