田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第182号]箕面の駅遠物件が注目されるわけ〜北大阪急行電鉄いよいよ延伸

2022年12月28日

今、旬なマンションランキング」の大阪_北摂。「ライオンズ茨木総持寺ステーショングラン」(JR東海道線「総持寺」駅徒歩1分)や「ファインシティ千里津雲台」(阪急千里線「山田」駅徒歩1分)などの駅近物件が並ぶ中、駅徒歩圏と呼ぶのも微妙な物件が2物件あった。「レ・ジェイド箕面船場サウスレジデンス」と「ブリリアタワー箕面船場TOP OF THE HILL」だ。それぞれ北大阪急行電鉄「千里中央」駅徒歩21分と20分。ほとんどの物件が駅徒歩10分未満の中、なぜ「千里中央」駅だけ、複数の「駅遠物件」があるのか?

実はこの「駅遠」の2物件、竣工引渡時には駅前物件に化けている。なぜならどちらの物件も、2023年度末に延伸が予定されている北大阪急行電鉄南北線の新駅「箕面船場阪大前」駅の開業が箕面市の船場地区に立地するからだ。

もう50年も前から延伸する延伸するといわれていた北大阪急行電鉄。いよいよ、その実現が目の前に迫ってきた。延伸によって開業する駅は上記2物件の最寄駅となる「箕面船場阪大前」駅とその一駅北側になる「箕面萱野」駅。「千里中央」駅に商業施設が集積していて便利なのはよく知られるところだが、新駅のできるエリアもなかなかに便利な場所だ。

「箕面萱野」駅は駅前に「みのおキューズモール」がある。敷地面積1万坪超、延床面積10万平米超の大規模商業施設だ。これができたことで周辺には新たな店舗類も増え、鉄道での移動は不便なものの車で遠方から来る人も多い賑わったエリアとなっている。

「箕面船場阪大前」駅周辺は、1970年大阪万博の時に街開きした繊維卸業が集まる繊維の街。バブル崩壊や繊維業の衰退で往年の賑わいはなく「箕面萱野」駅周辺に比べると来街者は少ないが、以前からある店舗や空いたテナントビル等で近年営業を始めた物販店や飲食店等が点在する地元の人にはよく知られたエリア。

商業施設では「みのおキューズモール」のある北の「箕面萱野」駅や千里阪急のある南の「千里中央」駅に引けを取るが、「箕面船場阪大前」駅周辺は、箕面市立文化芸能劇場、大阪大学箕面キャンパス、箕面市立船場図書館等の文化的施設や、箕面市立病院の移転(仮称)関西スポーツ科学・ヘルスケア総合センターの設立といった健康施設等、商業施設以外では両駅に勝るとも劣らない充実ぶりだ。

元々、大阪で商売に成功した人が集まる高級住宅街であった箕面。最近は吹田や茨木、高槻といった交通利便性の高いエリアに押され気味であったが、鉄道延伸・新駅開業で注目度がアップし人気が高まるのは間違いない。

*参照:(報道資料)北大阪急行電鉄南北線延伸線(千里中央駅から箕面萱野駅)を「2023年度末(令和5年度末)に開業」します

この記事の編集者

田中 和彦

株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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