関西エリアのマンション供給エリアは大阪府を中心に京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、そして一部和歌山県等にまで及ぶ。が、「今、旬なマンションランキング」をみて衝撃的なものを発見した。「お気に入り登録数」の大阪_東大阪エリアに一物件も登録がない……
さて、東大阪とは一体どのようなエリアなのだろうか?
エリア区分はいろいろな分け方がある。「今、旬なマンションランキング」で東大阪とされているエリアは、大阪府庁のWEBサイトに記載された市町村区分で北河内地域(枚方市• 交野市•寝屋川市•守口市•門真市• 四條畷市•大東市)と中河内地域(東大阪・八尾市・柏原市)にあたるエリアだ。地理的に言えば北を淀川、南を大和川、東を生駒山地に囲まれた大阪市以東のエリアとなる。
京阪本線で京都大阪間にある枚方市・寝屋川市、大阪市に隣接する東大阪市・八尾市は、都市の中では政令指定都市に続いて行政の事務権限が強い中核市となっており、人口規模も大きく(枚方市約40万人、寝屋川市約23万人、東大阪市約49万人、八尾市約26万人)、お隣の兵庫県で言えば尼崎市(約46万人)、西宮市(48万人)、明石市(30万人)程度である。それ以外の市は人口10万人程度以下であり、大阪府下の中で知名度は低い。
大阪府は大阪市を中心とした放射線状の鉄道網が中心であり、この東大阪エリアの南北の移動は困難。その鉄道網においても北摂エリアはJR東海道線、南大阪エリアはJR阪和線での移動が利便性が高いのに対して、東大阪エリアを通るJR片町線の使い勝手が良くなったのは1997年のJR東西線の開通以降、JRおおさか東線に至っては2008年の(一部)開業と、JR線の整備が遅れたエリアで、京阪・近鉄等の私鉄沿線の印象が強い。
そのような事情から、大阪市内中心部への通勤者をターゲットとした分譲マンション等の開発は北摂エリア等よりも少なく、地元居住者向けの一戸建て開発やニュータウン開発が多いエリアとなっている。
ただ、居住地としての歴史は古く、歴史的な街道も多くある。大阪から京都に抜ける京街道、大阪市内から奈良へと抜ける暗越(くらがりごえ)奈良街道。他にも十三街道、八尾街道、奈良街道などなどなど。その道中には史跡や旧家もあり歴史好きにはたまらない。
また、自然環境も豊かである。東側に生駒山地を抱えた丘陵エリアであり、私市(きさいち)のイチゴ園(交野市)、石切からみる夜景(東大阪市)、丘陵を利用した葡萄畑とワイナリー(柏原市)、など都会では味わえないものがある。
リモートワークが一般化し、通勤時間をそれほど気にしなくても良くなった今、このような手頃な近郊エリアのニーズは増している。冒頭で「登録物件がない」と書いたが、東大阪に分譲マンションがないわけではない(サイトリンク数にはいくつも物件が出てくる!)。都心部のマンション価格が高騰している今、比較的安価にマンション購入が可能な郊外に目を向けるのも悪くない。
以下は蛇足。全体的に「東大阪エリア」が大層田舎であるような書きっぷりとなっているが、全体を見た時にそのような場所も含むエリアと捉えてほしい。中核都市の中心部は十分に市街化されているエリアとなっており、市街化エリアとそうでないエリアの差が激しいのも東大阪エリアの特徴だ。