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賃貸住宅を探しているときに、「フリーレント」という言葉を見かけることがあります。フリーレントとは、一定の期間だけ家賃が無料になる契約のことです。しかし、なぜ無料になるのでしょうか?無料なんて怪しい、何か落とし穴があるのではないか、と思う方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、フリーレントとは何なのか、その仕組みやメリット・デメリット、注意点を解説します。
目次
1. フリーレントとはどんな意味?なぜ無料なの?
まずは、フリーレントとは何なのかご説明します。
フリーレントとは、「Free(無料)」「Rent(家賃)」という言葉通り、一定期間は家賃が無料になる契約のことです。ずっと無料なわけではなく、入居後の1ヶ月~数ヶ月間だけ無料になります。
賃貸住宅を探していると「敷金無料」「礼金不要」といった言葉を見たことがある方も多いでしょう。同じように「フリーレント1ヶ月付き」「フリーレント2ヶ月付き」などの条件が付いていることがあります。フリーレント1ヶ月であれば、入居後最初の1ヶ月分の家賃が無料です。
フリーレント付きの物件(以下、フリーレント物件とします)に入居することで、引っ越し後の初期費用を抑えることができます。フリーレント物件は5~10年ほど前から注目を集め、普及が進んでいます。最近は多くの不動産ポータルサイトで「フリーレント」という条件を付けて検索できるようになりました。
なぜ家賃が無料になるのか?
引っ越しにはいろいろとお金がかかるので、フリーレントは入居者にとって魅力的な制度です。しかし、無料ということは何か裏があるんじゃないか・・と不安に思いますよね。そこで、フリーレントの仕組みをご紹介します。
大家さん・オーナー(貸主)は、フリーレントを付けることで新しい入居者を惹きつけます。家を貸す側としては、1日も早く入居者を見つけたいです。空室の期間が長いほど家賃での収入がなくなり、大家さんは損をします。
入居者を早く見つけるためには、相場より家賃を安くするという方法も考えられるでしょう。しかし、この方法を取ると不動産自体の資産価値が低下するおそれがあります。また、既に入居している人には不公平感を与えてしまいます。今の時代はインターネットで検索することで、過去の家賃も比較的簡単に分かってしまいます。場合によっては契約更新時に家賃の値下げ交渉をされるかもしれません。
しかしフリーレントを条件に追加することで、家賃を下げることなく、新しい入居者の目を引くことができます。結果的に、空室期間を短縮できて、早期入居者の確保に繋がるでしょう。特に賃貸物件の競争が激しいエリアでは、他の物件と差別化を図るためにフリーレントが導入されることも多いです。
2. フリーレント物件のメリット
次に、フリーレント物件を借りることでどんなメリットがあるのかをご説明します。
初期費用が抑えられる
フリーレント物件は1ヶ月~数ヶ月分の家賃が無料になるので、初期費用をぐっと抑えることができます。一般的には、引っ越しをする際には下記のお金が必要になります。
- ・前家賃(相場:1ヶ月分が多い)
- ・敷金(相場:家賃1ヶ月分)
- ・礼金(相場:家賃1ヶ月分)
- ・仲介手数料(相場:家賃0.5~1ヶ月分)
- ・保証料(相場:家賃と共益費の0.5~1ヶ月分)
- ・鍵交換費用(相場:1~2万円)
- ・火災保険料(相場:1LDKの場合、1~2万円)
- ・引っ越し代(引っ越し時期や荷物量、移動距離によって料金は異なる)
敷金や礼金が0円の物件もありますが、ごく一部です。
例えば1ヶ月の家賃が7万円と仮定すると、初期費用として(前家賃含めて)30万円前後+引っ越し代が必要になります。だいたい家賃の4倍~5倍ですね。さらに、人によっては家具家電の購入費もかかるでしょう。
しかし、フリーレント物件なら1ヶ月~数ヶ月分の家賃が無料なので、だいぶ初期費用が抑えられます。
ただし、契約内容によっては前家賃の支払いが必要な場合もあるのでご注意ください。例えば6月に契約して7月に入居する(1ヶ月分無料)とします。このとき、「7月分の家賃はかからないけど、8月分の家賃は6月の段階で支払ってください」となることがあります。
二重家賃になりにくく、引っ越しに余裕を持てる
フリーレント物件を借りることで、二重家賃が発生しにくくなります。
二重家賃とは、今住んでいる家と新しく住む家、両方の家で同時に賃料が発生することです。退去と入居のタイミングを上手く調整できないと、二重で家賃を支払うことになります。
一般的には、賃貸物件は退去の1ヶ月前までに退去の連絡をしなければなりません。そして、賃貸物件は入居(家賃発生)のタイミングを指定されることが多いです。二重家賃を発生させずに引っ越しをするというのは、難易度が高いと言えるでしょう。
しかし、フリーレント物件なら少なくとも最初の1ヶ月は家賃が発生しません。そのため、「家賃が発生するから急いで引っ越しをしなきゃ」と焦る必要もありません。フリーレントになる期間が長ければ、少しずつ引っ越し作業や準備を進めるということもできるでしょう。
フリーレント物件は、初期費用を減らしたい人だけでなく、落ち着いて引っ越しをしたい人にもおすすめです。
3. フリーレント物件のデメリット
フリーレント物件は金銭面でのメリットが大きいですが、デメリットはあるのでしょうか。この章では、フリーレント物件のデメリットを解説します。
短期間で解約すると違約金が発生することがある
フリーレント物件では、契約に「短期解約違約金」が定められていることが多いです。短期解約違約金とは、入居してから短期間で退去する場合に発生する違約金のことです。
例えば、2ヶ月間家賃無料で、1年以内に解約すると違約金(家賃2ヶ月分)が発生するケースなどが挙げられます。違約となる期間や違約金額はさまざまですが、2年以内に解約すると違約金が発生することもあります。
引っ越しの予定がある人や仕事等で転勤する可能性がある人は、フリーレント物件は避けるべきでしょう。
不動産の選択肢が限られる
フリーレント物件はここ数年で増えてきましたが、フリーレントになっている不動産は限られています。そのため、希望に合った家を見つけるのが難しい場合があります。
フリーレント物件であることにこだわって探すと、本来自分が希望している条件を妥協することになるかもしれません。フリーレント物件は短期解約できないことが多いため、契約した家にはある程度長い期間住むことになります。せっかく引っ越しをするなら、契約更新して何年も住み続けたくなるような物件を見つけたいですよね。
こんなはずじゃなかった・・と後悔しないためにも、間取りや物件の状態、周辺環境などをしっかりチェックしてください。
4.フリーレントの賃貸マンション・アパートを選ぶときの注意点
最後に、フリーレント物件を選ぶときにはどんなことに注意するべきなのか解説します。
家賃が無料の間も、共益費や管理費はかかる
賃貸物件を借りると、家賃とは別に、共益費や管理費といった費用を毎月支払うことがあります。共益費・管理費とは、アパートやマンションを維持管理するための費用になります。
フリーレント物件は最初の1ヶ月~数ヶ月は家賃がかかりませんが、管理費・共益費はフリーレント期間中も負担しなければならないことがあるので、注意してください。駐車場代や駐輪場代、町内会費といった諸費用についても同様です。
物件によっては家賃に共益費・管理費が含まれていることもあるので、契約する前に確認するようにしましょう。
家賃が高く設定されていることがある
フリーレント物件の中には、周辺相場よりも家賃が高く設定されていることがあります。家賃が無料な期間があるので一見お得に見えますが、本当に家賃が適正なのかよく確認するようにしてください。
SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトでは、フリーレントを条件に検索することもできます。しかし、フリーレント物件だけに絞って探すのはおすすめしません。フリーレント物件以外の賃貸物件と比較することで、相場も分かってくるでしょう。
また、家を探すときには周辺の新築住宅や中古住宅についても調べてみてください。賃貸で住むよりも購入する方が月々の支払額が安い、ということはよくあります。
5.まとめ
今回の記事では、フリーレント物件とはどんな物件なのか、メリット・デメリット、注意点を解説しました。
フリーレント物件は初期費用を抑えられるお得な賃貸物件です。しかし、無料の期間が終わったら家賃を払い続けることになります。
「家賃補助が会社から支給されるから、賃貸物件の方が得」と考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、家賃補助も長い目で見るとデメリットがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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しかし、マイホームが欲しいと思っても、住宅価格の高騰は続いています。今買っても平気なのか不安に思う方も少なくないでしょう。将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マイホーム購入で後悔しないためには、情報収集が重要です。
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▼PIVOT 5年後、都心のマンションはどれだけ値上がりするのか?
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