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中古マンションを購入するときに気になるのが築年数。築5年の物件もあれば、築40年以上の物件もありますよね。
築年数はどれくらいがベストなのでしょうか?
新築マンションの供給数は減少していて、かつ価格の高騰が続いています。そのため中古マンションの購入を検討する人も多いでしょう。
今回の記事では、築年数による寿命や中古マンションを選ぶときのチェックポイントについて解説します。
目次
1. 中古マンション購入時の築年数の平均は?
まずは、実際に売買されている中古マンションの築年数を見てみましょう。
公益財団法人 東日本不動産流通機構(以下、東日本レインズとします)のレポートによると、2024年6月に首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は24.36年でした。
2023年6月の平均築年数は23.86年だったので、昨年よりも平均年数は長くなっています。
東日本レインズのデータを見ると、成約した中古マンションの平均築年数は年々長くなっていることが分かります。
画像引用:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」
中古マンションの平均築年数が長くなっているのはなぜ?
中古マンションの平均築年数が長くなっているのはなぜなのでしょうか。その背景にはいくつかの要因があります。
- ● 新築マンションの供給が減少
- ● マンション価格の高騰
- ● リフォーム・リノベーションが人気
マンションを購入しようと思った時に、まずは新築マンションから調べ始める人が大多数でしょう。誰も住んだことがない新しい空間で、気持ちよく新生活をスタートできます。
しかし、新築マンションの供給数は減少しています。供給数が減っている理由は後ほど解説しますが、その結果「希望のエリアに新築マンションが建設されない」「新築マンションの価格が高い」「新築マンションの人気が高くて当選しない」ということが起きています。
新築マンションが買えないから中古マンションを検討せざるを得ない、という人が増えているようです。
価格が上がっているのは新築マンションだけではありません。このように、中古マンションの価格も年々高くなっています。
首都圏の中古マンション成約価格(2年ごと)
平均価格 | 値上がり額 (2013年比) |
値上がり率 (2013年比) |
|
---|---|---|---|
2013年 | 2,589万円 | 0万円 | 100% |
2015年 | 2,892万円 | 303万円 | 112% |
2017年 | 3,195万円 | 606万円 | 123% |
2019年 | 3,442万円 | 853万円 | 133% |
2021年 | 3,869万円 | 1,280万円 | 149% |
2023年 | 4,575万円 | 1,986万円 | 177% |
東日本レインズの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」を基に、住まいサーフィンが作成
築浅の中古マンションほど価格は高いので、予算などの関係で築古のマンションを購入する世帯も増えていると推測されます。
また、昨今のリフォームやリノベーション人気も、平均築年数の増加に関係しています。
最近はSNSやYouTubeなどで自宅のリフォームについて情報発信をする方も多いです。そういった情報をよく見かけるようになったことで、昔よりも「中古の住宅」に対してマイナスなイメージを持つ方は減ってきているでしょう。
築古の中古マンションを安い価格で購入して、自分好みにリフォームやリノベーションをする方も多いです。
新築マンションの供給数が減っている理由
2011年に約5.6万戸だった首都圏の新築マンション供給戸数は、2022年には約3万戸弱、そして2023年は約2万7000戸弱と、年々減っています。
なぜかというと、新築分譲マンションよりも賃貸マンション・ホテルの建設が優先されているからです。
都市部ではまとまった土地の確保が難しく、さらに土地価格は高騰し、建設費や人件費も上昇しています。賃貸マンションやホテルを建設した方が収益性は高いので、結果的に新築マンションの数は減少したということです。
また、マンションの平均価格が上がっていることも供給数の減少に関係しています。マンション価格が高くなると、購入できる人は限られてくるからです。
実際に、首都圏における「平均価格×供給戸数」は、10年以上2兆円付近で推移しています。
新築マンションの供給数は減りましたが、マイホームが欲しいという方は一定数います。結果として中古マンションの需要が高くなり、築年数が古い物件でもリノベーションされて再販売されるケースが増加中です。
2. 中古マンションの寿命は?限界はいつ?
中古マンションを購入するときに、「このマンションはいつまで住めるのか」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、中古マンションの寿命について説明します。
マンションの法定耐用年数は寿命ではない
建物には、その構造や用途に応じて「法定耐用年数」というものが定められていて、マンションの場合は47年とされています。
それでは築47年以上のマンションに住むのは危険なのか?というと、そういうわけではありません。
法定耐用年数とは、固定資産などの減価償却費の計算に使用される年数です。あくまで税制上の年数なので、物理的に住めなくなるわけではありません。
マンションの寿命は何年?
それでは、マンションは築何年まで住めるのでしょうか。
2011年に専門家が行った調査によると、鉄筋コンクリート造の住宅の平均寿命※は68年でした。約70年が目安です。
※この調査上では、残存率が50%となる期間を寿命とする
これはあくまで平均なので、適切なメンテナンスが行われている場合はさらに長く済むこともできるでしょう。国土交通省の資料でも、鉄筋コンクリート造の寿命は117年~120年と記載されています。
参考:建物の寿命と耐用年数
(https://www.f.waseda.jp/ykom/KO201603.pdf)
期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について
(https://www.mlit.go.jp/common/001011879.pdf)
しかし、マンションによっては建物の寿命が来る前に建て替えとなるケースもあります。
耐震基準などの理由で建て替えになることも
鉄筋コンクリートの物理的寿命だけが、マンションの建て替え・取り壊しの理由ではありません。耐震基準や設備(配管)の関係で建て替えせざるを得ないこともあります。
耐震基準とは、最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建築を許可する基準のことです。
1981年以前は「旧耐震基準」で、震度5強程度の中規模地震で倒壊しないことが基準でした。現在は、震度6強~7の大規模地震でも倒壊しない「新耐震基準」になっています。
1981年以前に建設された建物、つまり築43年以上の中古マンションの多くは「旧耐震基準」です。新基準にするための耐震工事には多額の費用がかかるため、「耐震化にそんなに高い費用が必要なら、いっそ建て替える(取り壊す)」という結論になることも多くなっています。
また、マンションの配管が寿命を迎えて、その工事ができないため建て替えをするという例もあります。
マンションの寿命については、こちらの記事で詳しく解説しています。
マンションの寿命はどれくらい?どんなことが寿命に関係するかについても解説!
マンションの耐用年数や寿命に関係する要素について、詳しく解説していきます。
3.築年数はどれくらいがベスト?ポイントも解説!
中古マンションを購入するとき、どのくらいの築年数のものを買えば良いのでしょうか。どんな人に向いているのか、また物件選びの際のポイントをご説明します。
築5年の中古マンション
マンションによっては、築5年ほどで売り出されることがあります。築5年前後だと部屋の状態も綺麗で、マンションの構造や設備は新築とほとんど変わりません。リフォーム無しでそのまま住めることも多いでしょう。
しかし、築10年以上のマンションに比べると価格は高くなります。同じエリアの新築マンションと価格帯があまり変わらないこともあります。
築5年のマンションは、このような方におすすめです。
築5年のマンションが向いている人
- ● リフォームせずにそのまま住みたい人
- ● 新築と同じような最新設備のマンションに住みたい人
- ● 将来的に住み替えする可能性がある人
ただし、築5年ほど経ってくると水回りを中心に少しずつ劣化してきます。築浅のマンションだから大丈夫、と油断せずに、内見時にはしっかり確認しましょう。
築10年の中古マンション
築10年のマンションは、部屋の中が比較的綺麗で、そのまま問題なく住めることが多いです。大規模なリフォームは必要がないでしょう。
新築マンションより価格が手頃ということもあり、中古マンションの中でも人気が高い築年数と言えます。
築10年のマンションは、このような方におすすめです。
築10年のマンションが向いている人
- ● リフォーム無しまたは小規模リフォームだけで済ませたい人
- ● 新築よりも安い価格で買いたい人
- ● 将来的に住み替えする可能性がある人
なお、築10年を経過すると設備によっては不具合が頻繁に発生することがあります。しかし、住みながらのリフォームは不便を伴うことが多いです。
特に水回りと住宅設備については事前によく確認して、リフォームや更新作業が必要なら入居前に済ませましょう。
築20年の中古マンション
築20年のマンションは、割安なものが多いです。ある程度リフォームする必要が出てくる築年数ですが、既にリフォーム済みで売りに出されているマンションも多くなっています。
築20年前後のマンションの中でも、特に2001~2003年に建てられたものがおすすめです。
2000年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行され、住宅の基本性能が高まりました。
また、同年代は土地を安価で取得できた時代なので、手頃な価格で良質のマンションが多く建設されました。そのため、中古マンションとして売りに出す際にも割安な価格に設定されていることがあります。
築20年のマンションは、このような方におすすめです。
築20年のマンションが向いている人
- ● 手頃な価格でマンションを買いたい人
- ● 高品質なマンションに住みたい人
- ● 将来的に住み替えする可能性がある人
築20年のマンションでも将来的に住み替えできるのか、不安な方もいらっしゃるでしょう。資産価値が高いマンションであれば、例えば購入の10年後(築30年)であっても早期売却できる可能性は十分あります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
築20年の中古マンション購入で後悔しないためのポイントとは?資産価値が下がりにくい不動産の条件をご紹介!
築20年マンションを購入するメリット・デメリットや、後悔しないためのチェックポイント、10年後の資産価値を解説します!
なお、キッチンや洗面台、ユニットバスの耐用年数は20年前後と言われています。今はまだ使える状態でも、近いうちに交換が必要になるかもしれないのでご注意ください。
築30年の中古マンション
築30年のマンションは、利便性が高い立地でも価格が安い物件が多くなっています。築30年を経過してくるとほぼ底値になるので、今後価格が大幅に下がる可能性は低いと言えるでしょう。
室内についてもリフォームが必要になってきますが、マンション価格が安いからこそリフォームやリノベーションにお金をかけることも可能です。あえてリフォームされていない中古マンションを買って、自分好みにするのも良いですね。
また、築30年になると、2回目の大規模修繕が完了したマンションがほとんどです。エントランスや外壁などの共用部が綺麗になっているマンションもあります。
築30年のマンションは、このような方におすすめです。
築30年のマンションが向いている人
- ● 安い価格でマンションを買いたい人
- ● 好立地なマンションを手頃な価格で買いたい人
- ● リフォームやリノベーションを楽しみたい人
築30年も経っていると、建物の外観以外にも多くの修繕すべき箇所が出てきます。一見綺麗でも、予算の関係で修繕されず放置されていることもあるようです。
管理組合の議事録や修繕計画を見せてもらって、適切な管理がされているのかを確認するようにしましょう。
築30年のマンションの注意点について詳しく知りたい方は、この記事をご覧ください。
築30年の中古マンションは買っても大丈夫?後悔しないための注意点を解説!
マンションの寿命や築30年前後のマンションを選ぶメリット・デメリット、注意点について解説します。
また、築40年のマンションを検討している方もいらっしゃるでしょう。築30年と同様に、相場よりかなり安い価格で好立地の住まいを購入できます。
また、建て替えすることになって、少しの自己負担で新築マンションに住むことになったという方もいるようです。
しかし、築40年や築50年になると旧耐震基準のマンションも多くなってくるので注意が必要です。
築40年のマンションについては、こちらの記事をご覧ください。
築40年マンションは購入しても大丈夫?後悔しないための選び方を解説!
築40年超の中古マンション購入のメリット・デメリットや、築年数の古いマンションを選ぶ際の注意点をご紹介します。
4.まとめ
今回の記事では、マンションの築年数について解説をしました。
中古マンションを購入する場合は、築年数だけに囚われれるのではなく、以下を確認するようにしましょう。
- ● 適切に管理されているか
- ● 修繕履歴
- ● 管理費・修繕積立金の予定(値上げが予定されているか)
- ● 問題なく住宅ローンを組めるのか
- ● 耐震性能(新耐震基準かどうか)
- ● 資産価値
築年数が古い物件でも、適切に管理・修繕されていれば価格の下落を防ぐことができます。資産価値が高いマンションを選べばスムーズな住み替えもできるでしょう。
しかし、マンションを購入したいと思っても不安に思う方は多くいらっしゃるかと思います。新築だけでなく、中古マンション価格も高騰。それ以外にも、将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マンション購入で後悔しないためには、より一層の情報収集が重要です。
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