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人生で最も大きい買い物であるマイホーム。
金額の大きい買い物だからこそ、購入のタイミングに悩んだり、一軒家にするかマンションにするか・・購入までの流れに迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、一戸建て購入に適したタイミングと具体的な購入、契約の流れを解説します。
目次
1.一戸建ての購入にベストなタイミングはいつ?
まずは、一戸建てを購入するのにベストなタイミングを考えていきましょう。
一戸建て購入のきっかけとなる2つのタイミング
住まいサーフィンが一戸建て購入者を対象に行った調査によると、購入のきっかけは主に「子育て」「結婚」の2つに分かれます。家族構成の変化や生活環境の大きな変化が購入のきっかけになることが多いようです。
様々な間取りが用意されているマンションに対し、一軒家は面積が広く、住宅街に建っているのが一般的。
そのため、世帯人数が増えたことをきっかけに家を買う決断をされる方が圧倒的に多いです。
結婚
一つ目の一戸建ての購入理由として、結婚が挙げられます。
結婚をきっかけに一戸建てを購入される方は、以前から一軒家に住みたい、引っ越したいと考えていた方が目立ちます。
- ● 長年の夢だったマイホーム購入を叶えた
- ● 家賃がもったいないと思っていた
- ● 賃貸よりも広い家に引っ越したかった
子育て
そして、一戸建ての購入理由として最も多いのが、子育てに関連する理由です。
以下のような理由を回答されている方が多いです。
- ● 子供の足音、泣き声を気にせずに子育てしたかった
- ● 子供が増えたので部屋が足りなくなった
- ● 子供を自宅の庭や近くの公園で遊ばせたかった
- ● 子供を通わせたい小学校区に引っ越した
- ● 子供が生まれるので、妻の実家の近くに引っ越した
一戸建て購入のきっかけとなるライフイベントについてご紹介しました。
つづいては平均的な購入タイミングについて、統計データをもとにご紹介します。
一戸建て購入のタイミングを年代で見る
国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査」によると、初めて住宅を購入した人(一次取得者)の平均年齢は下記のようになっています。
世帯主の平均年齢
種類 | 平均年齢 |
---|---|
新築分譲一戸建て (建売住宅) |
37.5歳 |
注文住宅 | 39.5歳 |
中古一戸建て | 43.6歳 |
新築分譲マンション | 39.9歳 |
中古マンション | 43.7歳 |
一戸建て購入者はマンション購入者と比較し、平均年齢が若い結果となりました。
現在の平均初婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.7歳となっています。(令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況)
結婚後、子育てをきっかけに一戸建てを購入する方が多いと考えられます。
年齢別の住宅購入について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
一戸建て購入のタイミングを世帯人数で見る
マイホーム購入者の世帯人数は下記のようになっています。
購入者の世帯人数
種類 | 平均年齢 |
---|---|
新築分譲一戸建て (建売住宅) |
3.5人 |
注文住宅 | 3.2人 |
中古一戸建て | 3.3人 |
新築分譲マンション | 2.7人 |
中古マンション | 2.5人 |
マンションの平均世帯人数は2~3人、分譲戸建てでは3~4人が平均となっています。
世帯人数が多い子育て世帯が一戸建てを購入していることが数字に表れています。
一戸建て購入のタイミングを年収で見る
つづいて、マイホーム購入者の世帯年収についても見ていきましょう。
購入者の世帯年収
種類 | 平均年齢 |
---|---|
新築分譲一戸建て (建売住宅) |
750万円 |
注文住宅 | 801万円 |
中古一戸建て | 752万円 |
新築分譲マンション | 960万円 |
中古マンション | 657万円 |
新築マンションは価格高騰が続いているため、購入者の年収も突出して高い結果となっています。
それに対し、新築分譲一戸建て(建売住宅)の平均価格は4,214万円。
世帯年収が500万円以上あれば新築一戸建ての購入は可能です。
月返済額の目安など、さらに詳しい情報を知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
一戸建て購入のタイミングを市況から見る
つづいて、住宅価格の推移と住宅ローンの借り入れ条件を確認し、「今は買い時なのか?」を確認しておきましょう。
2012年からの価格推移は、下記のようになっています。
不動産価格は全体的に上昇傾向にありますが、建売住宅の価格上昇は比較的緩やかであることが分かります。
建売住宅を購入される場合には、割高な物件を掴まなければ大きく損をする可能性は低いでしょう。
そして、住宅ローンの借り入れでは有利な状況が続いています。
現在の住宅ローン金利は、変動金利は据え置き、固定金利はやや引き上げられ上昇傾向にはあるものの、過去最低水準で推移し、実質的な支払い額はバブル期よりも抑えられています。
したがって、住宅ローンを利用される方にとっては、現在は悪い購入環境ではないと言えます。
住宅ローンの金利推移についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
過去から現在までに住宅ローン金利がどのように変化してきたかが分かります。
また、住宅ローン関連では毎年の所得税を控除する住宅ローン減税制度も活用できます。
2024年以降は控除額が変更になっています。
また、2026年以降の住宅ローン控除は制度の存続が未決定となっています。
住宅ローン控除があるのとないのとでは住宅購入の費用が大幅に変わってきます。
考慮の上で購入タイミングを検討しましょう。
2.新築一戸建て(建売住宅)購入、契約の流れ
ここからは、新築一戸建て(建売住宅)購入の実際の流れを見ていきましょう。
本記事では、注文住宅ではなく、土地・建物がセットで販売される建売住宅の購入の流れ、必要な手続きについて解説します。
新築一戸建て(建売住宅)に求める条件の洗い出し
まず最初に一戸建てに求める理想の条件を洗い出してみましょう。
ご夫婦で意見が分かれることもありますので、まずはお互いの求める条件をそれぞれ書き出してみることをおすすめします。
その際、希望条件には順位付けをしておくと物件選びがスムーズに進みます。
なぜならば、全ての条件を満たす物件を見つけるのは不可能に近いためです。
どういった条件を特に重視していきたいかをあらかじめ考えておきましょう。
具体的には下記のようなポイントについて考えると条件が明確化されていきます。
- ● 新築を希望するか(中古はNGか?)
- ● 最寄り駅までの距離
- ● 実家までの距離
- ● 勤務先までの距離
- ● 駐車場は何台必要か
- ● 庭は欲しいか
- ● お子さんの通学区
- ● 近くに欲しい施設(公園やスーパーなど)
- ● 部屋数・広さ・間取り・日当たり
- ● 住宅設備(食洗機、床暖房、太陽光発電など)
購入予算の把握
続いて、住宅ローンがいくらまで借りられるのか、住宅ローンの事前審査をしておきましょう。
欲しい物件が見つかってから、住宅ローン仮審査に申し込むイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、物件が決まる前でも事前審査は可能です。
事前審査を行うメリットは、自分たちがいくらまで借りられるのかを事前に把握することで、効率的に住宅を選ぶことができる点です。
住宅ローンは事前審査、本審査の2段階の手順を踏むため、前もって事前審査を行っておくことで買いたい家が見つかった時に慌てずに手続きを進めることができます。ローンを組むことができる金額や返済期間などを前もって確認しておけば安心です。
住宅ローンが超低金利となっている現在、想像以上の金額が借りられ、月々の返済額も予定していた額よりも少なかったという声もよく聞かれます。
住宅ローンの上限を知った上で物件選びを行うと、自分たちによりフィットした住宅が見えてきます。
そして、希望エリアの価格相場についても大まかに把握しておきましょう。
相場を把握することで、検討物件が割安か?割高か?を判断することができます。
下記のページから駅別の新築一戸建て平均価格を確認できます。
是非ご活用ください。
一戸建てを探す
希望条件と予算を把握したところで、いよいよ実際に一戸建てを探していきましょう。
住みたいエリアにある売り出し中の建売情報を集めましょう。
新築一戸建ての売り出し情報はネットで検索するほか、不動産仲介業者に出向いて情報を得ることもできます。また、実際にそのエリアを回って最新の新築建売情報を得ることも可能です。
住まい選びのポイントとして、条件の取捨選択に迷った場合に自分で変えられない部分を優先することをおすすめしています。
居室内は後からでもリフォームできますが、住環境は変えられません。
物件周辺にどうしても気になる懸念点がある場合は避けておいた方が無難です。
物件を選ぶ際の注意点
- ● 将来の家族構成の変化なども考慮したうえでの間取り
- ● 立地・都心アクセスの良さ(資産性にも関わる)
- ● 地域の治安と周辺施設
- ● ハザードマップの確認
住まいサーフィンの「パーソナル戸建て」では、希望エリアを登録いただくことで、エリア内の割安な物件が分かるサービスを行っています。
相場よりも割安な物件を選ぶことは購入時に得をするだけでなく、資産性の面でも有利に働きます。
パーソナル戸建てについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
「パーソナル戸建て」については紹介動画もご用意しております。
※「パーソナル戸建て」のご利用を希望される方は、無料会員登録よりお進みください。
また、資産性を重要視して一戸建てを選ぶメリットも大きいです。
資産価値が将来の安心・万が一の備えに繋がる理由と、資産価値のある家を選ぶ方法を詳しく解説しています。合わせてこちらのコラムをご参照ください。
資産価値の下がりにくいマンション・一戸建ての選び方!「資産価値」は何故重要なのか?
2021/08/31
物件見学へ
気になる物件が見つかった方は、実際に物件の見学へ行ってみましょう。
ただし、実際に新築の物件を見てテンションが上がり、不動産のプロである営業担当者のトークに感動し、流されるままに契約してしまった…という人も多いので要注意です。自分が本当に買いたい!と思える物件に出会えるまで探すことをお勧めします。
流されて購入してしまい、後で後悔しないように、事前に確認しておきたいポイントをまとめてから見学に行きましょう。
一戸建て購入のよくある失敗ポイントについては下記の記事をご参照ください。
1200件を超えるマイホーム購入体験談の中から特に多かった失敗をまとめています。
購入申し込み
購入したい物件が見つかったら、「購入申し込み」に進む流れとなります。
申込書を記入する際に、売主へ購入意思を示すために10万円程度の「申込証拠金」が必要となります。
「申込証拠金」はあくまで一時的な預かり金となりますので、契約時(契約を行わなかった場合も)に返金されます。
トラブル防止のため、預かり証は必ず保管しておきましょう。
住宅ローンの事前審査がまだの方はこのタイミングで「住宅ローンの事前審査」の申し込みも行います。
実際に住宅ローンを組むことができるのかの審査になります。この審査に通らないと先へは進めませんので無理のない資金計画を立てましょう。
売買契約
申込み後は売買契約へと進みます。
売買契約時には、宅建士から購入した物件に関する重要事項説明があります。
この際に、説明の中で生じた疑問点や不明点はすべて解決しておきましょう。
売買契約の際には、多くの場合で手付金の支払いが発生します。
一般的に物件価格の5~10%を支払う決まりとなっています。
支払いタイミングは住宅ローン本契約前のため、全額現金で用意する必要がありますのでしっかりと準備しておきましょう。
手付金は、引き渡し時に売買代金の一部となります。
万が一、契約後のキャンセルを行う場合は、手付金の全額放棄が必要となりますのでご留意ください。
住宅ローンの借り入れ申し込み
売買契約後は住宅ローンの正式な借り入れ申し込みを行います。
各金融機関で借り入れの金利や条件なども異なるため、事前にどの金融機関でローンを組むかなども検討をしておくと良いでしょう。
住宅購入では売買契約~住宅ローンの借り入れ申し込み~残金決済・引き渡しまでが重要なプロセスとなります。慌ただしい日々が続く中での手続きが続きますので、漏れのないよう余裕をもって手続きを行えるようにしましょう。
引き渡し
一戸建て完成後、内覧会を経て引き渡しとなります。
内覧時には施工の不具合はないか、希望が反映されているか、定期点検やアフターメンテナンスの箇所や保証期間、有償なのか無償なのかなど全て確認するようにしましょう。
入居の初年度には不動産所得税の支払いが発生しますので覚えておきましょう。
また、入居の翌年には確定申告で住宅ローン控除を忘れずに申請しましょう。
3.まとめ
本記事では、一戸建て購入に適したタイミングと具体的な購入、契約の流れについて解説しました。
マイホームを欲しい理由は人それぞれで、個人によってベストなタイミングが異なります。
欲しい時に家を買うのが一番満足度が高いので、まずは理想条件の洗い出しから始めてみましょう!
これまでの不動産市況を振り返ると、割安に手に入れられる「買い時」があるのも事実です。
しかし、どんなタイミングであっても、割安な物件と割高な物件の両方が常に存在しています。
一戸建て購入で損をしないためには、高値掴みをしないことが一番重要です。
そして、割高な物件を見分けるためには、「資産価値」の考え方が重要です。
こちらのコラムでは資産価値の重要性と考え方を解説しています。
気になる方は是非チェックしてみてください!