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多くの保育園や幼稚園で、使用済みのおむつは保護者が持ち帰るというルールがあります。
毎日おむつを持ち帰るのは大変なことです。
この持ち帰りルール、実は園にとっても負担になっています。
しかし最近は、持ち帰りのルールをなくしている保育園や幼稚園も増えてきているようです。
今回は、保育園や幼稚園での使用済みおむつ持ち帰りのルールについて解説します。
目次
1. 保育園や幼稚園におけるおむつの種類
保育園や幼稚園では、紙おむつまたは布おむつを使用します。
どちらを使用するのかは、園によって異なります。
主なパターンとしては以下が考えられます。
紙おむつ
● 保護者が用意する
● サブスクリプションサービス(定額制)
布おむつ
● 保護者が用意する
● 園からレンタルする
自宅では紙おむつを使用しているという方が多いと思われますが、園によってはあえて布おむつを使用しているところもあります。
紙おむつ
紙おむつは、布おむつと違って洗濯する必要がなく、丸めて捨てるだけなので、扱いは簡単です。
また、おしっこしたサイン(青い線が出るなど)があるので、おむつを脱がさずに確認ができます。
外出先であっても、余程おしっこの量が多くなければ漏れる心配はほとんどありません。
保育園や幼稚園に紙おむつの持ち帰りルールがある場合、以下の準備が必要になります。
- ● おむつ1枚1枚に名前を書く
- ● 持ち帰り用の袋に名前を書く
使用済みおむつは保護者が持ち帰る、というルールの園は多いです。
持ち帰りルールがある場合は、記名したおむつ及び持ち帰り袋を園に渡します。
おむつへの名前書きは、手書きの方もいれば、名前スタンプを使用している方もいます。
SNSに効率が良い記名方法などを投稿している方もいるようなので、参考にしてみましょう。
0歳児保育の場合、紙おむつはだいたい1日に6~8個ぐらい持ち帰ることになります。
使用後のおむつは重量がありますし、わが子のおむつであっても、衛生的にもあまり持ち歩きたくないところです。
地域によっては、持ち帰りルールは廃止としているところも少しずつ増えてきています。
また、詳しくは後ほどご説明しますが、一部の園にはおむつのサブスクリプションサービスもあります。
布おむつ
布おむつは、洗うことで繰り返し使用することができます。
紙おむつよりもコストが少なく済むので経済的で、さらに環境にも優しいです。
また、人によってはトイレトレーニングが進みやすくなります。
しかし、洗う手間はかかります。
また、紙おむつよりも漏れやすいので、おしっこが多かった場合やおしっこをしたことに気が付かなかったとき、洋服が汚れてしまうことも。
そのため、頻繁に確認する必要があります。
布おむつを園からレンタルする場合、レンタル料が発生しますが、持ち帰りをしなくて済みます。
しかし布おむつやおむつカバー等すべて保護者が用意する場合は、布おむつを持ち帰って、帰宅後に洗濯をしなければなりません。
筆者も布おむつに少し触れたことがありますが、紙おむつと違っておしっこしたサイン(青い線が出るなど)がありません。
そのため中を見て確認する必要があります。
また、布を何重にも重ね使用するので、つけるのは少し大変でした。
ハイハイするようになったお子さんの中には、布おむつだと動きづらそうな子もいました。
紙おむつと布おむつ、どちらにもそれぞれ良さがあります。
また、同じおむつの種類でも、園によって取り扱いはさまざまです。
園探しをしている方は、ひとつの情報として覚えていただけましたら幸いです。
2. こんなに大変、使用済みおむつの持ち帰りルール!
おむつの持ち帰りルールは、具体的にどのようなところが大変なのでしょうか。
保護者の負担
使用済みのおむつは、袋を縛っていても臭うことがあります。
お迎えの後に公共交通機関を利用して帰宅する家庭もありますが、電車やバスなどの密閉された車内だと余計気になりますね。
帰りに臭いを気にしながら買い物をするという方もいらっしゃるでしょう。
また、使用済みのおむつは1個1個に重量があります。
ときにはおむつをしたまま水遊びをして、はちきれそうに重くなったおむつを持って帰ることも。
兄弟で保育園や幼稚園に通っていると、さらに量は増えます。
家庭で捨てることになるので園に処分費用を払う必要はないですが、帰りのことを考えると毎日大変な思いをしなければならないですね。
保育園や幼稚園の負担
持ち帰りをする保護者だけでなく、保育園や幼稚園にも「持ち帰りルール」の負担はあります。
1日の保育時間の中で、おむつを替える(トイレに行く)回数はだいたい決まっています。
複数の子どもたちを見ながら行うおむつ交換は、決して簡単な作業ではありません。
交換するたびに、保育者はおむつに書かれた名前を確認しながら、使用済みおむつを各園児のおむつ袋に入れなければなりません。
園児の数が多いと、使用済みおむつの仕分け作業にも時間と手間がかかります。
また、おむつ持ち帰り袋も保管場所が必要です。
使用済みおむつが溜まってくると、場所も取ります。
このように、おむつ持ち帰りルールは園にとっても様々な負担があります。
3. 持ち帰らないといけない理由
昔はほとんどの園に持ち帰りルールがあったので、それを当たり前に思い、「なぜ使用済みおむつを持ち帰らないといけないの?」といった疑問さえ持たない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、最近は持ち帰りルールが廃止される園も増えてきています。
現在使用済みの紙おむつは、園によって以下のように取り扱いが分かれています。
- ① 使用済みおむつを保護者が持ち帰る
- ② 園で処分して、処分費を保護者が支払う
- ③ 園で処分するが、処分費は自治体がすべて負担する
そもそも、なぜ保育園や幼稚園にはおむつ持ち帰りルールがあるのでしょうか。
その理由をご説明します。
お子さんの体調を把握するため
1つ目の理由は、保護者がお子さんの体調をしっかりと把握できるようにするためです。
おしっこやうんちの量・状態から、健康状態に異常がないかを確認します。
しかし、仕事・家事・育児に毎日忙しいので、わざわざ開けて見る余裕がないという方も多いのではないでしょうか。
中身を確認せずに処分していたら、この「体調把握」の目的は果たされません。
また、保育者は園内であったこと等を連絡帳に記載し、何か気になったことがあればお迎えに来た保護者へ伝えています。
保育者は毎日おむつを交換しているので、普段と違うことに気付けば知らせてくれるでしょう。
「体調把握」はおむつ持ち帰りの目的の1つではありますが、他の方法で目的を達成することができるのも事実です。
保育園での処分はコストがかかるため
2つ目の理由は、おむつを保育園や幼稚園で処分するとコストがかかるためです。
自宅でおむつを捨てるときには、家庭ごみ(普通ごみ)になります。
しかし園の場合は“事業系一般廃棄物”となるのが一般的です。
事業系一般廃棄物として処分する場合、体積に応じて処分費用がかかります。
保育園は多くのお子さんが通っているため、使用済みおむつの量は膨大です。
処分費用ももちろん高額になってしまいます。
使用済みおむつを保育園で処分している園では、おむつの処分費として別途費用を徴収しているケースがほとんどです。
4. おむつのサブスクリプションサービス
最後に、最近広まってきているおむつのサブスクリプションサービス(通称サブスク)についてご紹介します。
サブスクとは、定額制のサービスという意味です。
動画や音楽のサブスクに馴染みがある方は多いと思いますが、おむつのサブスクとはどういうものなのでしょうか。
おむつのサブスクは、月額定額料金を支払うだけで、おむつ・おしりふきが直接保育施設に届くサービスになります。
複数の会社が同様のサービスを運営しているので、どんなサービスが利用できるのかは保育園・幼稚園にお尋ねください。
サブスクを利用することで、保護者はおむつの記名作業をしなくても済み、おむつを園に持っていかなくて良いので荷物もかさばりません。
朝の登園準備にゆとりができるでしょう。
また、園にも多くのメリットがあります。
保育者はおむつの名前を確認する必要はなく、使用済みおむつを園児ごとに仕分けする必要もありません。
貸おむつのやり取り※がなくなり、おむつやおしりふきのストックに関する保護者への連絡もなくなります。
※貸おむつとは、記名されたおむつのストックがなくなって、園がおむつを貸し出すこと
ただし、注意すべき点として、病気等で欠席をしても日数に応じた払い戻しはしてもらえない可能性があります。
詳しいサブスクの利用方法は、保育園や幼稚園にお問い合わせください。
おむつのサブスクを推進する自治体も出てきました。
東京都豊島区は、2022~2023年冬に紙おむつサブスクのモデル事業を実施しています。
今後サブスクサービスは、さらに広がっていきそうです。
参考:区立保育園において紙おむつサブスクのモデル事業を実施します
5.まとめ
今回は持ち帰りルールについて解説しましたが、いかがでしたか?
布おむつと紙おむつで対応が違うこと、どちらにしても持ち帰りとなると保育者にも保護者にも負担があることをお伝えしました。
現在東京都23区の公立保育園では、おむつ持ち帰りルールは廃止されているようです。
このようにルールをなくしている園や自治体も増えてきているので、今後さらに広がってくれるといいですね。
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